Bill O'Connell / Jazz Latin

Bill O'Connell (P, Rhodes on tracks 3 & 6)
Lincoln Goines (El-B)
Robby Ameen (Ds)
featuring:
Randy Brecker (Flh) track 5
Craig Handy (Ts) track 3
Conrad Herwig (Tb) track 8
Andrea Brachfeld (Fl) track 6
Dan Carillo (G) tracks 5 & 9

Produced by Bill O'Connell
Executive producer: Barney Fields
Engineered and mixed by Chris Sulit
Recorded at Trading 8s Music, January 10, 2018, Paramus, NJ
Mastered by David Darlington at Bass Hit Studios, New York, NY
Photography: Chris Sulit (back), Phil Maturano (O'Connell)
Graphic design: Christopher Drukker
(Savant Records SCD 2172)

1. Obama Samba (B. O'Connell) 5:21
2. Just One of Those Things (C. Porter) 8:08
3. It's OK (B. O'Connell) 5:01
4. Footprints (W. Shorter) 7:34
5. Goodbye My Friend (B. O'Connell) 7:03
6. Quicksand (B. O'Connell) 6:25
7. Tip Toes (B. O'Connell) 5:53
8. Puttin' on the Ritz (I. Berlin) 5:26
9. Mom's Song (B. O'Connell) 3:44
10. Zingaro (A. C. Jobim) 6:26
11. What is This (B. O'Connell) 2:05

ビル・オコンネルのリーダー作を買うのは、「Bill O'Connell / Triple Play Plus Three(11年、別頁あり)」「Bill O'Connell + The Latin Jazz All-Stars / Zocalo(13年、別頁あり)」に次いで3枚目。メンバーのリンカーン・ゴーインズとはこれが初共演と思いきや、自ブログで検索したら「Bill Connors/Return(05年、別頁あり)」に一緒に参加しているのが見つかった。ロビー・アミーンとオンコンネルは、「Dave Valentin/Come Fly With Me(06年)」「Dave Valentin / Pure Imagination(11年)」「Conrad Herwig/The Latin Side of Herbie Hancock(10年)」「Conrad Herwig / The Latin Side of Joe Henderson(14年)」(各別頁あり)等、多くのアルバムで共演している間柄だけど、流石に2人とも音楽の指向性が同じラテンジャズ系だけあって、本作でのコンビネーションも実にいい塩梅。またゴーインズも、普段はマイク・スターンと一緒にやっていることが多いけど、アミーンの「Robby Ameen/Days in the Life(09年、別頁あり)」に参加しているだけあって、このようなプレイもお手のもの。この3人だけでもノリノリな演奏が堪能できるというのに、アルバムの中盤からはランディ・ブレッカー、クレイグ・ハンディ、コンラッド・ハーウィグ、アンドレア・ブラッチフェルド、ダン・カリロも入れ代わり立ち代わりの参加で、これまた曲調にバッチリ嵌ったプレイで楽しませてくれる。楽曲的にもオコンネルのオリジナルはどれもが自然な曲作りとなっているのが素敵だし、大好きなショーター曲「Footprints」(4曲目)を取り上げているのも嬉しい限り。ポーターの「Just One of Those Things」(2曲目)なんかもアレンジが実にいいね。オコンネルは元来がジャズ寄りのラテンジャズを得意としていて(アルバムタイトルにもなっている「Jazz Ratin」という表現がピッタリ)、その「Just One of Those Things」や「Zingaro」(10曲目)等では4ビート展開にもなっているけれど、こういうビートであってもアミーンがきちんと対応できているのは特筆もの。ラテンジャズ系では、オラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデスがあらゆるリズムに対応できるドラマーの代表格だけど、ここでのアミーンもスピード感を含めて遜色ないドラミングをしていて、その上手さには惚れ惚れしてしまった。けっこう手数多く叩きまくっているわりには、一人だけ浮いた感じは一切しないのも流石だね。ワタシ的にはアミーンのプレイを聴いているだけでも幸せな気分になってしまうというのに、ゴーインズのアンソニー・ジャクソン的なボトムをガッチリとキープしているベースもソロを含めて素敵だし、なによりもオコンネルのリズミカルなプレイが非常に魅力的なおかげて、近年のラテンジャズ系のアルバムとしては最高にいい感じで楽しむことができた。
ということで本作は文句なしの5つ星。演奏が良いのに加えて、録音も各楽器に温かみがありながらも実在感があって、そのバランス共々上々だ。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


JAZZ LATIN
BILL O CONNELL
SAVAT
2018-04-27