Aaron Goldberg / At the Edge of the World

Aaron Goldberg (P)
Matt Penman (B)
Leon Parker (Ds, Vocal-Per, EmbodiRhythm)

Recorded by Mike Marsiano at Systems Two, Brooklyn NY, September 16th & 21st, 2016
Mixed by Chris Allen at Scar Sound, NYC, February 13th and March 9th, 2017
Mastered by Nate Wood, August 19th, 2017 and March 20th, 2018
Artwork & Design by Brandon Mendez / 120db Photography
Cover, Inside & Film Strip Series Photos by Alejandra Barragan
Trio Photo by alessandra Freguja
(Sunnyside SSC 1521)

1. Poinciana (Nat Simon, Buddy Bernier) 5:47
2. Luaty (Aaron Goldberg) 4:50
3. Isn't This My Sound Around Me (Bobby Hutcherson) 5:20
4. When You are Near (Bobby Hutcherson) 8:22
5. Effendi (McCoy Tyner) 5:25
6. En La Orilla Del Mundo (Martin Rojas) 4:26
7. Black Orpheus (Manha de Carnabal) (Luiz Bonfa, Antonio Maria) 5:34
8. Tokyo Dream (Aaron Goldberg) 6:15

アーロン・ゴールドバーグのリーダーアルバムを買うのは「Aaron Goldberg / The Now(14年、別頁あり)」以来。その間にも「Klemens Marktl Sextet / December(16年)」「Yotam Silberstein / The Village(16年)」「Bob Reynolds / Hindsight(17年)」「The Maguire Twins / Seeking Higher Ground(18年)」(各別頁あり)で聴いているので久しぶといった感じはしないのだが、今回はルーベン・ロジャース、エリック・ハーランドに代わり、マット・ペンマン、レオン・パーカーとのトリオ作品となっているのが興味深いところ。ペンマンは10年ぶりのリーダー作「Matt Penman / Good Question(18年、別頁あり)」はもちろん、一昨日聴いたばかりの「Antonio Sanchez & Migration / Lines in the Sand(18年、別頁あり)」でも珍しくエレベをメインに素晴らしいプレイをしていたし、ここ何年か音沙汰がなかったパーカーも、「The Humanity Quartet / Humanity(18年、別頁あり)」では相変わらずの個性的なプレイで楽しませてくれたので期待に胸が膨らむのだが、実際の演奏もロジャース、ハーランド組とはまた一味違った、ゴールドバーグの引き立て役に回っている感のある幾分控えめなプレイながらも、それぞれの持ち味は存分に発揮されていて実にいい塩梅。1曲目ではパーカーがドラムの代わりにハンドクラッピングやヴォイスパーカッションをやっているけれど、これもまたラテンタッチなアレンジの「Poinciana」にバッチリ嵌っていて、最高の雰囲気で楽しませてくれるし、ペンマンも多くの曲でソロをとっていて、特にバラードの4曲目では「こういうソロも弾ける人なんだな」と感心するほどに歌心のあるプレイで魅了させられる。もちろんゴールドバーグも、どの曲をとっても一音一音が非常に生き生きとしていて、どれだけ速いフレーズを弾いていても決して破綻することのない魅力的なピアノで聴かせてくれるのだから流石としかいいようがない。トリオとしての3人の相性はバッチリだし、選曲やアレンジのセンスの良さに加えて、動と静のバランスも良好なおかげで、トータル46分があっという間に感じられるほどに素敵な演奏を堪能できた。
ロジャース、ハーランド組との諸作品も良かったけれど、本作もゴールドバーグにしては比較的オーソドックスではあるものの、メンバーを代えたことと選曲の妙が相まって、新鮮な気持ちで楽しむことができた。録音もマイク・マルシアーノだけあって、各楽器が温かみがありながらもいい意味でクリアーだし、バランスも完璧で、オーディオ的にも満足させてくれるので、これはオマケして5つ星にしておこう。他のコンテンポラリーなピアニストとは異なり、アコピだけで勝負しているのも素晴らしい。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)