Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

カテゴリ:Jazz / FusionのCD > 未開封盤



岡安芳明(G)
金子健(B)
山下暢彦(Ds)
安保徹(Ts)
Rec. June 17-18,2001,Tokyo (King Records KICJ417)

未開封盤の大トリを飾るのはこれ。岡安芳明と金子健は以前デュオ・ライブでこちらの方にやってきたときに2~3曲セッションさせてもらっている私にとっては恩師的な存在なので、下手なことは書けないなと思って今までずっとCD棚で眠らせていた次第。でも本作の後にリリースされた「Yoshiaki Okayasu/Blaze Up(03年)」の方は買ってすぐに聴いているということは、きっとドラマーの兼ね合い(「Blaze Up」は井川晃)もあったのだろう。
岡安は日本のケニー・バレル的な存在。その王道的でブルージーなギターはレイ・ブラウン的な金子のベースとも非常に相性がよくて、二人のライブを生で観た時にはサウンドが非常に心地よく感じたものである。人柄の良さも最高だったね。山下暢彦はわたし的には初めてかな。安保徹は確かお隣の青森県の出身で、2006年の南郷ジャズフェス(小林桂&スーパー・クインテット)等で生で観たことはあるのだが、何かのアルバムで聴くのはこれが初めて。

ジャズメン・オリジナルやスタンダードで全11曲。
いかにも岡安らしい心温まる演奏。こういうのを聴くとホッとする。実に丁寧に歌い込まれた岡安のギターと、それにオブリガードぎみに絡んでくる安保のテナーが相性的にグッド。また堅実ではありながらもソロではきちんと自己主張している金子のベースと、いくぶん控えめな山下のドラミングにも好感を持てる。ただし1曲目2曲目とゆったりとしたテンポの曲が続くので、その辺はどうかなってところはある。もしも私だったら1曲目には3曲目の「Stompin' at the Savoy」を持ってくるけどなぁ。あるいは4曲目のアップテンポな「Cotton Tail」とかね。その方がアルバム全体としてノリのいい印象を受けるし、実際にノリのいい演奏が3曲目~5曲目まで続いているというのも、逆に考えるとなんか一本調子のような気がする。ここはやはり曲順を入れ替えたほうが正解だったかもしれない。ちなみに編成の方は岡安のソロだったり、安保とのデュオだったり、ギタートリオだったり、カルテットだったりするので、曲それぞれに違った雰囲気で楽しめるのがいいね。
最近の日本の若手ジャズ・ミュージシャンはグローバル化している感のある中において、この岡安のサウンドはいい意味においても悪い意味においても日本的。70~80年代中盤あたりのバンドは大抵こんな感じだったと思うのだが(特にスリー・ブラインド・マイス作品なんかは「日本のジャズ」臭がプンプンしていた)、今となっては珍しい。正直言って普段最先端のジャズを好んで聴いている耳からするといくぶん古臭いサウンドではある。まあ頭で聴くよりは、アルコールでも片手にリラックスして聴くのが一番でしょうな。ただしライブのときはもっとガッツがあるというか、ライブ向けにそれなりにアグレッシブな演奏をしていたと思うけどね。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

--EDIT--



Eric Alexander(Ts)
Jim Rotondi(Tp,Flh)
Steve Davis(Tb)
David Hazeltine(P)
Peter Washington(B)
Joe Fansworth(Ds)
Rec. December 20,2002,NY (Criss Cross 1234)

未開封盤聴き。ブログを始めた時点で162枚あった未開封盤も、本作以外に残すところあと1枚。ここまで来るのに長い道のりだったけど、実は他にもブルーノートの1500番台や4000番台、あるいはリバーサイドやプレスティッジやコンテンポラリーといった50~60年代の旧盤が50枚ほどあり、まだまだ先が思いやられるので達成感のようなものはない。でもそちらの方はブログにアップする気はない(すでに語りつくされた感のある歴史に残る偉大な作品群を、私ごときがどうこう書いても仕方がない)ので気は楽だけどね。変な義務感に駆られることなく、本当に聴きたいときにでも聴こうと思っている。
さてワン・フォー・オール。伝統的な3管編成のハードバップ・バンドとして現代最高峰のバンドなのだが、デビュー以来サウンドが基本的には変わっていないところが長所でもあり短所でもある。当ブログではもう5枚も取り上げているので、前置き用のネタはなにもないし、ヘタすると聴いた感想までもが似通ってしまっているのが正直なところ。でもこういう音楽的なマンネリズムは、それだけ安心して聴くことができるということなのだから、決して悪いものではない。
それはそうと輸入元のスーパーストップの帯には「クリスクロス通算3枚目」と書かれているけれど、これは4枚目の間違いだろう。本作以前に「Upward And Onward」「The Long Haul」「Live At Smoke Vol. 1」の3枚があるからね。

エリック・アレキサンダー曲が2曲、ジム・ロトンディ曲が1曲、スティーブ・デイビス曲が1曲、デヴィッド・ヘイゼルタイン曲が2曲と、ショーターの「Infant Eyes」、マクリーンの「A Calling」で全8曲。
ワン・フォー・オールの未開封盤聴きもこれが最後かと思うと異様に良く感じる。というかやっぱりベースがピーター・ワシントンのときのワン・フォー・オールが一番好き。彼がベースだとボトムががっちりと引き締まるんだよね。しかもヴィーナス盤とは違い、クリスクロス盤の場合は(シャープナインもそうだが)モード臭が強いというかなんというか、演奏がよりキビキビとしているし、3管編成のアンサンブルを売りにするというよりも、むしろ各人のアドリブの方に大きくスポットを当てているので、サウンドが暑苦しくないのがいいんだなぁ。これらの違いはオリジナル曲が主体なのが最大の要因。オリジナルの場合はいいものを作り上げようとするミュージシャンの意気込みからして違ってくるからね。本作の楽曲群もショーターやマクリーンの曲のアレンジも含めてどれもこれもが優秀だし、作曲者は違えども各曲のサウンド・カラーが見事に統一されているのもお見事。それにわをかけて演奏が素晴らしいのだが、仲間意識の強いバンドではありながらも、こと本作に限ってはなあなあな部分は皆無だし、マンネリ的なものも感じない。各人のアドリブがほどよくスリリングで、いい意味でのライバル心が旺盛なのが実にいいですなぁ。この笑いのない生真面目な演奏は、なんかデビュー当時のサウンドに近いものがあるような気がする。
数あるワン・フォー・オール作品の中でどれか1枚をと言われれば、わたし的にはこれかもしれない。それが一番後回しになってしまったというのも、なんとも皮肉な話だけどね(苦笑)。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

--EDIT--



Eddie Higgins(P)
Scott Hamilton(Ts)
Steve Gilmore(B)
Bill Goodwin(Ds)
Rec. September 26-27,2002,NY (Venus Records TKCV35316)

未開封盤聴き。
本作が吹き込まれる2か月前に、エディ・ヒギンズは同一メンバーで南郷ジャズフェスに出演している。私はその時はアルコールが入っていたことも相まって、あまりにも心地よいサウンドに1曲目が終わったあたりからうたた寝してしまったので、どういうステージだったのかはよく覚えていない(苦笑)。でも一緒に観ていた9歳年上の友人が、「涙が出るほど感動した」と言っていたのはいまだに記憶に残っている。彼は最新のジャズよりも古いジャズの方を好んで聴いているので、そういう雰囲気を醸し出している本メンバーによる演奏は、きっとバッチリとツボに嵌ったのだろう。一口にジャズといっても聴き手の好みは千差万別だからね。ちなみに私はというと、激しいジャズが大好きなのは今更言うまでもないのだが、そんな意味ではエディ・ヒギンズにしてもスコット・ハミルトンにしても、嗜好からは大きく外れている。かといって決して嫌いというわけではなく、たまに聴く分においてはこういうリラックスしたサウンドも全然オーケーである。
ヒギンズがハミルトンと共演するのは「Smoke Gets In Your Eyes(01年録音)」以来本作で2枚目。この後に「My Funny Valentine(04年録音)」もリリースされているのだが、そちらの方はバックのメンバーがフィル・ウッズとの活動が長いスティーブ・ギルモアとビル・グッドウィンから、ジェイ・レオンハートとジョー・アシオーネに代わっている。

全12曲がスタンダード・ナンバー。
1枚目の「Smoke Gets In Your Eyes」よりも本作の方がバンドとしてのまとまりがよく感じるのは、やはりレコーディングの直前に来日して各地を(かな?)回っていたからだろう。1曲目「My Foolish Heart」での、ハミルトンのテナーが雰囲気があって実にいいですなぁ。私はバラード曲でスタートするアルバムはあまり好きではないのだが、こうまでもいい感じに吹かれたのではぐうの音も出ないね。特にサブトーンが最高! ジム・アンダーソンの録音とも相まってテナーが非常に生々しく録れているけれど、やっぱりヴィーナス録音は今よりもこの当時の方があきらかに音が良いね。2曲目の「Russian Lullaby」は少々速めなテンポ設定にして、軽快な演奏になっている。ハミルトンのテナーがますます冴えわたっているのだが、ヒギンズのスウィンギーなピアノもそれに輪をかけて素晴らしい。またリズム隊の二人もソロを取っていて、4人がそれぞれに自分の持ち味を聴かせてくれるのがいいね。とはいえ3曲目はまたバラード。4曲目こそはテンポが速いものの、5曲目はまたまたバラードだったりして、ちょっとバラード曲が多いような気がしないでもない。後半はそれほどではないにしても、これだもの生で観ていても眠くなってくるわけだ(苦笑)。でもまあハミルトンとヒギンズの二人に刺激がタップリのアグレッシブな演奏を望むのも無理な話であって、やっぱりこういうリラックスした感じを前面に打ち出した演奏で正解なのだと思う。ハードな演奏が好きな私でさえも、ギリな線とはいえ最後まで退屈することなく、それなりに楽しむことができたです。
それにしても音が良いよなぁ。ドラムスだけはちょっと奥に引っ込んでいるせいで生気に欠けるけど、それ以外は素晴らしいのひとことに尽きる。この音の良さだけでも十分に楽しめるね。
さてヴィーナス盤の未開封盤聴きは、これにて全てが終了した。アルバム全体としてもあと2枚だけなので(50枚ほどある50~60年代の旧盤や、間違ってダブり買いしてしまったものは除く)、最近は義務感に駆られることもなく、聴きたいときには聴きたいものを聴く、聴きたくないときには何も聴かないという理想的な日々をようやく送れるようになっている。ここまで来るのにけっこう長い道のりだったけど、もしブログをやっていなければ、いまだに大半のものがほったらかし状態なのは確実だっただろう。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

--EDIT--



Jose Chepito Areas(Timbales,Conga,Vo,Ds,Flh)
David Brown(B)
Michael P.R.Carabello(Conga,Vos,Per,Tb)
Gregg Rolie(P,Or,Vo)
Carlos Santana(G,Vo)
Neal Schon(G)
Michael Shrieve(Ds,Per,Vib)
Rec. 1971 (Sony Records SRCS9440)

未開封盤聴き。
サンタナはまだジャズに興味をもつ前に、ブラス・ロック・グループの「シカゴ」と並んで狂ったように聴いていた。とはいえ当時(高校時代)はそんなにレコードを買えるはずもなく、ほとんどがFMのエアチェックで済ませていたけどね。持っているのは「ブラックマジック・ウーマン」のシングル盤と、「キャラバンサライ(別頁あり)」「ロータスの伝説(別頁あり)」だけだった。
CD時代に突入してからは、初期の頃の「サンタナ」から「ムーンフラワー」までの7作品をコレクションとして買い集めているのだが(「ロータスの伝説」だけは未購入)、本作だけがなぜか未開封となっていた。ちなみに私にとってのサンタナはこの時代(「ムーンフラワー」の前あたり)で終わっていて、大ヒット曲の「哀愁のヨーロッパ」でさえギリの線だった。その後にますます路線変更し、ボーカルをメインにして大衆受けを狙うようになってからはなおさらで、ただ単にダンサブルなだけのサンタナは私にとっては必要ない。やはりインスト主体の、もっと野性味溢れたサウンドでなければね。

サンタナのオリジナルを主体に全12曲(3曲のボーナス・トラックを含む)。
楽曲はラフな作りで、コードもブルース進行のようなシンプルなものが多いのだが、曲によってはブラスも入っていたりしてサウンドはけっこうカラフル。聴いてて退屈するといったことは全くないね。音楽に勢いがあるので、むしろあっという間に聴き終えるような感じがする。ボーカルが入っているといってもコーラス的なものが多くて、決してボーカルがメインというわけではないしね。いかにもサンタナ・バンドらしく、とにかくボーナス・トラック(71年のフィルモア・イーストのライブ音源)を含み最後まで一気に突っ走っている様が凄まじい。
というわけで、今聴いてもやっぱりこの時代のサンタナはいいですなぁ。パーカッションを前面に打ち出した情熱的なサウンドにはいやが上にも血が騒ぐ。チョーキングを駆使したサンタナの泣きのギターがなによりも素晴らしいし、デビューしたばかりのセカンド・ギタリストのニール・ショーンも、まだ10代の若さだというのにサンタナに負けてはいないし、グレッグ・ローリーのオルガンも要所要所でバッチリと決まっているのだが(ちなみにショーンとローリーは後に「ジャーニー」を結成する)、わたし的にはついついドラムスを含めたパーカッションの方に耳が向いてしまう。ホセ・チェピート・アレアス(アリアスだったかな?)のティンバレス・プレイが滅茶苦茶カッコいいし、マイケル・カラベロのコンガ・プレイも同様。本作では二人の陰に隠れてしまっているけれど、マイケル・シュリーブの独特なノリ(少々突っ込み気味)のドラミングも味わいがあって実にいいね。私が当時ラテン系のパーカッションに目覚めるようになったのは、彼らのおかげだったといっても過言ではない。
私的最高傑作の「キャラバンサライ」には及ばないけれど、ウッドストック(69年)の頃のサウンドが色濃く残っている、いかにもラテンロックという言葉がぴったりのサウンドはなにものにも代えがたい。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

--EDIT--



Mike DiRubbo(As)
Jim Rotondi(Tp,Flh)
David Hazeltine(P)
Peter Washington(B)
Joe Farnsworth(Ds)
Rec. May 30,2002,NY (Criss Cross 1231)

未開封盤聴き。
マイク・ディルッボのクリスクロスにおける2枚目のリーダー作(全作品では4枚中の3枚目)。サイド参加作品としてはそれ以外にもスティーブ・デイヴィスが4枚とジム・ロトンディが1枚ある。このレーベルにはピッタリのアルト奏者だと思うのだが、本作を最後にクリスクロスから離れてしまったのは、もしかするとなんらかの大人の事情があったのかもしれない。
ワン・フォー・オールからエリック・アレキサンダーとスティーブ・ディヴィスが抜けて、代わりにディルッボが加わっただけという音楽的にミエミエのメンバーなので聴くのを後回しにしてきたのだが、2か月程前に聴いた前作「Mike DiRubbo Quintet/Keep Steppin'(別頁あり)」が意外と良かっただけに、本作を聴くのも楽しみだ。それにしても昔風なジャケット・デザインは、クリスクロスにしてはなんか珍しいような気がするなぁ。

ディルッボの4曲のオリジナルとジム・ロトンディ曲が1曲、他にはジャキー・マクリーンとハンク・モブレーの曲が各1曲と「Moon River」で全8曲。
正統的なハードバップ・サウンドはジャケットのイメージともピッタリ。メンバーはワン・フォー・オールとほとんど変わらないにしても、音楽的にはやはり微妙に違うかなって感じ。3管ではなく2管なので、当然のことながらサウンドがスッキリしている。またフロントが一人少ない分、デヴィッド・ヘイゼルタインの出番が多くなっているので、彼のファンにしてみればむしろこちらの方がいいかもしれないな。アドリブにもかなり気合が入っていて、ヘイゼルタインを聴いているだけでも十分に楽しめる。
主役のディルッボは相変わらず線の太い音で吹いていて非常に好感を持てる。フレーズ的にもマクリーン的なものを主体にコルトレーンまでをもカバーしていて、実にいいですなぁ。急速調の4曲目では速いパッセージでガンガン吹きまくっているし、続く5曲目のバラード曲ではそれとは対照的に朗々たる歌いっぷりで、もうどれをとってもなにも欠点が見当たらない。こんなに素晴らしいアルト奏者だというのに知名度がイマイチなのは、彼の性格的なものも関係しているのだろう。有名な人たちと肩を並べるぐらいの実力は持っていると思うけどね。
そんなディルッボと同様にロトンディも素晴らしいアドリブを披露しているのだが、彼もまた実力ほどは名前が知られていないのが残念。私なんかは同じ白人トランペッターのライアン・カイザーよりもずっと好きなんだけどね。
とにかく2人のフロントが最良のプレイをしているし、それに輪をかけてヘイゼルタインも実にいい仕事をしているので、これで悪いわけがない。アルバムとしての曲の配列も申し分がないしね。しいていえばファンズワースのドラミングがいくぶん軽いのが難点だけど、それはなにも今に始まったことではないので仕方がないっす。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

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