iFrancesco Cafiso / Irene of Boston

Francesco Cafiso (As / Compositions / Arrangements)
Mauro Schiavone (P / Arrangements)
Eric Wheeler (B)
Marcus Gilmore (Ds)
Alex Scuña (Per)
London Symphony Orchestra conducted by M Lee Reynolds

Recorded on December 8, 2019 at Angel Studios in London, and on February 24 and 25, 2020 at Tube Recording Studio in Fara Sabina, Italy
Sound Engineered by Riccardo Piparo, Mat Bartram and Francesco Lupi
Mixed by Riccardo Piparo at Contieri 51 in Palermo, Italy
Mastered by Roberto Romano at OS3 Stusios in Rome, Italy
Artwork by Gioranni Robustelli
Photography by Marco D'Anna
Storytelling by Marco Steiner
Other creative supports by video maker Vincenzo Cascone and actor Giulio Forges Davanzati
(Eflat EF 0003)

1. Bouche Dorée - Apparition 1:48
2. Far Flow 5:22
3. Corto Maltese 4:11
4. S'Irendipity 5:11
5. Irene of Boston 6:19
6. Seasons of a Dream 5:16
7. Rasputin 3:37
8. Bluelogue 7:03
9. Fluid Remembrance 5:35
10. Bouche Dorée - Disparition 7:10

・フランチェスコ・カフィーソのリーダー作を買うのは「Francesco Cafiso / 4 Out(10年、別頁あり)」以来。しばらく無沙汰だったので、その間どのように変化しているのか(あるいはいないのか)が興味深いところ。
・本作はシンフォニーオーケストラとの共演盤なので、聴く前は「Francesco Cafiso/A Tribute to Charlie Parker(06年、別頁あり)」と同傾向のウィズ・ストリングスによるバラード主体の演奏かと危惧したけれど、確かにそういう曲がほとんどながらも、ストリングスより管楽器の方に重きを置いた現代ビックバンド的な演奏も中にはあったりするので甘口な印象は受けない。
・ただしオーケストラのアンサンブルにもスポットを当てているので、その分カフィーソの饒舌なプレイを存分に堪能というわけにはいかないけどね。
・それでもソロのフレージングにはパーカー、マクリーン、ウッズ、スティットあたりからの脱却が垣間見れるし(それがオリジナリティーに繋がっている)、10曲目ではアルトの多重録音によるスピリチュアルなアプローチにも挑んでいたりして、ここ10年でのますますの成長ぶりが窺える。また今回のアルバムで一番聴いてもらいたかったと思われる作曲やオーケストレーション面においても楽しませてくれる。
・実はドラムがマーカス・ギルモアなのにも期待していたのだが、こちらの方は他のメンバーと共にオーケストラの一員的にバッキングに徹している場面が大半。それでも大々的にフィーチャーされている7曲目等のリズミカルな曲では流石のプレイをしているので、叩き足りなくは感じない。大人しい曲も含めて曲調にバッチリ嵌ったドラミングとフィーリングで聴かせてくれる。
・何らかのストーリー性が感じられる演奏がなかなか魅力的だし、録音もよくあるオーケストラものとは一線を画していて、特にドラムやパーカッションのワイドレンジでクリアーな音色がオーディオ的にも快感で、本作は買って大正解だった。

Evaluation ★★★★☆


Irene Of Boston
Francesco Cafiso フランチェスコカフィーソ
Eflat
2021-01-14