Yosuke Onuma(El-G,Ac-G,Gut-G,El-Sitar)
Lincoin Goines(El-B,Ac-B)
Steve Ferrone(Ds)
Rec. 2007,7~8,LA (Sony SICP10093-4)

小沼ようすけが今年3月に里帰りライブをやったときに、サーフィンをやりたくて現在は葉山に住んでいると言っていたけど、その甲斐あってか最近はよく日焼けしているよねぇ。(イケメンだからといって、決して日焼けサロンで焼いているわけではないのです)
さすがにサーフィンにドップリとハマっているだけあって、本作はサーフ・ミュージックを視野に入れたサウンド作りとなっているようだ。わざわざLAに出向いて、彼が敬愛しているジョージ・ベンソンが「ブリージン」を吹き込んだのと同じスタジオ、エンジニア(アル・シュミット)で録音していることからして、イメージ的には米西海岸のカラッとしたようなフュージョン・サウンドといった感じかな。NY録音の「Three Primary Colors(04年)」とはまた一味違ったサウンドが楽しめそうだ。メンバーのリンカーン・ゴーインズはマイク・スターン・バンドでお馴染み。スティーブ・フェローンは久しぶりに聞く名前だなぁ。個人的にはレーザーディスク「New Stars on Blue Note(89年)」の、イリアーヌ・バンドでのタイトなドラミングが懐かしい。

海をイメージした小沼のオリジナルが8曲、ゴーインズ曲が1曲、ベンソンの「ブリージン」に入っていた「Affirmation」で全10曲。オマケとして、葉山の海をバックに語ったりギターを弾いたりのDVD(押尾コータローとのデュオ曲も1曲あり)が付いている。
難解さはなく、基本的にはシンプルな路線といっていいだろう。非常に聴きやすい。いかにもウエストコースト・サウンドといった感じのカラッとして爽やかな曲作りで、引っ越したことによる環境の変化もサウンドに色濃く現れていてるようだ。従来からのエレギやアコギの他に、最近小沼が力を入れているガッドギターも楽曲に応じてバランスよく使い分けている。曲によってはオーバーダブで色づけ程度にギター音を追加。2曲ほどゴーインズがアコベを弾いているのが珍しい。
この手のサウンドは単純にBGMとして楽しむのが一番だと思うけど、そのわりには内容が濃いかなって感じ。軽く聴き流そうと思っていても、優しさに満ち溢れている人間味たっぷりのギター・プレイについつい引き込まれてしまう。さすがに小沼は素晴らしいテクニックと感性を持ってるね。ただ完全に小沼の独り舞台で、ゴーインズとフェローンはバッキングに徹しているだけなので見せ場は少ない(元来が前に出てくるタイプのミュージシャンではない)し、楽曲的にも穏やかな曲調が続くので、いささか退屈ではある。嵐をイメージしたような激しい曲調のものも1~2曲ぐらいはあってもよかったと思うけど、その場合はアルバムとしてのトータル・バランスが崩れてしまう可能性があるね。
決して悪くはないけど、個人的にはNY録音の「Three Primary Colors」の方が好きですな。前作「3.2 & 1(06年)」も本作もアコースティックな感じの似たような路線が続いているので、次回作ではぜひともギンギンなエレクトリック・サウンドを聴いてみたいものだ。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)