Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

カテゴリ: Jazz / FusionのCD

Jeff

1. Chiken Bellet
Jeff "Tain" Watts (Ds), Paul Bollenback (G), James Francies (P), Troy Roberts (Ts), Orlando le Fleming (B)
2. Lenalane
Jeff "Tain" Watts (Ds, Vibes, Marimba, Per), Sy Smith (Vo), Paul Bollenback (G), James Francies (P), Troy Roberts (Ts), Orland le Fleming (B)
3. Water
Jeff "Tain" Watts (Ds), Paul Bollenback (G), Manuel Valera (Hammond C3), Troy Roberts (Ts), Robert Hurst (B), David Budway (P), Russell Malone (G), Dayna Stephens(Sax Quartet)
4. Songs of the Jitney Man
Jeff "Tain" Watts (Ds), Osmany Paredes (P), Dayna Stephens (Ts), Yunior Terry Cabrera (B)
5. You're Mine and Want You
Jeff "Tain" Watts (Ds), Kurt Elling (Vo), Manuel Valera (P), Robert Hurst (B)
6. uh-UH!!
Jeff "Tain" Watts (Ds), Steve Coleman (As), Robert Hurst (B)
7. 14E
Jeff "Tain" Watts (Ds), David Kikoski (P), Gregoire Maret (Harmonica), Hogyu Hwang (B)
8. Waltz for Marvin
Jeff "Tain" Watts (Ds), Frank McComb (Vo), Paul Bollenback (G), James Francies (P), Orlando le Freming (B), Troy Roberts (Ts)
9. Cleo
Jeff "Tain" Watts (Ds), Kevin Eubanks (G), Dwayne Dolphin (B)
10. Blakzilla vs. Yo' Mothra
Jeff "Tain" Watts (Ds), Oamanny Paredes (P), Dayna Stephens (Ts), Yunior Terry Cabrera (B)
11. Reverie
Jeff "Tain" Watts (Bell, Per), David Budway (Pipe Organ)
Rec. Tracks 1, 2 and 8, November 23-24, 2014, Easton PA
       Tracks 3,5 and 6, August 19-20, 2015, Easton PA
       Tracks 4 and 10, June 30, 2016, Easton PA
       Track 7, July 6, 2016, Easton PA
       Track 9, September 21, 2016, Easton PA
(Dark Key Music 2016)

前作「Jeff "Tain" Watts / Blue Vol. 1(別頁あり)」は2015年にリリースされているのだが、Vol.2の本作は同じ日のレコーディングは3曲だけで、他の曲は新録となっているのがまず嬉しい。今回はサイ・スミス、デイナ・スティーブンス(ダイナ・ステファンス?)、カート・エリング、マニュエル・ヴァレラ、ロバート・ハースト、デヴィッド・バドウェイ、ラッセル・マローン、スティーヴ・コールマン、デヴィッド・キコスキー、ケヴィン・ユーバンクスも新たに参加しているけれど、ブルーをテーマとして、このメンバーではたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

全11曲がワッツのオリジナル。
1曲目「Chiken Bellet」は、アート・ブレイキーのJM的なザクザクした感じのファンキー曲が、途中で1.5倍テンという、これまで聴いたことがないようなテンポチェンジとなっているのがカッコいい。こういう発想はドラマーならではだと思うけど、この部分があるおかげで演奏もピリリと引き締まっていて実にいいね。2曲目「Lenalane」はサイ・スミスが歌っているソウル的な曲調(ヴォーカルのみCAでレコーディング)。これまた部分的にレゲエ・ビートにしてみたり、拍をずらしたトリッキーな譜割(変拍子かも)もあったりして、決して一筋縄ではいかないのがいかにもワッツらしい。ゆったりとした感じの3曲目「Water」はコルトレーンを連想させる曲。アドリブを取っているギターはポール・ボレンバックとマローンのどちらなのか、またテナーもトロイ・ロバーツなのかスティーブンスなのかいまいちハッキリしないけど、2人とも曲調によくマッチしたモーダルなプレイが素晴らしい。出だしのノンテンポ部分でのハーストのアルコプレイも素敵だし、スティーブンスの多重録音による一人サックス・カルテットもサウンド上のいいアクセントとなっている。4曲目「Songs of the Jitney Man」は6/4拍子。ワッツの強靭な16ビートに乗っかりながら、ソプラノを吹いているトロイ(クレジットではテナーとなっている)と、もろハンコック調に弾いているオスマニー・パレデスがカッコいいアドリブで聴かせてくれる。5曲目「You're Mine and Want You」はカート・エリングが歌っているバラード曲(ヴォーカルのみNYでレコーディング)。現代の男性ジャズヴォーカリストの中で一番好きなエリングの上手さは当然として、こういうヴォーカル向きの曲まで書いてしまうワッツの才能にも驚かされる。6曲目「uh-UH!!」はブルースのコード進行のファンク曲だけど、これもまた5/4拍子と3/4拍子の複合で、一筋縄ではいっていないのがいい塩梅。そんな曲にはうってつけのM-Baseの雄コールマンとハーストによる男臭さがプンプンする骨太なトリオ演奏がなんともたまらないのだが、ここまでドラムソロは一切取っていないワッツなので、できればこういう曲調では取って欲しかった。7曲目「14E」はグレゴア・マレをフィーチャーした抒情的な曲。曲調との相性はバッチリとは言い難いけれど、キコスキもいい感じのアドリブで聴かせてくれるのが流石だね。
残りの曲は割愛するけれど(9曲目「Cleo」でのユーバンクスが、先日聴いたばかりの「Kevin Eubanks / East West Time Line(17年、別頁あり)」と同様に素晴らしいことだけは付け加えておく)、曲ごとに異なった演奏が楽しめるのはいいとして、中には短く感じる曲もあったりするので、曲数を減らすなりして、その分1曲1曲をもっとじっくり聴かせるようなアルバム作りにしてもよかったのではと思う。録音(エンジニアはGlen Forrest、Lura Watts)に関しては、ドラムスとピアノがイマイチだった「Blue Vol. 1」と違って、特に不満は感じなかった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 


 
  

--EDIT--

Billy Childs / Rebirth

Billy Childs (P)
Steve Wilson (As, Ss)
Hans Glawischnig (B)
Eric Harland (Ds)
Claudia Acuna (Vo)2
Alicia Olatuja (Vo)3
Ido Meshulam (Tb)2
Rogerio Boccato (Per)2
Rec. December 2-4, 2015, NY
(Mack Avenue MAC1122)

ストリングス等が参加している前作(かな?)「Billy Childs Ensemble / Autumn: In Moving Pictures (Jazz-Chamber Music Vol.2)(10年、別頁あり)」も決して悪くはなかったのだが、基本的にビリー・チャイルズはピアノトリオで弾きまくっているときの方が好きなので、本作にはアルトのスティーヴ・ウィルソン、更に2曲にはゲストも参加しているとはいえ、ドラムスがエリック・ハーランドなのも相まって、久しぶりにイケイケな演奏が楽しめそう。ハーランドとハンス・グロウィシュニクの組み合わせはこれまで聴いたことがなかったので、リズム隊としての2人のコンビネーションがどうなのかも興味深いものがある。

チャイルズ曲が5曲、クラウディア・アクーニャとの共作が1曲、ミシェル・ルグランの「The Windmills of Your Mind」、ホレス・シルヴァーの「Peace」で全8曲。
ミディアムファーストの4ビート基調ということもあって、1曲目「Backwards Bop」からハーランドが本気モードで攻めまくっていて(後半にはドラムソロもあり)、実にいい塩梅。現代感覚に満ち溢れた楽曲も目茶苦茶カッコいいし、華麗な指さばきで弾いているチャイルズのピアノの上手さは当然として、ウィルソンとグロウィシュニクも活力のあるアドリブで聴かせてくれて、早くも買ってよかったという気にさせてくれる。それはクラウディア・アクーニャのヴォイス入りの2曲目「Rebirth」も同様で、1曲目よりも速いテンポのハードな曲調となっているのだからなんともたまらない。ここでのハーランドの攻め具合も半端ではないね。アリシア・オラトゥージャが歌っている3曲目「Stay」は熱冷まし的なバラードだけど、こういう曲調でのチャイルズのアドリブもツボを心得ていて見事としか言いようがないし、続く4曲目「Dance of Shiva」はまた基本的にはハードな曲調の中、今流行りの音楽的な美味しい要素を随所に散りばめた演奏となっているのだから狂喜してしまう。もちろんそういうのばかりではなく、曲によってはリリカルな部分もきちんと用意しているので、聴き疲れするようなことは全くなし。オリジナルの楽曲自体が優秀だし、既成曲の2曲も、特に「The Windmills of Your Mind(風のささやき)」はイメージするのとは異なった大胆なアレンジが施されているおかげで(「Peace」の方はウィルソンとのデュオ)、どの曲をとっても最高にいい感じで楽しませてくれる。
チャイルズは昔から大好きなピアニストだけど、本作は作曲面においても演奏面においても非の打ち所がなくて格別だね。興味津々だったハーランドとグロウィシュニクのコンビネーションもバッチリだし、録音(エンジニアはRich Breen)も各楽器の音質、バランス共に完璧で、当然ながらの5つ星。これだけ良いとなると今年のベストアルバムの上位入りも確実だろう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Rebirth
Billy Childs
Mack Avenue
2017-03-24

 
  

--EDIT--

Kevin Eubanks / East West Time Line

Tracks 1-5
Kevin Eubanks (G)
Orrin Evans (P, Rhodes)
Dave Holland (B)
Nicholas Payton (Tp)
Jeff 'Tain' Watts (Ds)
Tracks 6-10
Kevin Eubanks (G)
Rene Camacho (B)
Mino Cinelu (Per)
Bill Pierce (Ts)
Marvin 'Smitty' Smith (Ds)
Rec. 2016?, NYC, CA
(Mack Avenue MAC1119)

昔だけではなく、近年のリーダー作「Kevin Eubanks / Zen Food(10年、別頁あり)」「Kevin Eubanks / The Messenger(12年、別頁あり)」や、「Dave Holland / Prism(13年、別頁あり)」「Orrin Evans / #knowingishalfthebattle(16年、別頁あり)」でのプレイも相変わらず素晴らしかったケヴィン・ユーバンクスだが、本作では東西対抗的なアルバム作りとなっているのが興味深い。私の好みとしてはメンバー的にNYレコーディングの方だけど、CAの方もドラマーが上記「Zen Food」や「The Messenger」から引き続きのマーヴィン・ スミッティ ・スミスだし、この2枚にはレネ・カマチョとビル・ピアースも参加しているので、どちらの演奏であってもいい感じで楽しめるのは間違いないだろう。

ユーバンクスのオリジナルが5曲(NYレコーディング)と、デューク・エリントンの「Take The Coltrane」、チック・コリアの「Captain Senor Mouse」、レイ・ブライアントの「Cubano Chant」、マーヴィン・ゲイの「What's Going On」、スタンダードの「My One and Only Love」(CAレコーディング)で全10曲。
NYレコーディングの方は、いかにもこのメンバーらしいキビキビとした演奏。1曲目「Time Line」における10/8拍子の変則的なテーマ部分を聴いただけでもワクワクしてしまうのだが、4ビートにチェンジ(コード進行も変えているよう)してからのユーバンクスのイケイケなアドリブがこれまたカッコいいし(ニコラス・ペイトンは思ったほどではないけれど)、後半には終始豪快に叩いているワッツのソロも用意されていて、もうこの1曲だけでも買ってよかったという気分にさせてくれる。またユーバンクスがアコギに持ち替えて弾いている2曲目「Watercolors」も、モーダルな雰囲気を醸し出しながらのゆったりとした3拍子(6/8拍子)の中、ユーバンクスは当然として、ペイトンも曲調にバッチリ嵌ったプレイで聴かせてくれる。そのペイトンは3曲目「Poet」の前半(ユーバンクスとのデュオ部分)でエレピ、デイヴ・ホランドとワッツが加わってからの後半ではアコピを弾いているけれど、こちらのプレイもピアノが本職でも食っていけるのではと思うほどに上手だね。同じくペイトンがアコピを弾いている4曲目「Carnival」では、ホランドの短いながらも骨太なソロが素敵。ファンク調の3拍子の5曲目「Something About Nothing」も比較的ラフな曲作りの中、各人が持ち味をきちんと発揮したプレイで楽しませてくれる。
CAレコーディングの方は、6曲目「Take The Coltrane」を2-3のルンバ・クラーベでやっているのが面白い。そのリズムが原曲のメロディーに何の違和感もなく嵌っているのだから、これはアイデアの勝利といっていいだろう。アドリブ一番手でテナーを吹いているピアースといい、その後のユーバンクスといい、流石のプレイで聴かせてくれるし、カホン等いろんなパーカッションを使いながらのミノ・シネルのソロも個性的で、スミスだけはバッキングに徹してるものの、こちらのユニットもNY組と比べて遜色ない演奏で楽しませてくれる。アドリブ部分であえてベースを休みにしているのも、プロのアレンジならではといった感じだね。続く7曲目「Captain Senor Mouse」ではスミスが大活躍。アコギを弾いているユーバンクスとのデュオ(シネルも味付け程度に加わっている)だけど、テーマを難しいキメの部分以外はバッサリとカットして、新たにユーバンス的なものを付け加えている斬新なアレンジと丁々発止な演奏が相まって、この曲が大好きな私をルンルン気分にさせてくれる。ピアースがソプラノを吹いているボサノヴァタッチの8曲目「Cubano Chant」も、スミスがリムショットではなく普通にスネアを叩くことによって、軽い中にも重量感があるのがいい塩梅だし、9曲目「What's Going On」を速めの4ビートでやっているのも、自分にはこのような発想がなかっただけにビックリ。短めの演奏でフェードアウトで終わっているのには不満が残るけど、ギター、テナー、ベースだけでやっているラストの「My One and Only Love」でのオーソドックスな演奏が心に染み渡って、そんなことはどうでもよくなった。
ということで演奏自体はどちらのユニットにも満足するのだが、録音(エンジニアはRobert M. Biles)はホランドのベースが曲により不鮮明なのが気になるところ。またワッツのドラムの音も緩めだし、全体的に昔のCTIのような加工臭も感じられるので、もっと素直な音で録って欲しかった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

East West Time Line
Kevin Eubanks
Mack Avenue
2017-04-07

 
  

--EDIT--

Julian & Roman Wasserfuhr / Landed in Brooklyn

Julian Wasserfuhr (Tp, Flh)
Roman Wasserfuhr (P, Marimba, Seaboard)
Donny McCaslin (Ts)
Tim Lefebvre (El-B, Ac-B)
Nate Wood (Ds)
Rec. August 13-14, 2016, NY
(ACT 8929)

バックのメンバー(ダニー・マッキャスリン、ティム・ルフェーヴル、ネイト・ウッド)に釣られての購入。ドイツの兄弟ミュージシャンであるジュリアン&ロマン・ワッサーファー(?)を聴くのはこれが初めてだけど、CDのブックレットを見ると既に4枚のアルバムが同じACTからリリースされているんだね。今回はこれまでとは趣向を変えてNYに出向いての録音となっているけれど、精鋭揃いのメンバーを相手にはたしてどういう演奏をしているのか興味深い。ちなみにジャケ写を見る限りではピアニストのロマンが兄で、トランペッターのジュリアンが弟のようだ。

ワッサーファー兄弟のオリジナルが7曲と、トキオ・ホテルの「Durch den Monsun」、スティングの「Seven Days」で全9曲。
Donny McCaslin / Fast Future(15年、別頁あり)」「Donny McCaslin / Beyond Now(16年、別頁あり)」等のマッキャスリンのアルバムとも共通する16ビート主体の演奏だけど、こちらの方が曲調的に親しみやすいのは兄弟のカラーなのだろう。中には3曲目「Tinderly」や6曲目「S.N.C.F」のような4ビート曲もあるけれど、どちらのビートの曲であってもバンドとしての完成度が高くて、オリジナルの楽曲も相まって、決してセッション的な演奏にはなっていないのがいい塩梅。ジュリアン&ロマンはさすがにACTが売り出しているだけあって、テクニックはなかなかのものだし、過去のアルバムもこのような感じなのかは分からないけど、その音楽性もグッド。どのような曲調であってもいい意味でそつのないプレイをしているロマンは、4曲目「Durch den Monsun」や9曲目「First Rays Of Dawn」でマリンバをシンセ音代わりに使っているけれど、こういうアイデアにもセンスのよさがキラリと光っているね。8曲目「Seven Days」でのギター的なSeaboard(シンセのようだ)プレイも実にカッコいい。またフリューゲルをメインに吹いていると思われるジュリアンも温かな楽器の音色自体がまず良いし、アレックス・シピアギンあたりを連想させるような現代的なフレージングにも非常に好感が持てる。それに加えてマッキャスリンも、曲によってはもしかすると本人のリーダー作よりもいいのではと思わせるほどに素敵なアドリブを取っているのだから、こんなに嬉しいことはない。16ビート系の曲はエレベ、4ビート曲ではアコベを弾いているルフェーヴルも、ソロは取っていないものの堅実なプレイで聴かせてくれるし、ウッドのバイタリティ溢れるドラミングも聴き応えがあって(ルフェーヴルと同じくソロはないが)、各人が持ち味を存分に発揮しているおかげで、どの曲もルンルン気分で楽しむことができる。
初めて聴いたワッサーファー兄弟だけど、ここまで良いとなると過去盤も聴いてみたくなるね。でも金銭的な余裕がないので我慢するとしよう。本作はACTレーベルだけあって、録音(エンジニアは)も各楽器が音楽的にもオーディオ的にも最高に良い音で録れている。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Landed In Brooklyn
Julian & Roman Wasserfuhr
Act Music
2017-02-24

 
  

--EDIT--

Joey DeFrancesco + The People / Project Freedom

Joey DeFrancesco (Or, Key, Tp)
Jason Brown (Ds)
Troy Roberts (Ts, Ss)
Dan Wilson (G)
Rec. 2016?, NY
(Mack Avenue Records MC11121)

ジョーイ・デフランセスコは、ドラムスがバイロン・ランダムからジェイソン・ブラウンに代わった前作「Joey DeFrancesco / Trip Mode(15年、別頁あり)」から更に良くなった気がするので(それまでは演奏内容は悪くないけどマンネリ傾向だった)、本作にもブラウンが参加しているのがまず嬉しい。またギターのダン・ウィルソンも「Trip Mode」から引き続き。テナーのトロイ・ロバーツは聞き覚えのない名前だけど、自ブログで検索したら「Jeff "Tain" Watts / Blue Vol. 1(15年、別頁あり)」に参加しているのが見つかった。「Trip Mode」ではアコピも弾いていたデフランセスコだけど、今回はオルガンに専念しているので(曲によってはキーボードとトランペットも用いているのはこれまでとも変わらず)、また一味違った演奏が楽しめそうだ。

デフランセスコ曲が7曲と、ジョン・レノンの「Imagine」、トラディショナルの「Lift Every Voice and Sing」、トニー・クロンビー/ベニー・グリーンの「So Near, So Far」、サム・クックの「A Change is Gonna Come」で全11曲。
プロローグ的な短いソロ演奏ではあるけれど、大好きな「Imagine」でスタートするのだからなんともたまらない。しかも途中からアップテンポの4ビートになる2曲目「Project Freedom」ではブラウンが大フューチャーされているし、複雑なテーマのユニゾンも滅茶苦茶カッコいいものだから(グイグイ突き進むような疾走感溢れるバンドとしての演奏にも圧倒される)、もうこの2曲だけでも買ってよかったという気分になってしまう。ブラウンはゆったり目の16ビート(途中からは弾む感じのビートに変化)の3曲目「The Unifier」や、続くミディアムテンポで拍子がコロコロ変わる4ビートの4曲目「Better Than Yesterday」なんかでも豪快なソロを取っていて、このバンドに無くてはならない存在となっているね。数曲でのローチューニングのセカンドスネアも効果的。またロバーツの熱いプレイや、ウィルソンのホットな中にも爽やかさが感じられるプレイも聴きものなのだが、なんといっても曲によってはエレピやトランペットも用いながらギンギンに弾き倒している、ハートフルかつバイタリティ溢れるデフランセスコのホットなオルガンプレイが素晴らしくて、どの曲を取ってもノリノリで楽しませてくれる。
60年代のオルガンジャズやゴスペル風味を加味しながらの、比較的オーソドックスな演奏ではあるけれど、現代的な要素も部分的に取り入れることによって(ブラウンのエフェクト系の鳴り物が効いている)、よくあるタイプのオルガンジャズとは差別化を図っていることに好感が持てるし、4ビートと非4ビートの比率や動と静のバランスも良好で、演奏自体には何も言うことがないのだが、テナーが若干金属的な音質で録れている(エンジニアはTodd Whitelock)のは気になる部分。もう少し温かみのある音で録って欲しいところだけど、それだと全体的にモコモコしたサウンドになってしまう恐れもあるので、これで正解なのかもしれない。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Project Freedom
Joey Defrancesco
Mack Avenue
2017-03-10

 
  

--EDIT--

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