Christian Sands / Facing Dragons

Christian Sands (P, Fender Rhodes on 1, 2, 5, 8, 9, Hammond B3 on 5, Keys on 7)
Caio Afiune (G)2, 4, 5, 7, 8
Keyon Harrold (Tp)2, 6
Jerome Jennings (Ds)
Yasushi Nakamura (B)
Roberto Quintero (Cumaco, Clarin, Laures, Maracas)4
Cristian Rivera (Per)4, 5, 8
Marcus Strickland (Ts)2, 6

Producers: Christian Sands and Al Pryor
Executive Producer: Gretchen Valade
VP. Creative Services + Production: Maria Ehrenreich
Sr. Director of A&R: Will Wakefield
Product Manager: Shannon Moore
Recorded at Sear Sound, New York, NY
Recording Engineer: Todd Mulholland
Mixed at ValveTone Studios, New York, NY
Mixing Engineer: Todd Whitelock
Assistant Engineers: John Muller and Teng Chen
Mastered at Battery Mastering Studios, New York, NY
Mastering Engineer: Mark Wilder
Photography: Anna Webber
Creative Direction + Design: Raj Naik
Management: Jan Mullen
Booking: The Kurland Agency
(Mack Avenue MAC 1143)

1. Rebel Music 6:11
2. Fight for Freedom 7:17
3. Yesterday 7:22
4. Sangueo Soul 8:26
5. Sunday Mornings 7:29
6. Frankenstein 8:43
7. Her Song 7:11
8. Samba De Vela 5:40
9. Rhodes to Meditation 4:01
All songs written and arranged by Christian Sands
except "Yesterday" written by John Lennon and Paul McCartney

クリスチャン・サンズのリーダー作を買うのは、「Christian Sands/Risin'(08年、別頁あり)」「Christian Sands / Reach(17年、別頁あり)」に次いで3枚目(「Sands, Fonnesbaek, Riel / Take One(15年、別頁あり)」も入れると4枚目)だけど、本作では前作にも参加していた中村恭士、クリスチャン・リベラ、マーカス・ストリックランドの他は、キーヨン・ハロルド以外は知らない人達と共演しているのが興味深い。そのうちのロベルト・クインテーロは、自ブログで検索したら「Steve Khan/The Green Field(05年、別頁あり)」に参加しているのが見つかった。演奏はパーカッション入りの曲が3曲あることや、サンズがアコピと同時にエレピを弾いている場面もあったりして、これまでのアコースティックな路線とは少々異なるものの、16ビート系がメインの中にもきちんと4ビートを取り入れているし、サンズのバップテイストにハンコック、コリア、タイナー的なものを加味したピアノの奏法自体も変わらないので、違和感を感じることはない。どの曲をとってもサンズの自信に満ち溢れたプレイが堪能できるし、リズム隊の中村、ジェローム・ジェニングスとの相性もバッチリ。このトリオだけでも十分に楽しめるというのに、曲によって入れ代わり立ち代わりの他のメンバーも、それぞれが曲調によくマッチした魅力的なプレイで聴かせてくれるものだから(カイオ・アフィーネのギターやジェニングスのサイドスネアはサウンド上のいいアクセントにもなっている)、なんともたまらない。ラテン等のいろんな音楽要素を取り込んでいながらも、ごった煮的な印象は全く受けないことも相まって、どの曲も「いいぞ、いいぞ」と思いながら聴いていたら、トータル62分があっという間に終わってしまった。しいていうならジェニングスのドラミングが、今どきの凄腕ドラマーと比較するとありきたりな感じがするけれど、この普通さのおかげでサンズの上手さが際立っているので、彼の起用も正解だろう。
クリスチャン・マクブライドのトリオのときとは音楽的なアプローチを変えている演奏に特に不満は見当たらないし、本作は録音も各楽器が温かみを伴ったガッチリとした音質で録れていて好感が持てる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Facing Dragons
Christian Sands
Mack Avenue
2018-09-21