Jeremy Pelt / Noir En Rouge: Live in Paris

Jeremy Pelt (Tp)
Victor Gould (P)
Vicente Archer (B)
Jonathan Barber (Ds)
Jocquelene Acevedo (Per)

Produced by Jeremy Pelt
Recording enjineer: Agnes Minetto
Recorded at Suset-Sunside Jazz Club, Paris, France on September 29 & 30, 2017
Mixed and mastered by Katsuhiko Naito
Photography by Philippe Levy-Stab
Design by Keiji Obata, Littlefield & Company
HighNote Records HCD 7314

1. Make Noise! (J. Pelt) 5:30
2. Re-Invention (J. Pelt) 8:07
3. Sir Carter (Victor Gould) 9:38
4. Black Love Stories (J. Pelt) 7:02
5. Evolution (J. Pelt) 10:34
6. I Will Wait for You (J. Demy / N. Gimbel / M. Gegrand) 11:48
7. Melody for V (J. Pelt) 5:30
8. Chateau d'Eau (J. Pelt) 7:50

前作「Jeremy Pelt / Make Noise!(17年、別頁あり)」からちょうど1年後の、同一メンバーによるパリでのライブ盤なので、ダブっている曲も数曲あるけれど、いかにもライブらしい生きのいい演奏が楽しむことができる。この1年でバンドとしてもより強化されている印象を受けるのだが、ヴィクター・グールドに関してはモーダルなプレイが相変わらずカッコいいものの、自分の世界に入り込んでしまっているようで、他のメンバーとのコミュニケーションが上手くとれていないような気がしないでもない。せっかくジョナサン・バーバーが熱いドラミングで鼓舞しているのだから、それに応じてもっとアグレッシブに弾いてもいいのではと思うし、ペルトがアドリブで盛り上がっているときのコンピングなんかもいまいちダイナミクスに欠けていて(それどころか休んでいる場面もけっこう多い)、ホットな演奏の中でグールドにだけ終始クールさがつきまとっているのは気になるところ。でもそれがバンドとしての独自のカラーに繋がっている部分もあるので、これでよしとしよう。肝心のペルトはそんなにがむしゃらに吹いているわけではないのに、例によって華のあるプレイで聴かせてくれるし(6曲目のようなバラード曲でのリップコントロールの行き届いたプレイも素敵)、ヴィセンテ・アーチャーの骨太なベースのカッコよさも相変わらずだし、ライブということでバーバーも一段とバイタリティーに溢れているし、ジャクレーン・アセヴェド(?)のコンガを主体としたパーカッションもいいアクセントとなっているし、バンドとしても60年代マイルス・クインテットの現代版といった雰囲気が醸し出されていて、どの曲をとっても私好みの演奏で楽しませてくれる。
トランペッターがリーダーのバンドとしての理想的な演奏なので、全体的に大味な感じがする録音がもっと緻密に録れていて、更にはCDケースのフタをはめる部分とCDを差し込むボッチが半分以上折れている不良品を掴まされていなければ、5つ星にしていたかもしれない。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


NOIR EN ROUGE-LIVE
JEREMY PELT
HIGNO
2018-03-23