Jeremy Pelt / #Jiveculture

Jeremy Pelt(Tp)
Ron Carter(B)
Billy Drummond(Ds)
Danny Grissett(P, Rhodes on #6)
Lisette Santiago(Per)6
Rec. September 9, 2015, NY
(HighNote HCD7285)

どのアルバムからもマイルス愛が感じられるジェレミー・ペルトだが、本作ではマイルスの60年代黄金クインテットのメンバーだったロン・カーターと共演しているのだから、その嬉しさもひとしおだろう。他のメンバーのビリー・ドラモンドは前作「Jeremy Pelt / Tales, Musings and other Reveries(15年、別頁あり)」から引き続き。またダニー・グリセットもそれ以前の「Jeremy Pelt/November(08年)」「Jeremy Pelt/Men of Honor(10年)」「Jeremy Pelt / The Talented Mr. Pelt(11年)」「Jeremy Pelt / Soul(12年、別頁あり)」以来、久しぶりに返り咲いているけれど、はたしてこのメンバーでどういうことになっているのか楽しみだ。

ペルト曲が5曲、カーター曲が1曲、コール・ポーターの「Dream Dancing」、デイヴ・グルーシンの「A Love Like Ours」で全8曲。
Part Iとなっている前半の4曲はカーターの音楽嗜好に合わせてか、アップテンポの1曲目「Baswald's Place」以外はメロディー重視の演奏。またPart IIの後半4曲は7曲目「Akua」を除いてモーダルな演奏となっているけれど、どちらをとってもすんなりと頭に入ってきて実にいい塩梅。ペルト、グリセット、ドラモンドの3人はギンギンに気合の入ったわけではない腹8分目のプレイをしているけど、それがまたカーターのいい意味でルーズなベースともよくマッチしているね。エレピを味付け程度に用いている6曲目「The Haunting」以外はきちんと4ビートで勝負しているのにも好感が持てるのだが、アルバムとしてはなんとなくこじんまりと纏まっているような印象を受けるので、5曲目「The Haunting」や8曲目「Desire」のようなそれなりに丁々発止な展開となっている演奏がもう1~2曲あれば更によかったのではと思う。でも近年のカーター入りのアルバムとしては最高にいい感じで楽しむことができるので、これでよしとしよう。
楽曲も含めて演奏には大きな不満を感じないし、録音(エンジニアはジョー・マルシアーノ)もトランペットとピアノが良いのは当然として、カーターのベースがアンプ臭い音で録れていないのもグッドだし、ドラムスがいくぶんライブに録れているのも演奏によくマッチしていて、音的にもノリノリで堪能できた。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

jiveculture
jeremy pelt
higno
2016-02-19