Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

カテゴリ:Jazz / FusionのCD > 旧譜

The Teaching

Josh Rawlings(Rhodes)
Evan Flory-Barnes(Ac-B)
Jeremy Jones(Ds)
Rec. April 2, 2007, Seattle WA
(The Teaching Music)

マグワイア・ブラザーズと母親がシアトルに行った際にエヴァン・フローリー・バーンズという凄腕ベーシストと出会ったそうで、私にも聴いてもらいたいということで2枚のアルバムを送っていただいた。フローリーの経歴は本人のサイトに書いてあるので後で目を通しておくとして、同じくシアトル出身であるアーロン・パークスの初期作品「Aaron Parks / The Promise(99年)」「Aaron Parks / First Romance(00年)」にも参加しているということは、その当時から既に光るものがあったということなのだろう。フローリー・バーンズと同様にジョシュ・ローリングスもジェレミー・ジョーンズもこれが初聴きだけど、The Teachingというトリオ名義で、はたしてどういう演奏が繰り広げられているのか楽しみだ。

3人の共作が3曲と、フローリー・バーンズ曲が1曲で全4曲。
ファンクを基調としながらのセッション的な演奏。その場の状況に応じて4ビートやラテン等にも発展する自由度の高い演奏となっているのだが、コード進行と基本的なビートだけを決めたような、どの曲も同じような感じのラフでシンプルな曲構築と、短い曲でも13分と演奏時間がやけに長いことが相まって、冗長に感じてしまうのが残念なところ。そんな中フローリー・バーンズは正確無比な弓弾き(ボウイング)もしたりして、なかなかの芸達者ぶりを見せているけれど、他の2人の実力がそれに拮抗しておらず、特にジョーンズは今どきの凄腕ドラマーと比較するとテクニック的にもアイデア的にもイマイチで、それが演奏の退屈さにも繋がっているね。3人がやりたいことは十分に理解できるけど、単なるセッションに終わってしまっている感があるので、ここはもっときちんとした曲を書いて、曲ごとの変化が楽しめるようなアルバム構成にした方がよかったのではと思う。 
ということで1枚目は私としては共感できないけれど、もう1枚の方はメンバーが違うし、昨年のリリースということで最新のレコーディングなような感じなので、そちらの方に期待するとしよう。本作は録音(エンジニアはDoug Haire)に関しては、各楽器が自然な音で録れていて、それなりにいい感じで楽しむことができる。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 


Josh Rawlings  (Rhodes)

Evan Flory-Barnes  (Ac-B)

Jeremy Jones  (Ds)

Rec. April 2, 2007, Seattle WA

(The Teaching Music)

 

 

I received two CDs from the Maguire b rothers and their  mother.  They  went to Seattle and met  Evan Flory-Barneswho they thought is an extraordinary bassist.  I will check his bio on his website later.  I understand that he played two early albums of Aaron Parks, also from Seattle.  That may mean that he already had something shining back then and I am excited to listen to the work of his trio  The Teaching .

 

Three of the tracks are composed by the three of them and one is by Flory-Barnes, which totals four tracks.

 

I got an impression that their performing style is more like a jam session based on funk rhythm.  It is more like free style performance with a variation of 4 beat and latin, etc.  All the tracks seems to be rather rough and simple.   The music construction is more like stressing on code progression and basic beats and it makes all the tracks sound similar.  In fact the shortest track is 13 minutes.  It s really too bad that it makes their music sort of redundant .

 

Flory-Barnes, however, does a super  accurate bowing and showcases his technic.  Unfortunately, the other two musicians are not matching his skill at this time.  Especially,  Jones is not up-to-dated both in technic and ideas comparing to other modern well known drummers.  That may be the cause of rather not-so-appealing performance.  I can understand what these 3 musicians are trying to do, but I get impression that they were like just jamming.  It would have been nicer if they wrote more respectable songs and made each song unique so that the listener could enjoy the variety.

 

I could not really agree with this album, but since his second album is his latest release and has different members, I look forward to that one.  

 

As the matter of the recording of this album, each instrument sounded natural and I was able to enjoy the sound.   Doug Hair is the engineer.

 

 

Evaluation ☆☆☆  (  poor ☆☆  fair ☆☆☆  good ☆☆☆☆ very good ☆☆☆☆☆  excellent)

Translated by Yuki Maguire 

  

--EDIT--

Manuel Rocheman meets Toninho Horta / Cafe & Alegria

Manuel Rocheman(P)
Toninho Horta(G, Vo)
Yuri Popoff(El-B)
Marcio Bahia(Ds, Per)
Chico Amaral(Ss)2,9
Rec. December 16-17, 19-21, 2011, Brasil
(Naive NJ622511)

マニュエル・ロシュマン(1964年、フランス生まれ)はスコット・コリー、アントニオ・サンチェス買いだった「Manuel Rocheman/Cactus Dance(07年、別頁あり)」でしか聴いたことがないのだが、8月にテネシー州で行われたノックスビル・ジャズ・フェスに出演した際に、アメリカの友人が私の名前入りでCDにサインをしてもらったということで、一昨日アップした「Keith Brown / The Journey」と一緒に送っていただいた。ロシュマンのサイトによると、本作は9枚目のリーダー作(12年作品)。この後に「Manuel Rocheman, Nadine Bellombre / Paris-Maurice(14年)」がリリースされているので、新譜というわけではないのだが、名前はよく知っているのに実際の演奏やヴォーカルはほとんど聴いたことがないトニーニョ・オルタとの共演盤となっているのが興味深い。「Cactus Dance」でのロシュマンは、ビル・エヴァンスをもっと現代的にしたような印象だったけど、本作ではオルタやこれが初聴きのユリ・ポポフ(オルタの義理の弟のよう)、マルシオ・バイーア、シコ・アマラルのコテコテのブラジル・ミュージシャンとで、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

ロシュマン曲が3曲、オルタ曲が6曲、ポポフ曲が1曲で全10曲。
オルタ以下のメンバーがいつも一緒にやっているのかは定かでないけれど、バンドとしての纏まりはバッチリ。いかにもといった感じのブラジル的な演奏に、フランス的な気品を漂わせながら弾いているロシュマンのピアノが違和感なく溶け込んでいるね。楽曲は当然ながらボサノヴァやサンバ的なものがメインとなっているけれど、どのような曲調であってもリズム自体が本場ものだし、ジャズ的な要素も加味されているので、私としてはもうそれだけでもノリノリになってしまう。そんな中ロシュマンが非常にセンスのいいプレイで聴かせてくれるし、オルタも洒落たギターとスキャットで楽しませてくれるのだが、二人と同じぐらいによく感じるのがポポフのベースで、ジャコパスやマーク・イーガンあたりを連想させるフレットレスでのプレイ(曲によってはオーバーダブもしている感じだが、もしこれが同時弾きだとすると相当凄いことになる)が身体に心地よく響いてくる。またそのよく伸びるベースの音とは対照的な、ゆったりとした曲であっても小刻みに叩いているバイーアのドラミングも演奏を単調に感じさせない要因となっているね。それと2曲に参加のアマラルのソプラノもいいアクセントとなっているのだが、各人が自分の持ち味をフルに発揮しているおかげで、同じくブラジルものであるイリアーヌの新作「Eliane Elias / Made In Brazil(15年、別頁あり)」以上にいい感じの演奏が楽しめる。作曲者による曲調差が感じられない楽曲もどれもが優秀。その中でもトリオだけで演奏している7曲目「Toninho」(ロシュマン曲)と、唯一の4ビート曲である3/4拍子の6曲目「Francisca」(オルタ曲)は特に気に入った。
「Manuel Rocheman/Cactus Dance」とは傾向の異なる演奏ではあるけれど、ブラジルの香りがプンプンする本作にも非常に好感が持てる。各楽器が明瞭な音で録れている録音も良好。それがやっている音楽にもよくマッチしているね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 


Manuel Rocheman(P)
Toninho Horta(G, Vo)
Yuri Popoff(El-B)
Marcio Bahia(Ds, Per)
Chico Amaral(Ss)2,9

Rec. December 16-17, 19-21, 2011, Brasil

(Naive NJ622511)


I have only listened to Manuel Rocheman’s (1964~, born in France) album ‘ Manuel Rocheman/Cactus Dance (2007).  He came to my attention since he played Scott Colley and Antonio Sanchez.  My friend who heard him play at Knoxville Jazz Festival last August gave me his signed CD together with ‘Keith Brown/The Journey’ (2015) which I uploaded my review yesterday.

According to his website, this album is his 9th leader album.  His ‘Manuel Rocheman, Nadine Bellombre/Paris-Maurice (2014) has been released, so this is not his latest album.  It is interesting that he plays with Toninho Horta, a renown musician whom I have not had a chance to listen to.

My impression of Rocheman’s playing style is something like a modernized Bill Evans.  On this album, he played with Horta and Yuri Popoff (he may be Horta’s brother-in-law), Marcio Bahia and Cico Amaral.  I wondered how he was going to sound with those heavy duty Brazilian musicians.


This CD contains three tracks of Rocheman’s originals, six tracks of Horta’s, and one track of Popoff’s.  It totals 10 tracks.  I don’t know if Horta always plays with all those musicians, but they play perfectly together.  And Rocheman’s piano,  accentuated Brazilian style with French elegance,  blends in comfortably.  The tracks are mainly based on bosa nova and samba.  All the rhythm is the real deal from Brazil and jazz elements are added on top of it.  I can not stand how much fun it is.

Rocheman plays extremely sensibly among those musicians.  Horta plays guitar fashionably and his scat sounds great.  I would say Popoff’s bass sounds as good as two these guys.  He plays fretless bass, which reminds me of Jaco Pastrius and Mike Egan.  He sounds like he’s overdubbing.  If he’s playing both at the same time, he must be a super bassist.  Anyway, his sound is comforting.  In the contrary to the long and spacious bass sound, the fast and short sounds of drumming of Bahia even on the slow pace song is one of the reasons that you don’t find their music boring.

Amaral who plays 2 tracks with soprano sax gives a good accent to the album.  Overall, since each musician plays his own music fully, I like this album more than another good Brazilian sound album, ‘Eilane Elias/Made in Brazil (2015).  Each song is outstanding having same taste although composers are different.  I especially loved the 7th track, ‘Toninho’ by Rocheman and the 6th track of 3/4 beat ‘Francisca’ by Horta.

This album has a different style from ‘Manuel Rocheman/Cactus Dance’.  I like this album with the strong scent of Brazilian.  The recording is good with each instruments sounding clear.  That matches their music, too.

Scores ☆☆☆☆Very Good
(☆Poor,  ☆☆Fair,  ☆☆☆Good,  ☆☆☆☆Very Good,  ☆☆☆☆☆Excellent!) 

Translated by Yuki Maguire

Cafe & Alegria [輸入盤]
Manuel Rocheman
Naive
2012-11-10

 
  

--EDIT--

Matija Dedic Trio / MD in NYC

Matija Dedic(P, Key, Rhodes)
Vicente Archer(Ac-B)
Kendrick Scott(Ds)
Rec. November 22-23, 2009, NY
(Origin Records 82582)

Matija Dedic / Sentiana(14年、別頁あり)」を聴いて一発で気に入ったマティヤ・デェディッチ(?)だけど、他のアルバムも聴いてみたくなったので、2011年リリースの本作を買ってみた。こちらの方はアコピだけではなくエレピやシンセも使っているので、「Sentiana」とは一味違うことをやっていると思うけど、スコット・コリー、アントニオ・サンチェスの超強力リズム隊コンビとは系統が異なっているヴィセンテ・アーチャー、ケンドリック・スコットとで、はたしてどういうことになっているのか興味深い。

デェディッチ曲が6曲と、ハンコックの「Maiden Voyage」、マイルスの「Blue in Green」、スティングの「Fragile」、Tovy Gadの「If I Where a Boy」(Wereが正しいよう)で全10曲。
想像していたのとは違って、しっとりと落ち着いた楽曲「Her Name」でスタート。そのピアノの肌触りは「Sentiana」と同様に、やはりエンリコ・ピエラヌンツィに通じるものがある。2曲目「Slawenskaya」はアコピの他にシンセ音も味付け程度に加えながらの(たぶんオーバーダブ)、「カツカツ」ビートによるコンテンポラリーな演奏だけど、この曲ではデェディッチよりもスコットの方がよく目立っているね。容赦なくガツンといっていて、「そうそうこれこれ!」と思わせてくれる。3曲目「Update」はミディアムテンポの4ビート。1曲目と同様の落ち着いた演奏ではあるけれど、アグレッシブさを秘めながらのソフィスティケートなピアノがいい感じだし、アーチャーもソロで聴かせてくれる。4曲目は大好きな「Maiden Voyage」。シンセの持続音を効果的に用いながらのアコースティックな演奏となっているけれど、テーマの後にいきなりベースソロに突入するのは意表をついていいとしても、全体的に大人しめの演奏なので、もっと盛り上がる部分があってもいいのではと思う。といってもデェディッチのアドリブはけっこうダイナミックなので、これはスコットの「カツカツ」ビートを主体としたバッキングの方に問題があるのだろう。5曲目「Angst」は7/4拍子基調の16ビート曲。これまでの曲と同様アコピがメインではあるも、テーマ部分でのシンセが効果的だし、カッコいいキメも用意されていて実にいい感じ。アドリブに入ってからは6/8拍子にチェンジしてぐっとジャズ寄りになっているののもグッドだし、後半にはスコットのちょっとしたドラムソロも用意されているけれど、せっかくのいい演奏が約4分と短めなので(前曲の「Maiden Voyage」は10分もやっている)、できれば長い演奏でもっとワクワクさせてほしかった。6曲目は「Blue in Green」。お定まりのバラード演奏だけど、ストリングス的なシンセをオーバーダブしているせいで安っぽく感じてしまう。おそらくウィズ・ストリングス的なことをやってみたかったのだと思うけど、アコピだけのトリオで演奏は成立しているのだから、これは必要なかったね。7曲目「Cheekee Chicks」はボブ・ジェームス的。アコピの他にエレピも弾いていて、さらにシンセも鳴っているといったフュージョンチックな演奏だけど、これまでの曲調とは異なっているのに違和感を感じる。後半で弾いているシンセのアドリブも音色的に気に入らないのだが、デェディッチはそもそもシンセがあまり得意ではないのだろう。最初は気にならなかったけど、「Blue in Green」といいこの曲といい、その使い方が耳に付くようになった。その点8曲目「Fragile」はアコピしか使っていないのでホッとするけどね。トリオとしてもスティングが聴けば悔しがるのではと思うほどに良い演奏をしている。
残りの曲は省略するけれど、無理してシンセやエレピを使わずに、アコピだけで勝負をかけた方がよかったのではないかな。録音はドラムスが若干奥に引っ込んでいるものの、トリオとしてのバランスは悪くないし、各楽器の音質も上々だ。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

M.D. in N.Y.C.
Matija Dedic
Origin Records
2011-01-18

 
  

--EDIT--

Holdsworth, Pasqua, Haslip, Wackerman / Blues for Tony

Allan Holdsworth(G)
Alan Pasqua(Key)
Jimmy Haslip(B)
Chad Wackerman(Ds)
Rec. May 2007, Live in Europe
(Moonjune Records MJR029)

2009年のリリース当時は、同一メンバーでやっているDVD作品「Allan Holdsworth & Alan Pasqua/Live at Yoshi's(07年、別頁あり)」と同じ音源か、あるいは違ったとしても演奏的には大差ないだろうと思ってパスしていた本作だけど、アラン・ホールズワース本人がFacebookにアルバムを丸ごとアップしているのを聴いたら無性に欲しくなり(この時点で別音源なことも判明)、今頃になって購入した次第。買うタイミングを逃してしまったのと2枚組ということもあって、2,206円(Tower Records価格)と少々高くついてしまったけれど、iTunes(=iPhone, iPod touch)に入れておいて、聴きたいと思ったときには即座に聴けることを考えると安いものだ。

Disk1が「Blues for Tony(Pasqua)」「The Fifth(Wackerman)」「It Must Be Jazz(Holdworth/Pasqua/Haslip/Wackerman)」「Fred(Holdsworth)」「Guitar Intro(Holdsworth)」「Pud Wud(Holdsworth)」、Disk2が「Looking Glass(Holdsworth)」「To Jaki, George and Thad(Pasqua)」「San Michele(Pasqua)」「Protocosmos(Pasqua)」「Red Alert(Newton)」で全11曲。
DVDと聴き比べたわけではないのでハッキリしたことはいえないけれど、演奏はこちらのほうがはるかによく感じる。きっとライブ回数を重ねることによってバンドとして練れてきたのと同時に、曲慣れして演奏に余裕が生じた分、メンバー各人が新たなアイデアを注入できたのが要因なのだろう。それとカメラワークを気にする必要がないのもCDの利点だね。おかげでメンバーそれぞれの演奏している姿を思い浮かべながら、純粋に音楽に没頭することができる。その演奏はさすがにホールズワースのバンドだけあって、各人とも素晴らしいテクニックで聴かせてくれるのだが、中でもジミー・ハスリップがこのバンドにすっかり溶け込んだ感があるのがいい塩梅。またチャド・ワッカーマンのカッコよさも相変わらずで、なんかDVDよりも本作の方がのびのびとプレイしているような印象を受ける。もちろんホールズワースも当然ながら素晴らしいし、ジャズをやっているときとは打って変わって、ギンギンなプレイをしているアラン・パスクァの弾けぶりも特筆もので、テクニカル・フュージョンとしての最高の演奏が満喫できる。楽曲としてはDVDと同様に、「Tony Williams Lifetime/Believe It(75年、別頁あり)」収録の「Fred」「Proto-Cosmos」「Red Alert」をやっているのが嬉しいし、DVDには収録されていない3曲(「It Must Be Jazz」「Guitar Intro」「To Jaki, George and Thad」)も聴きものだね。
トータル約90分の演奏には手に汗握る興奮が味わえるし、録音もまた良好で、本作は当然ながらの5つ星。もしリリースされた2009年に聴いていれば、「Return To Forever/Returns(09年、別頁あり)」との、どちらをフュージョン部門ベスト1にすればいいのか悩んでいただろう。ホールズワースのアルバムの中では「I.O.U.(82年)」「Road Games(1983年)」あたりが大好きなのだが、本作もまたそれと同じぐらいに気に入った。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)   

--EDIT--

Sebastian Schunke / Back in New York

Sebastian Schunke(P)
Paquito D'Rivera(Cl)
John Benitez(Ac-B)
Antonio Sanchez(Ds)
Pernell Saturnino(Per)
Anders Nilsson(G)
Rec. 2008?, NY
(Connector 59850)

大好きなアントニオ・サンチェスが参加しているのですぐに飛びついたけど、新譜ではなく2008年のリリースだったんだね。でもAmazonでわずか657円で買えたので、失敗したという気持ちには全くならない。リーダーのセバスチャン・シュンケはこれが初聴き。本人のサイトを見るとドイツ出身で、エディ・パルミエリ、チック・コリア、ゴンサロ・ルバルカバの影響を受けているようだ。そのことや本作のメンバーからもラテンジャズへの傾倒ぶりが窺えるのだが、他の5枚のリーダー作(DVD作品の1枚を含む)もそうなのかは定かでないので、暇なときにでもサイトの試聴用音源を聴いてみるとしよう。他のメンバーはクラリネットで参加しているパキート・デリヴェラ以外は知らない名前だけど、自ブログで検索したらベースのジョン・ベニテズ(?)は「Eddie Palmieri/Listen Here !(05年)」「Conrad Herwig/Sketches of Spain Y Mas(06年)」「Tom Guarna/Out From The Underground(07年)」(各別頁あり)等に、パーカッションのパーネル・サトゥルニーノ(?)は「Edward Simon/Simplicitas(05年)」「D.Liebman,D.Braden,D.Moretti/Latin Genesis(07年)」「David Binney,Edward Simon/Oceanos(07年)」「Donny McCaslin/In Pursuit(08年)」「David Sanchez/Cultural Survival(08年)」「Donny McCaslin/Declaration(09年)」(各別頁あり)や、つい先日聴いたばかりの「Chick Corea / The Vigil(13年、別頁あり)」に参加しているのが見つかったので、ギターのアンダース・ニルソン(?)だけは本当に知らない人だけど、これは相当期待できそうだ。

全7曲がシュンケのオリジナル。
ラテンジャズの要素は強いながらも単にノリのいい演奏をしているのではなく、曲中で緩急の変化を付けながらダイナミックな展開を見せているのが特徴的。シュンケのピアノは上記パルミエリ、コリア、ルバルカバにハンコックも加えて4で割ったような感じだけど、中でもむやみな速弾きはしなくなった近年のルバルカバに近いものがあり、そのラテンタッチながらも深みが感じられるプレイがなんともいい塩梅。そしてそれ以上によく目立っているのがデリヴェラで、GRP時代のエディ・ダニエルスを連想させるようなセンスのいいクラリネットで、まるで彼のリーダー作かと思ってしまうほどの活躍ぶりを見せている。また全曲に参加しているわけではないものの、ニルソンのギターもなかなかの聴きもので、アコギあるいはエレギをナチュラルな音色で弾いているときは無難なプレイをしているけれど、部分的にフリー調となっている4曲目や、静と動の起伏が激しい6曲目ではエフェクターを駆使しながら、マルク・デュクレやベン・モンダーあたりにも通じる先鋭的なプレイで楽しませてくれる。そしてなんといってもサンチェスのドラミングが素晴らしい。どの曲においても繊細さとダイナミズムの入り混じった有機的なプレイをしているおかげで、集中の糸を切らすことなく演奏に引き込ませてくれるね。またデイヴ・ホランド的な芯のガッチリとしたベースで土台を支えているベニテズにも好感が持てるし(彼のおかげでジャズ度も一段と増している)、俺が俺がと前に出てくることのないさっぱりした味付けのサトゥルニーノのパーカッション(曲によってはオーバーダブも施しているよう)も、サンチェスのいい女房役となりながら演奏に活力を与えている。
演奏はどの曲も好感触だし、マイク・マルシアーノ担当の録音(スタジオはSystems Two Studios)もまた文句なしに素晴らしい。Criss Cross盤とは違って各楽器とも非常に鮮度が高い音質で録れていて、それがまたやっている音楽とも絶妙なマッチングを見せているのだがら嬉しくなってしまう。特にピアノとクラリネットの響きの美しさは感動ものだね。これだけの良盤を657円というタダのような値段で入手できたのだから、サンチェスが叩いているとの情報を寄せて下さったブログ仲間のoza。さんには感謝します。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)   

--EDIT--

↑このページのトップヘ

google-site-verification: google878c7206ee6d4f7b.html