Jeremy Pelt / Jeremy Pelt The Artist

Jeremy Pelt (Tp, Effects on 3)
Voctor Gould (P on 1-4, 6-9, Rhodes on 1)
Vicente Archer (B)
Allan Mednard (Ds)
Ismel Wignall (Per)1-6, 8, 9
Chien Chien Lu (Vib on All Tracks, Marimba on 1, 3, 6, 8)
Alex Wintz (G)1, 3, 4
Frank Locrasto (Rhodes on 2, 3, 5, Effects on 3)

Produced by Jeremy Pelt
Recorded at Bunker Studion, Brooklyn NY on September 13-14, 2018
Recording Engineer and Mix: Aaron Nevezie
Mastering Engineer: Jon Rosenberg
Pjotography by Kasia Idzkowska
Design by Irem Ela Yildizeli
(HighNote Records HCD 7325)

    The Rodin Suite
1. Part One: L'Appel Aux Armes 6:55
2. Part Two: Dignity ana Despair (Burghers of Calais) 1:59
3. Part Three: I Sol Tace (Gates of Hell) 5:59
4. Part Four: Camille Claudel (L'Eternel Printemps) 2:33
5. Part Five: Epologue 4:47
6. Ceramic 3:41
7. Feito 6:54
8. Watercolors 5:58
9. As of Now 6:54
All selection composed by Jeremy Pelt
Effects Used On Track 3: Ring Modulator, Reverse Echo, Lo-fi Pitch Modulator
This CD is humbly dedicated to Roy Anthony Hargrove

ヴィクター・グールドとヴィセンテ・アーチャーが参加しているジェレミー・ペルトのアルバムは、「Jeremy Pelt / Make Noise!(17年、別頁あり)」「Jeremy Pelt / Noir En Rouge: Live in Paris(18年、別頁あり)」に次いで本作が3枚目だけど、今回はドラマーがジョナサン・バーバーから初聴きのアラン・メドナード(カート・ローゼンウィンケルのカルテットでも叩いているのがYouTubeで見つかった)に代わっているのが興味深い。その演奏は「The Rodin Sute」と題した5つのパートからなる組曲が入っていることからも想像がつくとおり、何らかのストーリー性が感じられるものとなっているのだが、4ビートがメインだった前2作よりもコンテンポラリー色が強くなっているのに加えて、3曲目「Part Three: I Sol Tace (Gates of Hell)」ではエレクトリック・トランペットでもろマイルス化しているのが特徴的。パーカッショニストが参加しているのは変わらないとして、全面的にフィーチャーされているチェイン・チェイン・ル(?)のヴァイブやマリンバ、3曲参加のアレックス・ウィンツのギターやフランク・ロクラストのエレピがサウンド上のいいアクセントとなっていて、これまでとはまた一味違った演奏が堪能できる。アルバムの中盤からはモーダルな感じの4ビートも登場するので、こっち系も大好きな私としては嬉しくなってしまうのだが、自分よりもメンバーのプレイを引き立たせようとしてか、ペルトが全体的に休んでいる場面が多いのと、メドナードが今どきの若手の凄腕ドラマーと比較するとドラミングが幾分オーソドックスに感じるのは物足りない点。でも2人がこれ以上のことをやってしまうと、クールさを醸し出しているチェイン・ルとのバランスが崩れてしまうので、仕方がないとは思うけどね。トータル45分という短さだけど、ハードな曲をもう1~2増やせばその辺の物足りなさも解消したかもしれない。
デビュー当時からずっと注目しているペルトではあるけれど、本作に関しては「まあ、こんなものかな」といった程度の印象。録音も各楽器の質感は悪くないものの、ヴァイブやマリンバ、エレピやアコピ以外は若干奥まって聴こえるのが、イマイチ演奏にのめり込めない要因にもなっている。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


JEREMY PELT, THE ARTIS
JEREMY PELT
HIGNO
2019-02-19