Shai Maestro / Human

Shai Maestro (P)
Jorge Roeder (B)
Ofri Nehemya (Ds)
Philip Dizack (Tp)

Recorded February 2020
Studios La Buissonne, Pernes-les-Fontaines
Engineer: Gérard de Haro
Mastering: Nicolas Baillard
Cover: Mayo Bucher
Liner photos: Caterina Di Perri
Design: Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher
An ECM Production
(ECM 2688)

1. Time 3:23 
2. Mystery and Illusions 8:32
3. Human 2:34
4. GG 4:44
5. The Thief's Dream 7:53
6. Hank and Charlie 4:41
7. Compassion 3:24
8. Prayer 4:26
9. They Went to War 5:22
10. In a Sentimental Mood 5:47
11. Ima (For Talma Maestro) 5:32
All Compositions by Shai Maestro
except "In a Sentimental Mood" by Duke Ellington, Irving Mills, Manny Kurtz

・シャイ・マエストロのリーダー作を買うのは「Shai Maestro Trio / Untold Stories(15年、別頁あり)」以来。その間にリリースされた「Shai Maestro Trio / The Stone Skipper(17年)」や、本作と同一メンバー(トリオのみ)によるECMからの初リーダー作「Shai Maestro / The Dream Thief(18年)」は予算の関係でパスしている。
・なので6年ぶりに聴くのだが、ECMのカラーが強すぎて、他のミュージシャンのアルバムと似通ってしまっているのが気になるところ。でも静的な演奏がメインながらも、曲調の範囲内ではそれなりに盛り上がったりもしているのでこれでよしとしよう。
・メンバー的にはフィリップ・ディザックの参加が興味深い。本人のリーダー作「Philip Dizack/Beyond a Dream(06年、別頁あり)」「Philip Dizack / Single Soul(13年、別頁あり)」とは全く異なる、ECM度100%のプレイをしているということは、それだけ多くの引き出しを持っていたということなのだろう。マエストロのレーベルを意識した曲作りにもバッチリ嵌っている。
・またオフリ・ネヘミヤも、「Eli Degibri / Twelve(13年)」「Eli Degibri / Cliff Hangin' (16年)」「Omer Avital Qantar / New York Paradox(20年)」(各別頁あり)とは別人のようなプレイをしていながらも、場面によってはエネルギッシュなドラミングで聴かせてくれる。
・肝心のマエストロは、ディザック入りの曲ではソロ(アドリブ)の見せ場は思ったほどは多くない感じ。でもトリオだけでの演奏になると流石としか言いようがないプレイをしているし、ここ数作品から引き続き参加のホルヘ・ローダーも、マエストロと完全に同調しながら弾いているベースプレイが見事。
・バンドとして非常に調和が取れているし、オリジナルの楽曲も優秀で(既成曲の「In a Sentimental Mood」も、ラストテーマの前まではテーマを部分的にモチーフ化させたオリジナルといった印象)、トータル56分をECM的な音世界へと引きずり込ませてくれる。
・録音もECM的ではあるけれど、過度にリバーブがかかっていないのがいい塩梅。プリアンプを替えたおかげなのか、アタック感のあるバスドラなんかも超快感で、オーディオ的にも気分良く楽しめる。

Evaluation ★★★★☆


Human
Shai Maestro
ECM
2021-01-29