Enrico Pieranunzi / Monsieur Claude

Enrico Pieranunzi (P)
Andre Ceccarelli (Ds)
Diego Imbert (B)
featuring:
David El Malek (Sax) on#1, 3, 6, 9
Simona Severini (Vo) on#4, 5, 8, 11

Recorded at Studio de Meudon, Meudon, France by Julien Basseres, January 14 & 15, 2018
Mixed and Mastered by Stefano Amerio, at Artesuono, Cavalicco, Italy, January 26 & 27, 2018
Artistic direction and arrangements by Enrico Pieranunzi
Produced & Graphic Design by Pierre Darmon for Bonsai Music
Cover image by Emilano Ponzi
(Bonsai Music BON180301)

1. Bluemantique (d'apres Valse Romantique de Claude Debussy) 5:30
2. Passepied nouveau (d'apres Passepied de Claude Debussy) 4:51
3. L'autre ballade (d'apres Ballade de Claude Debyssy) 5:26
4. Romance (Paul Bourget / Claude Debussy) 5:02
5. Reverie (Claude Debussy / arrangement Enrico Pieranunzi) 7:45
6. Cheveux (d'apres La fille aux cheveux de lin de Claude Debussy) 5:11
7. Blues for Claude (Enrico Pieranunzi) 4:28
8. Nuit d'etoiles (Theodore de Banville / Claude Debussy) 8:11
9. Mr. Golliwogg (d'apres Golliwogg's Cake-Walk de Claude Debussy)5:35
10. My Travel with Claude (Enrico Pieranunzi) 2:04
11. L'adieu (Guillaume Apollinaire / Enrico Pieranunzi) 6:38
All compositions by Enrico Pieranunzi except 4, 5, 8. Published by Bonsai Booking & Management. 

今年で没後100年のドビュッシーの曲で知っているのは「月の光」や「牧神の午後への前奏曲」ぐらいで、しかもそれらの曲も冨田勲やデオダートのアルバムで馴染みがあるぐらいなのだが、クラシック曲のジャズ化が嫌いというわけでは決してないので、同じくドビュッシーやバッハ、シューマン等が題材だった「Pieranunzi・Ceccarelli・Imbert / Ménage à Trois(17年、別頁あり)」に引き続き、本作もどんな感じかなと思って買ってみた。その演奏は原曲を知らない分、普通のジャズ感覚で楽しめるのがむしろいい感じではあるのだが、エンリコ・ピエラヌンツィ、アンドレ・チェカレリ、ディエゴ・インベルトのトリオ演奏は見事としか言いようがないものの、4曲に参加しているデヴィッド・エル・マレク(聴くのは「David El-Malek/Music From Source(08年、別頁あり)」以来)のテナーは、1曲目「Bluemantique」での変にクラシックを意識しているように感じられる線の細い吹き方がイマイチ肌に合わないし、別の曲の4曲に参加のシモーナ・セヴェリーニのヴォーカルも、アルバムとしてのいいアクセントにはなっているものの、ピアノトリオだけでもここまでいい感じで聴かせてくれるのだから、わざわざ入れる必要はなかったのではと思う。でもより原曲のイメージに近づけるためには、特に4曲目「Romance」のようなヴォーカルとピアノのデュオは外せなかったと思うので、これでよしとしよう。なんて思いながら聴いていたら、そのヴォーカル入りの5曲目ではよく知っているメロディーが登場。それがドビュッシーの曲だというのは以前から認識していたものの、「夢(夢想)」というタイトルの曲だったのは「Reverie」で検索して初めて知ったし、続く6曲目「Cheveux」も邦題は超有名な「亜麻色の髪の乙女」ということで、こうしてみると曲名を覚えていないだけで、ドビュッシーの曲は結構知っていることが分かった次第。演奏は非4ビートと4ビート曲がバランスよく配列されていて、原曲によくマッチしたアレンジが施されているし、クラシックが題材だからといって過度に静的な演奏にもなっていないおかげで、最後まで退屈せずに楽しむことができるのだが(ドビュッシーの曲がモチーフのように登場するピエラヌンツィのソロピアノによるオリジナルの10曲目「My Travel with」もいい感じ)、できればチェカレリのドラムソロもアップテンポの曲等に入っていれば更によかったと思う。それとどうせやるのだったら「月の光」と「牧神の午後への前奏曲」も是非取り上げてほしかった。
本作はドビュッシーの曲を知っていても知らなくても楽しめるし、録音も各楽器が少々上品ながらもそれなりにリアルに録れていて上々だ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Monsieur Claude - a..
Enrico Pieranunzi
Bonsai
2018-03-05