Michael Thomas / Natural Habitat

Michael Thomas (As, Bass-Cl)
Julian Shore (P, Rhodes, Syn)
Hans Glawischnig (B)
Johnathan Blake (Ds)

Recorded March 17, 2019, at The Bunker Studio, Engineered by Molan Thies
Mixed and mastered by Dave Darlington at Bass Hit Studios
Photography and design by Christopher Drukker
(Sunnyside Records SSC 1611)

1. Float 7:34 
2. Different Time 5:41
3. First 6:04
4. Natural Habitat 6:13
5. Harbor 8:07
6. Fourth 6:00
7. Demise 5:52
8. No Words 5:57
9. Two Cities 7:37
All songs composed by Michael Thomas

・マイケル・トーマスは全然知らないアルト奏者だけど、リズム隊がハンス・グロウィシュニク、ジョナサン・ブレイクとなれば買わないわけにいかないだろう。
・トーマスと同じく初聴きのジュリアン・ショアも加わったカルテットによる演奏は、4ビートを基調としたコンテンポラリー・ジャズ。中には変拍子の曲もあるのだが、頭でっかちに感じないのは、テーマやコード進行が明瞭だから。譜面に書くことは最小限に留めてアドリブで勝負しているので、普通のジャズと同じ感覚で楽しめる。
・トーマスは速いパッセージで吹きまくるといったタイプではないし、そんなに力んでもいないけど、いざというときには「おおっ」と思わせるような熱いプレイで聴かせてくれる。低音から高音まで同じ太さで柔らかめのアルトの音質にも好感が持てるし、2曲目や7曲目でのバスクラも悪くない。それに加えてオリジナルの楽曲もどれをとっても良質なのだから、流石にSunnysideが目をつけただけのことはある。
・また曲調によくマッチしているショアのピアノ(7、9曲目ではエレピやシンセも弾いている)も、コンピング、アドリブ共に上手さがきらりと光っているし、グロウィシュニクとブレイクもソロを含めて期待通りのプレイ。
・4人が持ち味をきちんと発揮していながらも、バンドとしても調和が取れているので、この演奏には文句のつけようがないのだが、強いていうとどの曲もダークな感じの似たような曲調なためか(テンポやリズムはそれぞれ異なっているが)、いささか冗長に感じるので、何らかのプラスアルファがあれば更に良かったと思う。
・演奏は想像していた以上だし、録音もベースは僅かながら輪郭がぼやけているものの、各楽器とも私好みの温かい音色で録れているし、バランスも上々で、本作はオーディオ的にも気分良く楽しめた。

Evaluation ★★★★☆

Natural Habitat
Michael Thomas
Sunnyside
2021-03-26