Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

カテゴリ: 懐かしの一枚(LP)

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Mike Mainieri(Vib,Marimba,Syn,Vo,etc.)
Warren Bernhardt(Key)
Don Grolnick(P,Rhodes)
Michael Brecker(Ts)
David Sanborn(As)
David Spinozza,John Troper(G)
Will Lee,Tony Levin(B)
Steve Gadd,Rick Marotta(Ds)
etc.
Rec. 1977

痩せていて長髪で髭を生やしているという風貌からしても、ジャズ界のキリスト様といえばマイク・マイニエリ。彼を中心とした70年代のNYフュージョンのムーブメントが、アリスタ・オールスターズの「ブルーモントルー」や深町純の「NYオールスターズ・ライブ」や渡辺香津美の「トチカ」、更にはスティップスの結成に繋がっているわけで、そんな意味では当時は救世主的な役割を果たしていたと言っても過言ではないだろう。
それがあの新譜「Mike Mainieri/Norhen Lights(別頁あり)」ときたらもう(怒)。ハッキリ言ってあんな音楽にはなんら魅力も感じない、というか軽蔑さえ覚えるんだけどな。昔から大好だったマイニエリだけに失望感も大きくて、少なくとも私は今後は彼に過剰な期待をすることはないだろう。
というわけで、マイニエリはやっぱりこの「ラヴ・プレイ」なんだよなぁ。彼が一声掛けるだけでもこんなにも凄いメンバーが集まるのだが、それぞれが持ち味を発揮して最高のプレイしているのでどの曲もとても活き活きしているね。そしてマイニエリの一音一音のなんとよく歌っていることよ。またシンセ・バイブのいち早い導入で、時代を先取りすることも忘れていない。それでありながらも、現在の味もそっけもない無機的な音楽をやっている彼からは想像もつかないほど人間愛に満ち溢れた音楽をやっている。だからこその「Love Play 」なのですわ。
このアルバムは絶対B面でしょうな。特に泣きのサンボーンをフィーチャーしたバラード曲「サラ・スマイル」とラスト曲の大作「ラヴ・プレイ」の流れが最高っすよ。
A面はボーカル入りの曲も入っているのであまり聴かなかったが、それでも「マジック・カーペット」はカッコよかった記憶があるし、ブレッカーをフィーチャーしたバラード曲「アイム・ソーリー」はもちろん忘れられない名演奏だ。
マイニエリは「ワンダーラスト(81年)」も思い出深いアルバムなので、またいつの日か取り上げようと思っている。   

--EDIT--

09

Eumir Deodato(P,El-P)
John Tropea,Jay Berliner(G)
Ron Carter,Stan Clarke(B)
Billy Cobham(Ds)
Airto(Per)
Ray Barretto(Conga)
etc.
Rec. September,1972,Van Gelder Studios (CTI)

リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」は、1970年頃に公開された映画「2001年宇宙の旅」で多くの人々に知られるようになった楽曲だといっても過言ではないと思うが、それをジャズロック風にアレンジして空前の大ヒットを飛ばしたのがデオダートだった。本作に収録されている 「ツァラトゥストラ~」バージョンは実に多くの人たちにパクられていて、ムード音楽のパーシー・フェイス楽団なんかも当時は好んで演奏していたし、ミュージック・エイト(だったかな?)からは楽譜も出ていたので、アマチュアのビッグバンドもよく取り上げていたっけな。
でもやっぱり元祖デオダートの演奏が一番カッコいいのですわ。なんてったってドラムがビリー・コブハムだしね。マハビシュヌ・オーケストラばりの変則的なフィルインを聴いているだけでも、私なんかはもう鳥肌もの。もちろん他のメンバーも流石にCTIだけあって超豪華で強力なのは言うまでもないよね。
と本作はもう「ツァラトゥストラ~」の1曲につきるのだが、もしかすれば秋田県にお住まいの方にとっては「輝く指輪とビーズ玉」にかなりの懐かしさを覚えるかも知れない。デオダートのこれはある企業のローカル・コマーシャルのBGMとして20年ぐらいもの間TVから流れていたことがあるからなぁ。あと個人的にはやっぱりクラシック曲をアレンジした「牧神の午後への前奏曲」も忘れがたいっす。
デオダートに関して言えば、アレンジ能力は相当なものを持っているにもかかわらずピアノの実力はいまいちって気がしないでもないが、とにかく本作が彼の出世作だったのは間違いない。まさにアイデアの勝利といっていいだろう。でも結論的には、そんなデオダートの才能を開花させたクリード・テイラーがやっぱり凄いってことになるのかなぁ。
わたし的にはこの後の「Deodato 2(別頁あり)」の方がもっと好きだった。何せこちらでは今度はガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」をやっているからな。実は私はこの曲には目がなくってねぇ。なので今年リリースされたミッシェル・カミロの「Michel Camilo/Rhapsody in Blue (別頁あり)」もちゃんと買っているし、音大がテーマとなっている最近話題のTVドラマなんかも毎週欠かさず観ているのです。まあこれは主役が可愛いってことが一番の理由だけどね(笑)。   

--EDIT--

10

Mahavishnu John McLughlin(G,Vo)
Jean-Luc Ponty(Vln,Baritone Vln)
Machael Walden(Ds,Per,Vo,Clavinet)
Ralph Armstrong(B,Vo)
Gayle Mpran(Key,Vo)
Strings Trio
Horns
Rec.December 4-14,1974 NYC (CBS SONY SOPO23)

新生(第二期)マハビシュヌ・オーケストラの、「黙示録(別頁あり)」に続く作品がこの「エメラルドの幻影」である。
ボーカル(コーラス含む)やブラス・セクションを取り入れて、マハビシュヌ・オーケストラ(以下MOと略す)としては珍しくポップなカラーを前面に打ち出した作品だった。とはいってもそこは一筋縄ではいかないMOのこと。陳腐なバンドのように大衆受けして一儲けしようなんて気はさらさらない。単にサウンドに変化を与えたかっただけなんだな。

相変わらずインド色の濃いサウンドではあるけれど、変拍子は極力少なめにして、その分ロックやファンクの要素が強くなっている。以前の作品と比べるとかなり聴きやすい方だね。逆に言えば飽きやすいということにも繋がるわけで、私自身も一時期集中して聴いていた割には、その後はレコード棚から取り出す頻度は少なかったような気がする。
1曲1曲は単体の楽曲なのだが曲の配列がとてもしっかりしていて、まるで組曲のように曲が進行していくのは「黙示録」での成果なのだろう。
どの曲も素敵だけど、比較的よく聴いたのはB面1曲目の「Cosmic Strut」だった。クラビネットも使ったファンク調な9/8拍子がとにかくノリノリっすよ。変拍子がノリノリというのもちょっと変な話なんだけどね(苦笑)。あと後半のブラスのリフなんかも実にカッコよかったなぁ。
圧巻はその次の「Be Happy」に繋がっている「Sorth Ship」。7/4拍子の曲だがアグレッシブにガンガン迫ってきてこれは凄いっす。あとラスト曲の「On The Way Home To Eath」におけるマクラフリンとマイケル・ウォルデンの壮絶なバトルはそれ以上に凄かった。やっぱりこのアルバムを聴くのだったら絶対B面でしょうな。
マクラフリンと同じぐらいの比重でジャン・ルック・ポンティにも多くスポットが当たっているが、その二人をラルフ・アームストロングの堅実なベースと、マイケル・ウォルデンのパワフル&スピーディなドラミングが強力にプッシュするという図式が成り立っている。ゲイル・モランはいてもいなくてもあまり変わらない感じかな。存在感は薄いよね。彼女がチック・コリアと結婚したのはこれの少し後だったかなぁ。76年リリースのチックの「妖精(別頁あり)」の方ではチックの曲調ともあいまってまるで天使のような歌声を披露しとります。
ウォルデンはビリー・コブハムの後釜として十分に重責を果たしているし、更に彼の場合はピアノも弾けるしボーカルもできるというマルチな才能も持ち合わせている(コブハムも少しはピアノを弾けるけど)。MO解散以降はその才能をフルに発揮しようとしてか、自己レーベルを立ち上げたりなんかしてプロデュース業に専念しちゃったけど、これだけ叩けるのにほんと勿体ない話だよなぁ。
マハビシュヌ信者の中には本作を最高傑作に挙げる人も多いのだが、わたし的にはなんといっても「火の鳥(別頁あり)」と「黙示録」。何せこの2枚こそが私の音楽観、更には人生そのものまでをもガラッと変えてしまった元凶だからなぁ(笑)。
MO初のダブル・ジャケットなので、見た目はとても豪華。見開きにはメンバーの写真がピラミッドように配列されているが、その頂点にはマクラフリンの師であるスリ・チンモイが鎮座していて、「チンモイに捧げる度」はこの頃が最高潮に達していたようですな。   

--EDIT--

19

Carlos Santana(G)
Mahavishnu John McLaughlin(G)
Khalid Yasin(Larry Young)(Org)
Doug Rauch(B)
Billy Cobham(Ds)
Don Alias(Ds)
Jan Hammer(Ds)
Armando Peraza(Congas)
Mike Shrieve(Per)
Rec. 1972.11~1973.5

本作を「Love Devotion Surrender」なんて言われても全然ピンとこないっす。陳腐かも知れないが、やっぱり邦題の「魂の兄弟たち」の方がシックリくるんだな。前にも書いたけど、70年代の日本語タイトルを考えた人たちは本当に素晴らしい感性を持っていたと思うよ。
さて、向うの国の人たちは東洋の宗教・哲学・思想に神秘を感じるなんてことをよく耳にするが、実際にそれにドップリ嵌るミュージシャンも多いわけで、ジャズではジョン・コルトレーンがいい例だった。そのコルトレーンを敬愛しているカルロス・サンタナとジョン・マクラフリンもコルトレーンに近づきたい(というか神にかな)がために、偶然にも共にインドのスリ・チンモイという導師から教えを請うている。ちなみにマクラフリンがマハビシュヌという名をチンモイ師から授かったのは周知の事実だよね。2人ともチンモイ師からは主にその精神性を学んだのだと思うが、マクラフリンに関してはそれが高じて、世界で最も難解な音楽のインド音楽にまで行っちゃってるので、これは究極の姿勢といっていいだろう。
このサンタナとマクラフリンの共演作はチンモイ師からの提案だったようだ。本作がレコーディングされたのはサンタナは「キャラバンサライ(別頁あり)」マクラフリンは「火の鳥(別頁あり)」と、今になってみればお互いの最高傑作の直後。
メンバー的にはサンタナ側からはダグ・ローチ、アーマンド・ペラザ、マイク・シュリーブ、そしてマクラフリン側からはカリッド・ヤンシ(ラリー・ヤングの変名)、ビリー・コブハム、ヤン・ハマーが参加している。あれっ、ドン・アライアスもいるじゃない。これもサンタナ絡みかなぁ。面白いのはハマーがドラムを叩いているのと、ドラマーが余ったためかシュリーブがパーカッションに回されていること。

曲はコルトレーンの「至上の愛」「ネイマ」、マクラフリンの「神秘なる生命」「瞑想」、トラディッショナルの「神の国へ」と思いっ切り宗教色が強いので一瞬引いてしまいそうなタイトルではあるが、演奏自体はラテンロック、あるいはジャズロックとなんら変わりはないので違和感なく楽しむことが出来る。
全編に渡ってサンタナとマクラフリンのバトル(掛け合い)を堪能できるが、やってることは普段と変わらないにしても指の動きだけはいつもより妙に速いサンタナも、執拗にインド調のフレーズで攻めまくっているものの、こころなしかチョーキングやフィードバックが多く感じるマクラフリンも、お互いへ歩み寄ろうという気持ちと、いい意味でのライバル意識が剥き出しでなんとも滑稽だ。
「神の国へ」でのサンタナのソロのところでジョージ・ベンソンの「ブリージン」のフレーズが聴こえてくるのが不思議。だって向うはこれのずっと後だからね。もしかしてベンソンがパクっちゃったかななんて調べてみたら、元々はボビー・ウーマックの曲だった(苦笑)
このアルバムは2人のギタリストが主役で、他のメンバーのソロ・スペースといったものは全くないのだが、それでも「神秘なる生命」で叩いているコブハムだけは、ギターに負けじと張り切っている。
「キャラバンサライ」や「火の鳥」と比べるとターンテーブルに乗る機会は圧倒的に少ないレコードだったけど、買い足していたCDをこうしてタマに引っ張り出して聴いてみるとそんなに悪くはないな。でもパワーのある演奏を録りきれなかったのか、音は飽和状態で歪んでしまっているけどね。   

--EDIT--

17

John McLaughlin(G)
Billy Cobham(Ds)
Rcik Laird(B)
Jan Hammer(Key)
Jerry Goodman(Vln)
Rec. August 14,1971 NY

前にも書いているが、マハビシュヌ・オーケストラの「火の鳥(73年、別項あり)」が、それまでロック主体に聴いていた私の音楽人生を大きく変えている。当時はまだ高校生だったので、それほど音楽を数多く聴いていたわけではないが、そのせいもあってか「火の鳥」には本当に大きな衝撃を受けた。まだ世界中の誰もがやったことのない、ものすごく斬新なサウンドだったんだな。
で、ほどなくしてから後追いで買ったのがこの「The Inner Mounting Flame(71年)」。私としては邦題の「内に秘めた炎」の方がピンとくる。本作はマハビシュヌ名義のファースト・アルバムで、ジョン・マクラフリンとしては「マイ・ゴールズ・ビヨンド(70年)」に続く2作目。
「火の鳥」と大きく違うのは、ハイ上がりな録音のせいかこちらの方がパワー感があることで、その分音楽が暴力的な感じがする。ただ音そのものはけっこう貧乏臭い。これは主にビリー・コブハムが使用しているドラムセットが原因。「火の鳥」がツインバスでタムの点数も多いのに比べれば、こちらは4点セットといたってシンプルだしチューニングも高めで、なんかジャズの音なんだよなぁ。またヤン・ハマーがエレピとアコピしか使っていないことも関係しているかも。71年当時はムーグのシンセは高くて買えなかったのか、あるいはまだそんな楽器は存在しなかったのかも知れない。
音楽的にはすでにマハビシュヌの特長である変拍子が取り入れられていて、A面2曲の「夜明け」は7/4拍子。B面はもう変拍子の嵐で、1曲目のスピーディな曲「ヴァイタル・トランスフォーメーション」は9/8拍子(これ、超快感)だし、続くロッカ・バラード調の「マヤのダンス」は20/8(12/8+8/8)拍子。次の「ユー・ノウ、ユー・ノウ」に至ってはインド音楽のように1小節ごとの拍違いがワンセットって感じでよく分からない。ラストの「目覚め」のテーマ部分は4/4+7/8+7/8かな?とにかく異常な拍子や小節割りが多いっす(笑)
今買い足しているCDを聴きながらこれを書いているんだけど、ついつい音楽に引き込まれてなかなか筆が進まないほど凄い作品ですな。   

--EDIT--

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