Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

カテゴリ: Drummer



日本人のジャズドラマーとしては私は大坂昌彦が大好きなのだが、その大坂に追いつけ追い越せなのが本田珠也。
1969年東京生まれ。音楽家系(故・本田竹広とチコ本田が両親、渡辺貞夫と渡辺文男は伯父・叔父にあたる)に生まれ育った本田は少年時代から頭角を現していたようで、昔流行った父親のバンド「ネイテブサン」にも参加していたことがあるそうだ。
私が彼のドラミングを初めて耳にしたのは、1996年に地元で行なわれた伊藤君子スペシャルバンド(メンバーは鈴木良雄、野力奏一、本田珠也、五十嵐一生、川嶋哲郎)のライブでだけど、この時は歌伴ということもあって特に何も感じなかったね。
それからしばらくの間は聴く機会がなくて、再度私の前に現れたのはケイ赤城トリオの一員としてだった。初参加の「Palette(01年)」における日本人離れした斬新なドラミング(感覚的にはジャック・ディジョネット+ヨーロッパのドラマーといった感じかな)にはえらく興奮したっけなぁ。
最近は瞬時に相手に反応するような研ぎ澄まされた感性と、たゆまぬ努力による一層のテクニックの向上で、より独創性の高いドラミングに発展させているのだが、特にテンポのある曲にフリーフォームをぶち込む独自の叩き方が実に素晴らしい。知的な部分と野生的な部分のバランスが非常に良くて、しかも彼のドラミングには芸術性すら感じられる。こういうドラミングができるようになったのは、ここ数年行動を共にしているケイ赤城はもちろんのこと、彼のトリオに参加するきっかけを作ってくれたと思われる峰厚介や村上寛のおかげなのかもしれないな。
あいにくと他のバンドに参加している作品や、自己のリーダー作は聴いたことがないけれど、私にとっての本田珠也はケイ赤城トリオだけでも充分。リリースされるたびにドラミングがどんどん良くなっていて、新作「kei Akagi Trio/Liquid Blue(別頁あり)」での本田はもう「凄い!」としかいいようがないっす。
  

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ナサニエル・タウンスレーを初めて知ったのは、2004年にリリースされたDVD「Modern Drummer Festival Weekend 2003」でだった。黒人特有のタイトでグルービーなドラミングでありながらも、いざという時のスピーディなプレイ(特にシングル・ストロークが目茶苦茶速い)には圧倒されたものだ。こいつは一体何者だろうと思っていたのだが、もうその頃はすでにリチャード・ボナと一緒にやっていたんだね。その絡みでナベサダともやっていて「Wheel Of Life(03年)」や「One For You -Sadao & Bona Live(06年)」で叩いている。でもなんといってもザヴィヌル・シンジケートでの活躍ぶりが有名でしょうな。(もしかするとこれもボナの口利きがあっての加入だったのかも知れない)今となってはタウンスレーがザヴィヌル・シンジケートの最後のドラマーになってしまったけど、ついこの前まで一緒にやっていたボスが亡くなったのだからその悲しみもひとしおだろう。
シンジケートでのタウンスレーは、「Joe Zawinul & The Zawinul Syndicate/Vienna Nights(別頁あり)」では前任のパコ・セリーあたりと比べるとイマイチ感があったけど、ザヴィヌルとケルンのWDRビッグバンドとの共演作品「Joe Zawinul/Brown Street(別頁あり)」では、見違えるように素晴らしいドラミング(躍動感が漲っている)を披露していて、さすがにドラマーやベーシストにうるさいザヴィヌルが起用しただけのことはあるなあと感心したものだ。でもタウンスレーのドラミングが一番凄いのは実はロニー・プラキシコの2002年録音の「Lonnie Plaxico Group/Live At The Zinc Bar NYC(別頁あり) 」だったりしてね。これを聴くと「Vienna Nights」でさえまだまだ叩き足りないように感じる。まあWR集なので楽曲的に仕方がないけどね。
タウンスレーはまだ若いと思うけど、これからどんな方向に行くのだろう。ライフワークとしてこれからもボナとつるむのもいいけれど、美味しいところはヴィニー・カリウタに持っていかれたりしているので、私の希望としてはプラキシコのときのようにジャズ寄りの人間とやってほしいと願っている。似たようなタイプのロナルド・ブルーナーJrが、オースティン・ペラルタのトリオでガンガン叩きまくっている(スタン・クラークのところでのプレイも凄い!)ようにね。そういうドラミングは黒人の若手に与えられた特権なので、遠慮なしにガンガンいってほしい。間違ってもオマー・ハキムのような方向には行かないように。確かにお金は儲かるかもしれないけど、そのうち居場所がなくなってしまったりして、後になってから苦労するのは自分なんだからね。
  

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暑い時なんかはラテン・タッチなサウンドを無性に聴きたくなるものだが、そんなラテン系のドラミングを得意としている(というか先駆者的な存在のようだ)のがこのロビー・アミーンである。と胸を張って書いているけれど、名前をちゃんと認識するようになったのは実はごく最近になってからです(苦笑)。
キューバが生んだスーパー・ドラマーのオラシオ“エルネグロ”エルナンデスとお友達なので、てっきりキューバ人だと思っていたけど、なんかアメリカ人のような感じだね。1980年代前半からNYに拠点を置いていて、過去にはディジー・ガレスピーやポール・サイモンといった有名どころとやっている。ラテンが大好きなフルート奏者のデイブ・バレンティンとはもう15年以上の付き合いで、最新作の「Dave Valentin/Come Fly With Me(別頁あり)」でも叩いていた。他にはパナマ出身のボーカリストのルベン・ブレイズや、前衛プロデューサーのキップ・ハンラハン(この2人のことは門外漢なので全く知らないっす)、エディ・パルミエリやコンラッド・ハーウィグのラテンものの「Conrad Herwig/Sketches of Spain Y Mas(別頁あり)」等や似たようなサウンドのブライアン・リンチのラテンもの「Spheres Of Influence Suite」やなぜかジャック・ブルースともやっている。また最近ではなんといってもエルネグロとの双頭バンド「El Negro & Robby」での活躍でお馴染みだろう。といっても私はあいにく1枚も持っていないけどね(苦笑)。日本でのリリースはイーストワークスなのでその絡みで綾戸智絵ともやっているし、川嶋哲郎ともやっている。まあラテンというかNYサルサというか、その辺のドラミングはジャズをひっくるめてどんとこいといった感じですな。
ティンバレスやコンガ、カウベルといったアフロ・キューバンなパーカッションの奏法を吸収していて、それを上手にドラミングに取り入れているのがロビー・アミーンの最もカッコいいところ。パーカッション的なリズムとドラムのリズムを同時に叩いてしまうので、ここまでやられるともうパーカッショニストは必要がなくなってしまうよね。これはエルネグロにも共通する。他にもデイブ・ウェックルとかアントニオ・サンチェスとか神保彰とか、もしアミーンがこういうドラミングの先駆者だとすれば、彼から影響を受けているドラマーはいっぱいいるということになるね。
ハイハイットの横に設置したフット用のカウベルで2-3あるいは3-2クラーベを刻みながらもバスドラはソンゴのリズムをキープして、それと同時にスネア周辺の2~3種類のカウベル系をパカポコやりながらも、なおかつ自在にドラムソロをやれるなんて、とても凡人には出来ることじゃない。もしもこんなアクロバチックなことを平然と出切るようになれば超気持ちいいだろうなぁ。
そんなロビー・アミーンのお手本はこちら。↓
http://www.drummerworld.com/Videos/robbyameen1.html
  

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3枚リリースされているリーダー作は1枚も持っていないし、名前を知ったのも2004年の「Christophe Wallemme/Time Zone(別頁あり)」でとかなり遅かったので、ステファン・ウシャールに関しては正直言って私には書く資格がないんだけどね(苦笑)。でも最近「Drummer」項はネタが尽きてしまって滞っているし、やっぱりウシャールはこのコーナーに登場させるのにふさわしいドラマーなので、ぜひ載せておこうと思う。
フランス人で年齢は不詳(50歳前後かな?)。パリのDante Agostini percussion schoolを優秀な成績で卒業し、1983年頃からプロとして活躍しているようだ。これまでのサイド参加のアルバム作品は50枚以上。Elisabeth Caumontoという人のボーカル・アルバムやジャン=ピエール・コモ、Laurent Cugnyの「オーケストラ・ナショナル・ド・ジャズ」、ローラン・ド・ウィルド、フラビオ・ボルトロ、フローリアン・ロス、そして私がウシャールを知ることになったクリストフ・ワレムやその他もろもろで叩いている。
リーダー作は「Tribal traque130nard(99年)」「Toutakoosticks(02年)」「Bouchabouches(05年)」の3枚。ぜひ聴いてみたいと思ってはいるのだが、「Bouchabouches」以外はすでに廃盤になっているようだし、これにしても私が贔屓にしているHMVでは最初から取り扱いがなくて、買いたくても買えなかったです。(DUでは「お取り寄せ」になっているので今でも買えそうな感じだけど)
ウシャールはオールラウンド・プレーヤーって感じで、純粋な4ビートジャズもフュージョンよりのコンテンポラリーな音楽も、どちらもカッコよく叩ける人。私のイメージとしてはピーター・アースキンにアンドレ・チェカレリを足して2で割ったようなタイプの繊細且つダイナミックなドラマーなんだけど、何せ今まで彼のドラミングを耳にしたのは、上記のワレムのアルバムの他には、フローリアン・ロスの「Home & Some Other Place(別頁あり)」「Big Fish & Small POND(別頁あり)」、そしてつい先日レビューしたばかりの「Louis Winsberg Trio/Douce France(別頁あり)」だけなので、もしかするともっといろいろ聴き込むと印象は変わってくるのかもしれない。写真にもあるように場合によってはエレクトリック・パーカッションも使っているので、「Douce France」でのカホン等のパーカッションの音はこれだったのかも。ウシャールは左利きのドラマーで、セッティングも左利き用なんだね。
とこれ以上は書くことが思い浮かばないっす(苦笑)。もっと詳しく知りたい方は彼のサイトでどうぞ。↓
http://www.stephane-huchard.com/
  

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マーティン・ヴァリホラは1976年スロヴァキア生まれ。バークりー音楽院卒業後はNYに活動の拠点を置いているようだ。私は上原ひろみでしか聴いたことがないが、マーティンのディスコグラフィーを見ると1994年のリチャード・ミュラーを皮ぎりに違う路線(ジャズ・フュージョン系以外の)のアルバムにけっこう参加しているんだね。
http://www.martinvalihora.com/discography.htm
あれほど難易度が高くてキメの多い上原の音楽を難なくやってのけるのが彼の凄いところ。
そんなに力を入れて叩いているわけではないのでドラムの音は軽めに聴こえるし、チューニング自体もわりと高めに設定している。この利点はなにかといえば、叩いているときのスピード感が全然違ってくること。ヘッドを強く張っているほうが跳ね返りが速いので自然と手も速く動くのだが、逆にスティック・コントロールが難しくなる。それとドラムの音が他の楽器から変に浮いてしまうので要注意。よほど音楽にハマったドラミングをしないとドラムだけが目立ってしまうことになる。このへんはドラムを叩いたことのある人だったらどなたでも経験済みだろう。その点マーティンはスティック・コントロールは完璧だし、けっこう思うがままに叩いている割には全然うるさく感じないよね。それが彼の凄いところ。フレーズ的には他の若手の白人フュージョン系ドラマーと共通しているものがある。ドラミングというものは常に進化していて、最近ではこんな感じのがスタンダードになってきているので、時代の最先端をいきたい人は参考にするといいだろう。
今年でまだ31歳だが、マーティンが今後超一流のドラマーの仲間入りするのかどうかは私は分からない。テクニカル・ドラマーを目指している以上はちゃんと仕事を選んで、これからもできるだけ難しいサウンドのものに挑戦していく必要があるだろう。楽で金になるからといって決してリズムが単純な路線のバンドには参加しないように。それともっと弩ジャズな方向のバンドにも積極的に参加して欲しいな。実際上原のところで超高速の4ビートの曲なんかも難なく叩いている人だからね。
上原以外のアルバムでも会えることを楽しみにしています。
  

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