Andrew Rathbun / Character Study

Andrew Rathbun (Ts)
Tim Hagans (Tp)
Gary Versace (P)
Jay Anderson (B)
Bill Stewart (Ds)

Recorded December 2017
Recording Engineer: Chris Sulit
Mix & Mastering: Nils Winther
Photos: Dominick Gladstone, Nils Winther
Produced by Nils Winther
(SteepleChase SCCD 31862)

1. The Golden Fool (Andrew Rathbun) 6:09
2. Team of Rivals (Andrew Rathbun) 6:49
3. Alphabet Deaf and Forever Blind (Andrew Rathbun) 8:49
4. His Quiet Determination (Andrew Rathbun) 7:09
5. Etcetera (Wayne Shorter) 7:10
6. The Long Awakening (Andrew Rathbun) 9:28
7. Character Study (Andrew Rathbun) 6:41
8. Turmoil (Andrew Rathbun) 9:05

バックのメンバー買い。リーダーのアンドリュー・ラスバン(カナダ出身、オフィシャルサイトあり)を聴くのはこれが初めてと思っていたけれど、自ブログで検索したら「Taylor Haskins/Metaview(04年、別頁あり)」に参加しているのが見つかった。その記事には「特に6曲目でのコルトレーンばりのアグレッシブなプレイにはなかなか感心する」と書いてあるけれど、本作においてもコルトレーンというよりはマイケル・ブレッカー的なプレイで、1曲目「The Golden Fool」(アップテンポの4ビート)からガツンといっているのが私好み。この曲ではベースとピアノを部分的に休みにして、フロントとドラムのアグレッシブさを前面に打ち出しているのに加えて、ダークでモーダルな楽曲自体がカッコよくて、早くも買ってよかったという気にさせてくれる。また非4ビートの2曲目「Team of Rivals」や3曲目「Alphabet Deaf and Forever Blind」も、バラード調の比較的穏やかな演奏ではあるけれど、アドリブからはダイナミックに盛り上がっているし、都会的なクールさが感じられるラスバンのテナーともよくマッチ。この2曲ではフロントの二人や有機的なビートを送り続けているビルスチュだけではなく、普段はオルガンの印象が強いゲイリー・ヴェルサーチのアコピや、ジェイ・アンダーソンの上手さもキラリと光っているね。正真正銘のバラード曲の4曲目「His Quiet Determination」は、ブレッカー的なフレーズを随所に散りばめながらのラスバンのプレイが印象的。ショーター曲の5曲目「Etcetera」は原曲の記憶がないけれど、1曲目と同様のハードな演奏(フリーな展開となっている場面もあり)で、こっち系が大好きな私をのめり込ませてくれる。残りの曲は割愛するけれど、マイルス的なイメージが強いティム・ヘイゲンズが、曲調に応じてエネルギッシュなプレイをしているのも特筆ものだし、曲によってはビルスチュがスネアのスナッピーをオフにして叩いているのも、ジャック・ディジョネットを意識しているようでニンマリしてしまう。
どの曲をとってもこのメンバーならではの演奏が堪能できるし、本作は録音も近年のSteepleChaseと同様そこそこ立体感のある音で録れていて、各楽器の音質やバランス共々良好。これでもう1曲ぐらいハードな曲が入っていれば5つ星にしていたかもしれない。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Character Study
Andrew Rathbun
Steeple Chase
2018-11-16