Joe Locke(Vib)
Robert Rodriguez(P)
Ricky Rodriguez(Ac-B, El-B)
Terreon Gully(Ds)
Rosario Giuliani(As, Ss)2,4,5,6,7,8
Donny McCaslin(Ts)6,7
Victor Provost(Steel Pan)6,9
Theo Bleckmann(Voice)3
Paul Bllenback(G)1,7
Rec. 2014?, NY?
(Motema Music MTA-CD173)
ジョー・ロックとテレオン・ガリーの共演盤は「Joe Locke, Geoffrey Keezer Group / Signing(12年、別頁あり)」以来。それ以外の「The Joe Locke Quartet/Sticks and Strings(08年)」「Joe Locke/Force of Four(08年)」「Joe Locke/For The Love Of You(10年)」「Joe Locke / Lay Down My Heart: Blues & Ballads Vol 1(13年)」(各別頁あり)等も決して悪くはないのだが、ゲイリー・ノヴァック入りの「4 Walls of Frredom」バンドは別格として、私としてはガリーとやっているときの方が音楽的にも演奏的にも好き。特にライブ盤の「J.Locke, G. Keezer Group/Live in Seattle(06年、別頁あり)」や、上記「Signing」は目茶苦茶カッコよかった。本作ではロックの片腕的存在のジェフリー・キーザーが抜けてしまっているのが残念なのだが、近作「The Rodriguez Brothers / Impromptu(15年、別頁あり)」でのプレイもなかなかよかったロバート・ロドリゲスだったら、ちゃんとその穴埋めをしているのではと思う。ベースのリッキー・ロドリゲスを聴くのはこれが初めてだけど、検索しても同姓同名の別人ばかりが出てくるので、経歴等は割愛する。ゲスト参加のロザリオ・ジュリアーニは、「Joe Locke, Rosario Giuliani, Dado Moroni / Stepping on Stars(11年、別頁あり)」「Rosario Giuliani / Images(13年、別頁あり)」でもロックと共演していたね。他にもドニー・マッカスリン等のゲスト参加で、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。
全9曲がロックのオリジナル。その中のBarbara Sfragaという人のポエムが題材となっている2曲目から6曲目までは、「Love Is 〇〇」というタイトルで統一されている。
16ビート系を主体に、4ビートも数曲あり。ゲスト陣の参加と、何らかのストーリー性が感じられる楽曲が相まって、より一段とスケールが大きくなっている印象。聴く前はLoveがついているタイトルなので、優しさに満ち溢れた演奏なのかと危惧したけれど、いつもながらのハードな演奏がメインとなっているのでホッとした。ロックの非の打ちどころのない上手さは相変わらずだし、ロックと一緒にプロデュースも担当しているガリーも、以前ほどの攻撃性は薄れているような気がするものの、曲調にバッチリ嵌った現代的かつセンスのいいドラミングで聴かせてくれる。彼の特徴である人力エコー(ディレイ)も随所に登場してきて、実にいい塩梅。またきちんと自分のスタイルで弾いていながらも、これまでのキーザーのイメージを崩していないロバートにも非常に好感が持てる。その3人と比べるとリッキーはアコベもエレベも存在感が薄いように感じられるけど、彼がでしゃばることなく堅実なベースを弾いているからこそ他のメンバーやゲスト陣が非常に魅力的なプレイができているわけなので、これでよしとしよう。ゲスト陣の中では、ほとんどの曲に参加しているジュリアーニが渾身のプレイで、さすがだなと思わせてくれる。楽曲はどれもがみんな良いけれど、その中でもジュリアーニ、マッカスリン、ヴィクター・プロヴォストが加わってのバトル大会となっている6曲目「Love Is Perpetual Motion」、アップテンポの4ビート曲で、最後の方にはガリーの壮絶なドラムソロも用意されている8曲目「Last Ditch Wisdom」が特に気に入った。
アルバム的には「Joe Locke, Geoffrey Keezer Group / Signing」の方が良かったような気もするけれど、久しぶりにガリー入りのロックの演奏が楽しめたし、録音も各楽器が音楽的に良い音で録れているので、本作はオマケして5つ星にしておこう。
評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)