Laurent Coulondre / Mishel On My Mind

Laurent Coulondre (P, Or)
Jeremy Bruyère (El-B, Ac-B)
André Ceccarelli (Ds)

Producer: New World Production
Production & arrangements: Laurent Coulondre
Recorded by Amaud Kalmes and assisted by Loïc Colin at Studio Besco (Tilly)
Mixed by Amaud Kalmes (Paris)
Mastered by Nate Wood at Studio Kerseboom (New York)
Photos && design: Marc Ribes
André Ceccarelli plays Yamaha drums, Zildjian cymbals, Vic Firth sticks & Remo Drumheads
(New World Production LCPETRU20Y)

1. Memories of Paris 3:04
2. Brazilian Like 4:51
3. She Did It Again 2:45
4. Michel on My Mind 4:25
5. Les Grelots 4:02
6. Looking Up 4:30
7. Bite 4:01
8. Guadeloupe 3:55
9. Rachid 3:26
10. Colors 5:15
11. Little Peace in C 3:04
12. Hidden Joy 1:24
13. September Second 3:46
14. Choriniño 4:45
All tracks composed by Michel Petrucciani
and arranged by Laurent Coulondre
except track 5 by Eddy Louiss
tracks 4 & 14 by Laurent Coulondre

アンドレ・チェッカレリ買い。リーダーのピアニスト、ローラン・クーロンドル(本人のサイトあり)とベースのジェレミー・ブリュイエールは知らない人なのだが、ミシェル・ペトルチアーニのトリビュート作品となれば聴かないわけにはいかないだろう。その演奏はペトルチアーニ的な雰囲気を随所に漂わせながらも、クーロンドルなりのオリジナリティが感じられて(当然ながらピアノのタッチも異なる)、実にいい塩梅。曲によりアコピと共に用いて(オーバーダブかな?)いるオルガンもいいアクセントとなっているし、3曲目「She Did It Again」の途中での「Take the A train」の部分も、ペトルチアーニの演奏を再現しつつオスカー・ピーターソン的でもあったりして、思わずニヤリとする。リリカルな曲調でのプレイにはフランスらしい気品が感じられるし、ラテンタッチな曲では思いっきりリズミカルに弾いていたりして、いろんな引き出しを持っているのが素敵だね。そんなクーロンドルのプレイが曲によってはエレべも弾いているブリュイエールや、チェッカレリのセンスのいいドラミングともよくマッチ。ペトルチアーニの演奏で大好きな「Estate」はやっていないけど、その代わりに6曲目で同じく大好きな「Looking Up」を取り上げていて、それがまた中盤からは7/8拍子にもなっていたりするのだから(続く7曲目「Bite」も7/8拍子)、変拍子好きとしてはたまらない。アンソニー・ジャクソン、スティーヴ・ガッドとの共演盤「ライブ・アット・ブルーノート東京(99年)」の中から「Colors」「Little Peace in C」「September Second」を、また同じ時期に映像作品でリリースされた「ライブ・イン・コンサート」(レーザーディスクで所有)の中からも「Brazilian Like」「Guadeloupe」を取り上げているのが、当時はガッドへの興味を失っていたのでそんなに繰り返し観たり聴いたりしたわけではないけれど、選曲的には好感が持てる。アルバムを通して各人のいい意味でそつのない上手さを堪能できると同時に、トリオとしても調和の取れた演奏で聴かせてくれるし、チェカレリが休んでいる曲や場面があるのもアルバムを通して一本調子には感じさせない要因となっていて、どの曲も「いいなぁ」と思いながら聴いていたら、トータル53分があっという間に終わってしまった。収録曲が14曲と多いわりには各曲とも美味しいエキスが濃縮されているので、1曲1曲が短く感じることはない。
ペトルチアーニ・トリビュートに相応しい演奏が楽しめるし、録音も各楽器の音質、バランス共に良好で、本作は買って正解だった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Laurent Coulondre
New World Production
2019-07-04