Chris Potter / There is a Tide

Chris Potter (Tenor and Soprano saxophones, Clarinet, Bass Clarinet, Flute, Alto Flute, Piano, Keybords, Electric and Acoustic Guitars, Bass Guitar, Drums, Percussion, Samples)

Produced by Chris Potter
Executive Producers Dave Staplenton and Louise Holland
Recorded by Chris Potter
Mixed by Chris Allen
Mastered by Huntley Miller at HM Mastering
Album Artwork by Oli Bentley at Split.
Photography by Dave Stapleton
Making-of photography by Jon Sattler
Chris Potter plays D'Addario Jazz Select reeds, RS Berkeley flutes and Selmer saxophones.
(Edition Records EDN 1168)

1. I Had a Dream 5:29
2. Like a Memory 5:48
3. Mother of Waters 5:46
4. Rising Over You 5:40
5. Oh So Many Stars 5:45
6. Drop Your Anchor Down 3:53
7. Beneath the Waves 5:40
8. Rest Your Head 3:58
9. As the Moon Ascends 5:16
10. New Life (In the Wake of Devastation) 6:03
Music composed by Chris Potter

・前作「Chris Potter / Circuits(19年、別頁あり)」ではサックス、クラリネット、フルートの他に、サンプラー、ギター、キーボード、パーカッションも担当していたクリス・ポッターの完全ソロ作品。最近はコロナ禍の関係でか、この手のアルバムをリリースするミュージシャンが増えているのだが、本当にやりたいことができる反面、専門の楽器以外は打ち込みだったり、テクニック的にイマイチだったりするので、基本的には好まないというのが正直なところ。
・でも本作での演奏は、流石にポッターだけあって悪くない。ドラムだけはアマチュアレベルだけど、他の楽器に関してはそれなりに弾けているので(伴奏程度だが)、普通の感覚で楽しむことができる。
・ゆったりめのテンポの曲(非4ビート)が主体ではあるものの、心地よいリズムに乗っかりながらの木管アンサンブルのハーモニーが素敵だし、曲や場面によって吹く楽器を替えながらのソロの上手さやカッコよさも相変わらずで、結果的にはポッターの音世界にグイグイと引き込ませてくれる。
・当然ながら楽曲もどれもが良好。こうして聴くとポッターは作曲面においてもマイケル・ブレッカーの影響を受けていることがよく分かるのだが、いろんな要素が加味されているので、ブレッカー以上に間口の広い演奏をトータル53分、たっぷりと堪能できた。
・自宅でのレコーディングなのかは分からないけど、ミックスはクリス・アレンが担当しているためか、音的にも特に不満は見当たらない。
・演奏も録音も想像していた以上に良いのだが、これらの楽曲をバンドでやるとどうなるのか、いつの日かそういうのも聴いてみたいものだ。


Evaluation ★★★★☆

There Is A Tide
Chris Potter
Edition Records
2020-12-04