Tom Harrell / Infinity

Tom Harrell (Tp, Flh)
Mark Turner (Ts)
Charles Altura (El-G, Ac-G)
Ben Street (B)
Johnathan Blake (Ds)
Adam Cruz (Per)3

Produced by Tom Harrell and Angela Harrell
Recorded at Sear Sound, New York, NY on September 24 & 30, 2018
Engineered by Chris Allen
Mixed and Mastered by Dave Darlington, Bass Hit Recording, New York, NY
Photography by Angela Harrell
Design by Keiji Obata, Littlefield & Company
(HighNote Records HCD 7321)

1. The Fast 6:38
2. Doblin 9:40
3. Hope 7:30
4. Coronation 6:56
5. Folk Song 6:03
6. Blue 5:40
7. Ground 7:18
8. The Isle 8:25
9. Duet 1:41
10. Taurus 6:01
All compositions by Tom Harrell

マンネリになるのを嫌ってか、ここ何作かメンバーを少しずつ代えているトム・ハレルだけど、本作では長年のレギュラー・ドラマーであるジョナサン・ブレイク、「Tom Harrell / Trip(14年、別頁あり)」以来の共演となるマーク・ターナー、「Tom Harrell / Something Gold, Something Blue(16年、別頁あり)」でのプレイがなかなかよかったチャールズ・アルトゥラ、「Trip」や「Tom Harrell / Moving Picture(17年、別頁あり)」に参加のアダム・クルーズ(1曲のみにパーカッションでゲスト参加)に加えて、クルーズと「Adam Cruz / Milestone(11年、別頁あり)」で共演歴のあるベン・ストリートが新たに参加しているのが興味深い。その演奏は1曲目「The Fast」のテーマからして、ハレル(オーバーダブもしている)とターナーによるブレッカー・ブラザーズばりの高速ユニゾンが目茶苦茶カッコいいし、最後の方にはブレイクの長めのソロも用意されていたりして、早くも買ってよかったという気分にさせてくれる。また2曲目「Doblin」ではアルトゥラがアコギ(オーバーダブもあり)を弾いていて、これまでのレギューラー・クインテットとはまた一味違った演奏が堪能できるのだが、それにはハレルと同様に非常に魅力的なプレイをしているターナー(休んでいる曲もあり)と、7曲目「Ground」でのソロを除いては余計なことは一切せずにボトムをガッチリと支えているだけでも存在感がたっぷりのストリートのベースも大きく関係。また3曲目「Hope」でのクルーズのパーカッションの小物やコンガもいいアクセントとなっているし、終始エネルギッシュなビートやリズムを送り続けているブレイクや、アドリブだけではなくバッキングにおいてもセンスのよさを見せつけてくれるアルトゥラも含めて、メンバー全員が非常にいい仕事をしているおかげで、どの曲をとってもノリノリで楽しむことができる。9曲目「Duet」のターナーとのデュオと10曲目「Taurus」以外はあえて4ビートを抜きにして、今回は非4ビート(アフロ系や8、16ビート)メインでいっていたり、ハレルがミュートを使っている曲や変拍子の曲が数曲あるのも新鮮味に繋がっているね。
70歳を過ぎてもチャレンジ精神が旺盛なハレル(1946年生まれ)には感服する。本作は演奏が良いだけではなく、録音も各楽器の音質、バランス共に上々だし、これまでのようなダークさはあまり感じられない曲調にもよくマッチしていて、爽快な気分を味わうことができた。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Infinity
Tom Harrell
Highnote
2019-03-08