Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜を中心に感じたままに書いている個人ブログです

カテゴリ:ジャズ・フュージョンのCD > 新譜

John McLaughlin & The 4th Dimension / L

The 4th dimension
John McLaughlin (12 String Double Neck-G, G)
Ranjit Barot (Ds, Konokol, Vo)
Gary Husband (El-P, Syn)
Etienne M'Bappe (B, Vo)

The Invisible Whip
Jimmy Herring (G)
Jason Crosby (Vln, Rhodes, Vo)
Kevin Scott (B)
Jeff Sipe (Ds, Gong)
Matt Slocum (Hammond B3, Clavinet)

Recorded live at the Warfield in San Francisco on Dcember 8th, 2017
Recording Engineer: Sven Hoffman
Mixed at Eastcote Studios London by George Murphy
Masterd at The Blue Studio London by Andrew Tulloch
Cover Art and Design by Marq Spusta
Inside photos by Alessio Belloni and Drew Stawin
All Compositions by John McLaughlin published by Buma/Stemra
Produced by John McLaughlin

1. Meeting of the Spirits
2. Birds of Fire
3. A Lotus on Irish Streams
4. The Dance of Maya
5. Trilogy
6. Earth Ship
7. Eternity's Breath Part 1 & 2
8. Be Happy

ジョン・マクラフリンの4th Dimensionバンドの、「John McLaughlin & The 4th Dimension / The Boston Record(14年、別頁あり)」「John McLaughlin & the 4th Dimension / Live @ Ronnie Scott's(17年、別頁あり)」に次ぐライブ盤の3枚目(同じくジミー・ヘリング・バンド参加の「Abstract Logix Live! / The New Universe Music Festival 2010(11年、別頁あり)」を含めると4枚目)だけど、近年のマクラフリンはマハヴィシュヌ・オーケストラ回帰しているのが、70年代当時は狂ったように聴いていた身としてはなんともたまらない。本作ではその傾向がエスカレートして、全8曲が「内に秘めた炎」「火の鳥」「虚無からの飛翔」「エメラルドの幻影」からの選曲となっているのだから、もうそれだけでも狂喜してしまう。しかも演奏もレギュラーメンバーであるゲイリー・ハズバンド、エティエンヌ・ムバペ、ランジット・バロットによる4th Dimensionだけでもマハヴィシュヌを凌駕するほど強力だというのに、今回はジミー・ヘリングのハードなバンドInvisible Whipまで全曲に加わって、お互いが対抗意識をむき出しにしながら壮絶な演奏を繰り広げているのだから、これはもう「凄い!恐ろしい!」としか言いようがない。4th Dimensionがこれらの曲をやるのは当然として、Invisible Whipまでもが変拍子もありの難曲群を完全に自分たちのものにしているということは、マハヴィシュヌ・オーケストラのことが昔から大好きで、楽曲も相当聴き込んでいるのだと思うけど、曲中で交互に演奏していてもInvisible Whipの方が聴き劣りするようなことは全く無いし、両バンドが一体となってのテーマやリフのアンサンブルも実に見事。メンバーが入り混じってのソロの応酬も非常にスリリングナノに加えて、Invisible Whipにバイオリン奏者がいることもマハヴィシュヌ色をより濃厚にしていて、どの曲も異常に興奮しながら聴いていたら、トータル73分があっという間に終わってしまった。
本作は文句なしの5つ星。録音もジェフ・サイプのドラムがバロットより若干小さめに感じるものの、ハードフュージョンのライブ盤としては平均以上の良い音で録れていて、オーディオ的にも満足させてくれるので、まだ2ヶ月ちょっと残っているけれど、今年のフュージョン部門の私的第一位はこれに決定しよう。それにしても75歳になってもこれほど凄い演奏をしてしまうとは、流石にチック・コリアと共にマイ・フェイバリット・ミュージシャンのマクラフリンだけのことはある。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Live In San Francisco
John Mclaughlin / 4th Dimension
Abstract Logix
2018-09-29

  

--EDIT--

Miki Yamanaka / Miki

Miki Yamanaka (P)
Bill Stewart (Ds)
Steve Nelson (Vib)
Orlando Le Fleming (B)

Executive Producer: Miki Yamanaka / Cory Weeds
Produced by Miki Yamanaka
Recorded at Acoustic Recording, Brooklyn, NY, August 8 and 9, 2017
Engineered by Michael Brorby
Mixed and Mastered by Katsuhiko Naito
Cover photos by John Rogers
Design and layout by Perry Chua
(Cellar Live Records CL020718)

1. Mr. Pancake (Miki Yamanaka) 5:34
2. Eyes (Miki Yamanaka) 5:37
3. Monk's Dream (Thelonious Monk, arr. Miki Yamanaka) 6:42
4. Sea Salt (Miki Yamanaka) 3:54
5. Stuffed Cabbage (Miki Yamanaka) 6:15
6. Book (Miki Yamanaka) 5:29
7. A Fake Hero (Miki Yamanaka) 6:12
8. For All We Know (J. Fred Coots) 4:55
9. Wonder (Miki Yamanaka) 6:23
10. What About Food (Miki Yamanaka) 6:49

山中みきは知らないピアニストだけど、バックのメンバーがビル・スチュワート、スティーヴ・ネルソン、オーランド・ル・フレミングとなれば買わないわけにはいかないだろう。本人のサイトによると、本作が2枚目のリーダー作。さすがに2012年からNYで修行を積んでいるだけあって、楽曲的なことも含めて完全にアメリカナイズされた演奏が堪能できる。クレジットの2番目にビルスチュの名前があるところを見ると、メンバーの中でも特にビルスチュと共演したかったのだと思うけど、ケヴィン・ヘイズやマーク・コープランドあたりを連想させる山中のピアノと、ビルスチュのドラミングがよくマッチしていて実にいい塩梅。もちろん他のメンバーとの相性もバッチリだし、現代的な4ビートをメインにやっているのも私好み。奏法的には上原ひろみや山中千尋、大西順子と比べると音数が少ない方だけど、コンピングにしてもアドリブにしても非常にセンスが良いしアイデアも豊富なおかげで、聴き劣りするように感じることはなし。バックの手抜きは一切なしのプレイとも相まって、どの曲をとってもノリノリで楽しむことができるのだが、その中でも疾走感溢れる1曲目「Mr. Pancake」、7曲目「A Fake Hero」、10曲目「What About Food」(3曲ともビルスチュのソロあり)や、大好きなモンク曲をユニークなアレンジでやっている3曲目「Monk's Dream」、16ビート調の5曲目「Stuffed Cabbage」、ボッサ調の9曲目「Wonder」(フェードアウトながらドラムソロもあり)は特に気に入った。ネルソンとデュオでやっているバラード曲の8曲目「For All We Know」も雰囲気がとてもいいね。
このメンバーなので悪いはずがないと思ってはいたけれど、想像していた以上の演奏には大満足。流石にミックスとマスターを内藤克彦が担当しているだけあって、録音も各楽器が温かみを伴ったガッチリとした音像で録れていて、オーディオ的にも幸せな気分にさせてくるので、山中の将来への期待も込めて本作は5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Miki
Miki Yamanaka
Mvd
2018-08-16


  

--EDIT--

Joey Alexander / Eclipse

Joey Alexander (P)
Reuben Rogers (B)
Eric Harland (Ds)
Joshua Redman (Ts)2, 7, 8

Produced by Jason Olaine
Executive Producer: Jana Herzen
Recorded on August 20-28, 2017 at Dreamland Recording Studios, Hurley, NY
Recoered, ecited and mixed by Katherine Miller, Annandale Recording
Masterd at Sterling Sound by Greg Calbi and Steve Fallone
Assistant Engineer: Ariel Sharif
A&R: Ken Druker
Design: Rebecca Meek
Photography: Jimmy Katz (cover), Adrien Tillman (Studio), Jana Herzen (outdoor)
Videographer: Yasunari Rowan
Additional videography: Adrien Tillman
Project Managers: Robin Tomchin and Rachel Silton
Publicist: Jordy Freed
(Motema Music MTM0271)

1. Bali (Joey Alexander Sila) 5:02
2. Faithful (Joey Alexander Sila) 9:04
3. Draw Me Nearer (Francis J. Crosby) 4:38
4. Moment's Notice (John Coltrane) 6:31
5. Blackbird (John Winston Lennon, Paul James McCartney) 4:58
6. Eclipse (Joey Alexander Sila) 10:23
7. Fourteen (Joey Alexander Sila) 8:04
8. The Very Thought of You (Ray Noble) 5:32
9. Space (Joey Alexander Sila) 7:59
10. Time Remembered (Bill Evans) 5:59
11. Peace (Joey Alexander Sila) 5:19
All arrangements by Joey Alexander

Joey Alexander / Joey. Monk. Live!(17年、別頁あり)」に次ぐジョーイ・アレキサンダーの4枚目だけど、本作ではルーベン・ロジャース、エリック・ハーランドにゲストでジョシュア・レッドマンも3曲に参加と、更にメンバーが強力になっているのだからそそられる。実際の演奏も現代性を加味しながらの4ビートを基調として、アレキサンダーがレコーディングの時点でまだ14~15歳とは思えないほど自信に満ちたプレイをしているのが素晴らしいし(表現力も増している印象)、ハーランドもバッキング、ソロ(ほとんどの曲に入っている)共に美味しさてんこ盛りのダイナミックなドラミングをしていて大活躍。またロジャースも二人ほどではないにしても強靭なベースで聴かせてくれるし、レッドマンも腹8分目といった感じではあるけれど、アレキサンダーを引き立てながらのプレイには好感が持てる。バンドとしての演奏だけではなく、5曲目「Blackbird」や8曲目「The Very Thought of You」、10曲目「Time Remembered」のようなソロピアノもなかなかのものだし、ハーランドとのデュオ部分が多く用意されている長尺の6曲目「Eclipse」や、続く7曲目「Fourteen」(レゲエと4ビートの複合曲)では手に汗握るスリルと興奮まで味わうことができて、どの曲も「いいぞいいぞ」と思いながら聴いていたら、トータル74分があっという間に終わってしまった。
モンク集だった前作とは異なり、本作では11曲中の6曲がアレキサンダーのオリジナルとなっているけれど、楽曲自体が素敵だし、けっこうキメが多い曲作りとなっているわりには、アレキサンダーは当然としてロジャースとハーランドが難なく決めているのも流石だね。基本的にはアグレッシブながらも、曲によってはリリカルな方向性も打ち出している演奏には文句のつけようがないし、久しぶり(「Willie Jones III / Groundwork(16年、別頁あり)」以来)に名前を目にするキャサリーン・ミラーの録音も、ベースだけはロジャースにしては少々柔らかく録れているものの、全体的に温かみの感じられる音質は各楽器のバランスも含めて良好なので、これは5つ星にしておこう。自分的にはハーランドのドラムを聴いているだけでも幸せな気分になってしまった。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Eclipse
Joey Alexander
Motema Music
2018-05-04


  

--EDIT--

Mark Soskin / Upper West Side Stories

Mark Soskin (P)
Jay Anderson (B)
Adam Nussbaum (Ds)

Recorded December 2017
Recording: Chris Sulit
Mix & Mastering: Nils Winther
Phots: Nils Winther
Liner Notes: Neil Tesser
Produced by Nils Whinther
(Steeple Chase SCCD 31858)

1. I've Never Been in Love Before (Frank Loesser) 6:55
2. Gloria's Step (Scott LaFaro) 5:35
3. Remember (Steve Swallow) 6:10
4. Ugly Beauty (Thelonious Monk) 8:06
5. UMMG/Upper West Side Stroll (Billy Strayhorn / Mark Soskin) 5:40
6. Pee Wee (Tony Williams) 6:41
7. Un Poco Loco (Bud Powell) 5:10
8. Pensativa (Clare Fischer) 7:28
9. Listening Room (Mark Soskin) 5:49
10. Soiree (Earl Zindars) 4:12
11. Fee-Fi-Fo-Fum (Wayne Shorter) 6:14

マーク・ソスキンのリーダー作を買うのは「Mark Soskin/Man Behind The Curtain(09年、別頁あり)」以来なので9年ぶり。その間にも「Mark Soskin / Hearts And Minds(17年)」というのがリリースされているのだが、そちらの方はドラマーが知らない人(Anthony Pinciotti。自ブログで検索したら「Jeremy Steig Quartet/Flute On The Edge(06年、別頁あり)」に参加しているのが見つかった)なのでパスしている。本作のアダム・ナスバウムも昔は大好きだったけど(特にジョンスコとやっていた初期の頃が最高)、現代は若手の凄腕ドラマーが次々と登場してきて、興味の対象もそちらに移っているので、彼の参加にそそられるといったことはないものの、それでも好きなドラマーに変わりはないし、選曲的にも大好きな「Gloria's Step」「UMMG」「Pee Wee」「Un Poco Loco」をやっているのが嬉しい限り。実際の演奏もオーソドックスなピアノトリオを絵に描いたような感じではあるけれど、それが聴いていての安心感に繋がっているね。今回のソスキンはいつものカラッとしたイメージとは違って、アルバムの中盤まではエヴァンスの影響が感じられるけど、あえて音数を少なくすることによりメロディーやハーモニーが浮き彫りになっているのが素敵だし、それに絡むジェイ・アンダーソンのベースも、抜群のセンスとテクニックで聴かせてくれる。また前半は曲調に合わせてブラシ主体で叩いているナスバウムも、調和の取れたプレイをしていながらも自分の持ち味をきちんと発揮していて好感が持てる。5曲目「UMMG/Upper West Side Stroll」でのドラムソロは走り気味だけど、そういうのもナスバウムらしくて微笑ましいし、ラテンタッチの7曲目「Un Poco Loco」での半テンを交えながらのドラミングも、アイデアとしては単純ながらも曲調にはよくマッチ。トータルの演奏時間が68分はちょっと長いけど、どの曲も「いいぞ、いいぞ」と思いながら聴いていたらあっという間に終わってしまった。
ソスキンもナスバウムも年を取って丸くなったのか、昔と違って穏やかな印象を受けるけど、こういうのも悪くないね。本作は録音も平面的(Steeple Chase盤の欠点)ではあるものの、各楽器の質感とバランスは良好だ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Upper West Side Stories
Mark Soskin
Steeple Chase
2018-06-01


  

--EDIT--

JD Allen / Love Stone

JD Allen (Ts)
Liberty Ellman (G)
Gregg August (B)
Rudy Royston (Ds)

Produced by JD Allen
Executive Producer: Barney Fields
Recorded at Systems Two Recording Studio, Brooklyn, NY on Jannuary 9, 2018
Engineer: Mike Marciano
Assistant Engineer: Andrew Cavaciuti
Mastered by Mike Marciano
(Savant SCD 2169)

1. Stranger in Paradise (G. Forrest-R. Wright) 6:06
2. Until the Real Thing Comes Along (S. Cahn-S. Chaplin-L. E. Freeman-A. Nichols-M. Holiner) 5:05
3. Why was I Born (J. Kern-O. Hammerstein II) 5:26
4. You're My Thrill (B. Lane-N. Washington) 5:07
5. Come All Ye Fair and Thender Ladies (Public Domain) 4:35
6. Put On a Happy Face (L. Adams-C. Strouse) 4:58
7. Prisoner of Love (R. Columbo-C. Gaskill-L. Robin) 4:39
8. Somedy (You'll Want Me to Want You) (J. Hodges) 3:58
9. Gone with the Wind (H. Magidson-A. Wrubel)4:55

前作「JD Allen / Radio Flyer(17年、別頁あり)」から1年後のレコーディングだけど、本作にもギターのリバティ・エルマンが参加しているということは、DJアレンはグレッグ・オーガストとルディ・ロイストンに加えて、エルマンのこともよほど気に入っているのだろう。今回はバラード集なので、いつものようなガツンとくる演奏は堪能できないけれど、それでも1曲目から大好きな「Stranger in Paradise」(ボロディンの「ダッタン人の踊り」と同曲)をやっているのは嬉しい限り。この曲はピーター・バーンスタインも Venus盤の「Peter Bernstein+3 / Stranger In Paradise(04年)」でやっているけれど、それとはまた一味違ったコルトレーン・ライクな演奏が楽しめるし、続く2曲目「Until the Real Thing Comes Along」以降も、「John Coltrane Quarter / Ballads(62年)」にロリンズ的なものを加味しているのが、曲調にもよくマッチしていていい塩梅。流石にこのメンバーだけあって、必要以上に演奏が大人しくなっていないのもグッドだね。知らない曲を多く取り上げていることもあり、聴いてて退屈するようなことは全くないのだが、スポットの当たっている比率がアレン8割、エルマン2割といった感じで、オーガストとロイストンはバッキングに徹しているだけなので、こういう曲調でドラムソロはやりようがないとしても、演奏の切り口を変えて、ベースを大きくフィーチャーした曲なんかも1~2曲ぐらいはあってもよかったのではと思う。それとテーマを吹いただけであっさり終わってしまうような短い曲が入っているのも物足りなさを感じる点。トータルでも45分しかやっていないので、メンバーの特性を活かすためにも、できればもっと1曲1曲を長くして、じっくりと聴かせて欲しかった。
好んでは聴かないバラード集ではあるけれど、それでも想像していたのよりもいい感じの演奏が楽しめるし、エンジニアがマイク・マルシアーノだけあって録音も各楽器に温かみがあって、これは買って正解だった。本元のコルトレーンの「Ballads」もそうだけど、アルコールでも飲みながらリラックスして聴くには打ってつけの1枚。内ジャケには全曲の歌詞が書かれているので、英語が解る人はそれを読みながら聴けば演奏に対する理解も深まるのではと思う。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

LOVE STONE
JD ALLEN
SAVAT
2018-06-15


  

--EDIT--

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