Fred Hersch Trio / Live in Europe

Fred Hersch (P)
John Hebert (B)
Eric McPherson (Ds)

Produced by Fred Hersch
Recorded at Flagey Studio 4, Belgium, November 24th, 2017
Recorded by Stef Lenaerts for MotorMusic
Mixed by Rick Kwan, Willamsburg, NYC
Mastered by Mark Wilder, Battery Studios, NYC
Fred Hersch plays the Steinway Piano
Graphic Design by Christopher Drukker
Photo by John Abbott
(Palmetto Records PM2192)

1. We See (Thelonious Monk) 5:51
2. Snape Maltings (Fred Hersch) 7:24
3. Scuttlers (Fred Hersch) 2:39
4. Skipping (Fred Hersch) 4:49
5. Bristol Fog (for John Taylor) (Fred Hersch) 8:26
6. Newklypso (for Sonny Rollins) (Fred Hersch) 8:40
7. The Big Easy (for Tom Piazza) (Fred Hersch) 6:56
8. Miyako (Wayne Shorter) 7:10
9. Black Nile (Wayne Shorter) 6:44
10. Blue Monk (Solo Encore) (Thelonious Monk) 5:17

ジョン・エイベア、エリック・マクファーソンがレギュラーメンバーの近年のフレッド・ハーシュ・トリオのアルバムを買うのは、「Fred Hersch Trio / Floating(14年、別頁あり)」「The Fred Hersch Trio / Sunday Night at the Vanguard(16年、別頁あり)」に次いで3枚目だけど、本作も「Sunday Night at the Vanguard」と同様のライブ盤だけあって、ハーシュだけではなくリズム隊の2人もバイタリティ溢れるプレイをしているし、トリオとしての演奏にも濃密さが増していて実にいい塩梅。1曲目「We See」はただでさえ良い楽曲が、センスのいいアレンジと現代性が感じられる演奏でますますカッコいいことになっているし、フリー調の2曲目「Snape Maltings」や3曲目「Scuttlers」もどこまで譜面に書かれているのかは分からないけれど、3人が一糸乱れぬプレイ(阿吽の呼吸という表現がピッタリ)をしていて、流石に長年同じメンバーでやっているだけのことはある。4曲目「Skipping」もリズミカルな楽曲が私好みだし(ハーシュの右手と左手の同時進行が特徴的)、for John Taylorとなっている5曲目「Bristol Fog」も、テイラーのイメージとはちょっと違うけどエヴァンス的な演奏で聴かせてくれるし、for Sonny Rollinsの6曲目「Newklypso」も、タイトルどおりの現代調のカリプソ演奏に動いた体が止まらなくなってしまうし(長めのドラムソロも素敵)、その後にも大好きなショーターやモンクの楽曲が続いているものだから完全にやられてしまった。
選曲と演奏には文句のつけようがないし、録音もまた格別で、クリアーながらも温かみが感じられる各楽器が立体感を伴いながらスピーカーの前にせり出してきて、オーディオ的にも満足させてくれるので、本作は5つ星にしておこう。今まで聴いてきたハーシュのアルバムの中では、これが一番気に入った。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


LIVE IN EUROPE
FRED HERSCH
PALME
2018-05-25