Pierre de Bethmann / Todhe Todhe

Pierre de Bethmann (P)
Stephane Guillaume (Fl, Ts)
Sylvain Beuf (As)
David El-Malek (Ts)
Thomas Savy (Bass-Cl)
Sylvain Gontard (Tp, Bugle)
Denis Leloup (Tb)
David Patrois (Vib, Marimba)
Simon Tailleu (Ac-B)
Karl Jannuska (Ds)

Programme créé au sein du Théâtre de Saint Quentin en Yvelines le 12 juin 2018
Enregistré par Philippe Gaillot, assinté de Matthieu Lefavre, au Studio Farber (Paris), les 10 et 11 juillet 2018
Mixé par Philippe Gaillot au Studio Recall (Pompignan), Masterisé par Raphaёl Jonin au studio J Raph ing
Piano accordé par Philippe Bailleul et Pascal Lobry
Graphisme et photo de couverture Tim Miltat
Autres photos par Thomas Savy et Tom Spianti
(Aleamusique ALÉA011)

Disque 1
1. En Meme Temps 9:16
2. Ecart Type 9:52
3. Nuance 8:55
4. Mir 9:53
Disque 2
1. Todhe Todhe 10:08
2. Wabi Sabi 9:03
3. Volseau 11:09
4. Amblitude 7:41
5. Nuance Persistante 2:55 
Compositions de Pierre de Bethmann

Prysm(「Prysm / On Tour(01年、別頁あり)」)の時代から大好きなピエール・ド・ベスマンなので、リーダー作もリリースされていたのに気づかずに買い逃していた盤があるので全部ではないけど「Pierre De Bethmann/Ilium Quintet(05年)」「Pierre De Bethmann/Oui(07年)」「Pierre de Bethmann/Cubique(09年)」「Pierre de Bethmann / Go(12年)」(各別頁あり)を持っているし、Prysmリユニオンの「Prysm / Five(11年、別頁あり)」はもちろん、ムタン・リユニオン・カルテット(「Moutin Reunion Quartet/Something Like Now(05年)」等別頁あり)を始めとするサイド参加のアルバムも数多く聴いてきたのだが、そんなベスマンが2枚組の最新作を当ブログのためにわざわざ送ってくださったことにまずはお礼申し上げます。
 本作はステファン・ギヨーム(ベスマンとは「Stephane Huchard/Toutakoosticks(02年、別頁あり)」でも共演)、シルヴァン・ビュフ、デヴィッド・エル=マレク、トーマス・サヴィ(スコット・コリー、ビル・スチュワートとの「Thomas Savy/French Suite(09年、別頁あり)」が最高!)の有名どころと、シルヴァン・ゴンタール(?)、デニス・レループ(エル=マレクの「David El-Malek/Music From Source(08年、別頁あり)」に参加していた)、デヴィッド・パトロワ(?)、シモン・タイユー(?)、カール・ジャンスカ(ベスマンとは「Michael Felberbaum/Sweet Salt(06年、別頁あり)」でも共演)によるテンテットとなっているのが、これまで聴いてきたリーダー作とは編成的に異なるところ。これにトランペットとトロンボーンがもう3本ずつ加わればビッグバンドになるけれど、実際の演奏はホーンアンサンブルを効果的に用いながらも、メインとなっているのは各人のアドリブの方で、当然ながらベスマンも音楽監督に徹することなくテンションの高いプレイで聴かせてくれるので、いつもと同じ感覚で楽しむことができる。その楽曲は「Pierre de Bethmann / Go」と同様に4ビートが主体。お得意の変拍子はやっていないけど、その代わりにホーン陣にヴァイブ(マリンバ)も加わったアンサンブルが緻密でカッコいいし、リズム隊も特にジャンスカは単に4ビートのリズムを刻むだけではなく、場面によっては自ら仕掛けていっている感のあるバイタリティー溢れるドラミングをしているのに加えて、曲によりスポットを当てる人を代えながらの各人のアドリブ・プレイにも相当気合が入っているのだから、なんともたまらない。
なんて思いながら聴いていたら、Disc2の方は非4ビートが主体で、3曲目「Volseau」には7/8拍子や4/4+11/16拍子の変拍子も登場と、Disc1とはまた一味違った演奏が堪能できるアルバム構成となっているのも実にいい塩梅。Disc1が38分、Disc2が41分と、トータル約80分の長丁場だけど、どの曲もノリノリで聴いていたらあっという間に終わってしまった。
本作は楽曲(アレンジも含む)、演奏共に申し分がないし、録音も各楽器の音質やバランスが上々なのに加えて、ホーンアンサンブルのふくよかな響きも身体に心地よくて、当然ながらの5つ星。独自の音楽性には更に磨きがかかっているし、ピアノの上手さも相変わらずで、ベスマンの才能を改めて思い知らされた。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)