Patrick Cornelius / This Should Be Fun

Patrick Cornelius (As)
Ben Allison (B)
John Escreet (P)
Mark Ferber (Ds)
Nick Vayenas (Tb)

Procucer: Marc Free
Engineer: Nick O'Toole
Recorded: June 22, 2018, Acoustic Recording, Brooklyn, NY
Mixed & Mastered: Woodland Studio, Lake Oswego, OR
Photoguraphy: Sara Pettinella
Package design: Jamie Brunson

1. Big Pictures 6:45
2. Leaving Paradise 5:09
3. This Should Be Fun 5:00
4. Precious Souls 2:22
5. Telescope 5:38
6. Dissolution 7:07
7. Restiless Willow 4:59
8. Like Kenny 7:20
9. One Shy of a Dozen 5:19
10. For Morgan 7:56
All compositions by Patrick Cornelius
except "Dissolution" by Nick Vayenas
This album is dedicated to all of my fellow musicians.
Thank you for your constant inspiration.

パトリック・コーネリアスは「Philip Dizack/Beyond a Dream(06年、別頁あり)」「Patrick Cornelius / Maybe Steps(11年、別頁あり)」でしか聴いたことがないアルト奏者。なのでどんな感じのプレイをしていたのかはほとんど記憶に残っていないのだが、本作にはジョン・エスクリートとマーク・ファーバーが参加しているので興味津々買ってみた。その演奏は少々小粒ながらも、現代的なセンスに溢れていてなかなかいい塩梅。コーネリアスは温かみがあって、高音域でも線が細くならないアルトの音色がまずいいね。フレージングにも変な癖がなく、それが聴きやすさに繋がっているのだが、だからといってありきたりな印象は受けないのはオリジナルの楽曲をやっているから。楽曲は4ビートをメインに、非4ビートもバランスよく配列。3曲目「This Should Be Fun」のようなセカンドライン調の曲があったり、4曲目「Precious Souls」のようなベースのベン・アリソンとのデュオによるバラード曲があったり、半分ぐらいの曲にはトロンボーンのニック・ベイナス(これが初聴き)が参加したりと、曲ごとに変化のある演奏となっていながらも統一感はきちんと取れているし、動と静のバランスも良好なおかげで、終始いい感じで楽しむことができる。コーネリアスがどの曲でも聴かせてくれるのは当然として、エスクリートも普段やっていることと比較するとオーソドックスながらも、曲調の範囲内で非常に魅力的なピアノを弾いているし、フロントとしてコーネリアスと調和を取りつつ、いざというときにはけっこうダイナミックに攻めているベイナスも好感触。ファーバーも派手さはないものの、小技の効いたドラミングが実に気持ちいいし、力感のあるアリソンのベースも曲調にバッチリ嵌っていて、どの曲も「いいぞ、いいぞ」と思いながら聴いていたらトータル57分があっという間に終わってしまった。
本作は買って大正解。演奏が良いだけではなく、録音も各楽器がやっている音楽によくマッチした温かみのある音で録れていて、音的にも気分よく楽しませてくれる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


This Should Be Fun
Patrick Cornelius
Posi-tone Records
2019-04-29