David Kikoski with Boris Kozlov / Sure Thing

David Kikoski (P)
Boris Kozlov (B)

Produced by David Kikoski and Boris Kozlov
Engineer: Mike Sim
Recorded and mixed at Sim Studio, Brooklyn, NY, on February 3, 2016
Mastered by Jon Rasenberg
Photography by Gulnara Khamatova
Design by İrem Ela Yıldızeli
(HighNote Redords HCD 7336)

1. B Flat Tune 6:02 
2. E 6:45
3. Fugue from "The Endless Enigma" (Keith Emerson) 2:31
4. Strength for Change  9:32
5. Quartet #1 (Chick Corea) 9:30
6. Satellite (John Coltrane) 6:33
7. Sure Thing (Jerome Kern / Ira Gershwin) 7:38
8. Winnie's Garden 8:39
All compositions by David Kikoski

・ソロやデュオものにはあまり興味がないのだが、デヴィッド・キコスキにボリス・コズロフとなると話は別。二人とも大好きなので、本作にはすぐに飛びついた。オリジナル曲以外にもチック・コリアの「Quartet #1」やコルトレーンの「Satellite」をやっているのも嬉しい。
・その演奏は事前にリハーサルしながら打ち合わせをしたとみえて、テーマのキメや曲の持っていきかたがバッチリ決まっているのが実にいい塩梅。作曲やアレンジを手掛けているキコスキは当然として、コズロフもキコスキがやりたいことをきちんと把握した上で最良のプレイをしているのが素晴らしい。
・1、2曲目はどことなくコリアを連想させる曲調。その後にはキース・エマーソンの「Fugue from "The Endless Enigma"」(Emerson, Lake & Palmer 「Trilogy(72年)」収録) のクラシカルなソロピアノの部分を取り上げていて、これまたいい感じで聴かせてくれるのがなんともたまらないし、ヨーロピアン・カルテット時代あたりのキース・ジャレットの匂いが感じられる4曲目もまた同様。
・そしてなんといっても「Quartet #1」のテーマ部分を忠実に再現しながらの、アドリブに入ってからはいかにもキコスキらしい程よくアウトするプレイや、コズロフのエディ・ゴメスを彷彿させるソロには大感激。また「Satellite」も期待どおりの演奏で聴かせてくれる。
・残りの2曲も含めて捨て曲は1曲もなし。デュオながらもドラムが聴こえてくるようなリズミカルな演奏をルンルン気分で楽しんでいたら、トータル57分があっという間に終わってしまった。
・録音はピアノもベースも温かみのあるナチュラルな音質で録れているのが私好みだし、力感やバランスも上々。本作はオーディオ的にも気分良く楽しめるので、ちょっと甘いような気もするけれど、オマケして5つ星にしておこう。
・この演奏を聴いているとドラミングのインスピレーションがどんどん湧いてくるので、そのうち一緒に叩いてみようと思っている。

Evaluation ★★★★★


Sure Thing
David Kikoski
Highnote
2021-02-12