Matt Brewer / Ganymede

Matt Brewer (B)
Mark Shim (Ts)
Damion Reid (Ds)

Rroduced by Gerry Teekens
Recording Engineer: Michael Marciano
Mixing: Michael Marciano
Mastering: Michael Marciano
Recorded: September 11, 2018
Recorded at systems Two Recording Studios, New York, N.Y.
Rhotography: Jana Dagdagan
Cover Design: Gerry Teekens/Bloemendaal in Vorm
(Criss Cross 1403)

1. Ganymede (M. Brewer) 6:30
2. Don't Wake The Violent Baby (M. Shim) 5:19
3. RJ (R. Carter) 4:24
4. Triton (M. Brewer) 4:26
5. Afro Centric (J. Henderson) 7:19
6. IO (M. Brewer) 6:09
7. Eos (O. Coleman) 3:00
8. Psalm (M. Brewer) 7:17
9. Willisee (D. Redman) 8:50
10. When Sunny Gets Blue (M. Fisher/J. Segal) 6:05

マット・ブルーワーの、「Matt Brewer / Mythology(14年、別頁あり)」「Matt Brewer / Unspoken(16年、別頁あり)」に次ぐ3枚目のリーダー作だけど、またまたメンバーを代えて、本作ではマーク・シム、ダミオン・リードとのトリオ作品となっているのが興味深い。ダークな雰囲気を醸し出した演奏なのはこれまでとも変わらないとして、今回はコード楽器レスということからも想像がつくとおりかなりアグレッシブ。コルトレーンやジョー・ヘンダーソンの流れを汲むシムは、同じトリオ編成で何枚もアルバムをリリースしているJDアレン(「JD Allen / Americana: Musings on Jazz and Blues(16年)」等別頁あり)あたりに刺激を受けたのか、自分のリーダー作以上にダイナミックに吹きまくっているし、それに輪をかけてリードが手数の多いドラミングで容赦なく攻めまくっているのだからなんともたまらない。またブルーワーも2人のパワーに負けじと力感たっぷりに弾いていて(数曲でのソロも非常に聴き応えがある)、サイド参加のときと比較すると遠慮ぎみに感じられた前2作品でのプレイはいったいなんだったのかと思ってしまうほどに魅力的なベースで楽しませてくれる。4ビートと非4ビート曲をバランスよく配した楽曲は、オリジナルの中にロン・カーター、ジョーヘン、オーネット・コールマン、デューイ・レッドマンの曲が混じっているけれど、全部が自作曲かのように統一感は見事に取れているし、ダークな曲調が続いた後のラスト曲に歌ものの「When Sunny Gets Blue」を持ってきているのも実にいい塩梅。3人が真剣勝負していながらも、トリオとしての調和も取れた演奏には終始聴き惚れてしまった。
ということでブルーワーのアルバムの中では本作が一番好き。ただ単に演奏が良いだけではなく、録音も流石にマイケル・マルシアーノだけあって各楽器の音質、バランス共に申し分がないので、これは5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Ganymede
Matt Brewer
Criss Cross
2019-02-15