Roger Kellaway Trio / New Jazz Standards Vol 3

Roger Kellaway (P)
Jay Leonhart (B)
Peter Erskine (Ds)
Buster Williams (B)13
Santo Sabino (Ds)13

Recorded at the Hideaway, Los Angeles CA
Engineer: Eric Astor
Recording dates were Feb 20 & 21, 2017

1. Prudence 3:41
2. Dees Blues 6:36
3. Calming Notion 8:03
4. Noodlin' 6:02
5. Short & Sweet 5:04
6. Waling on Air 5:50
7. Is That Asking too Much' 4:35
8. Valtzing 5:08
9. Sweetness 7:00
10. Hurry Up & Wait 6:09
11. A Verse 6:22
12. Minor Infraction 4:56
13. Forever Again 5:08
All Compositions by Carl Saunders

ロジャー・ケラウェイは所有している何かのレーザーディスクで昔観たときの印象がよくなくて、それ以降も興味の対象にはなっていなかったのだが、本作はドラムが大好きなピーター・アースキンなのですぐに飛びついた。アルバムタイトルが「New Jazz Standards Vol 3」ということは、Vol.1やVol.2にもアースキンが参加していたのかな。だとすると買わなかったことが悔やまれるのだが、おそらく演奏自体はそんなに変わらないと思うので、これ1枚で十分だろう。その演奏はレーザーで観たときと同様に、気持ちが高じてくるとテラテラと手癖で速弾きしているように感じられるのと、1曲目でのそういう場面では若干のミスタッチも気になるものの、毛嫌いするというほどのものではなく、むしろ西海岸特有の明るい演奏を堪能できていい塩梅。レーザー時代(30年ぐらい前)はケラウェイの源流ともいえるオスカー・ピーターソンでさえほとんど聴かない(先鋭的なジャズ以外は好まなかった)ほどに尖がっていたけれど、今はヴォーカル以外は何でも聴くのでこういうのも全然オーケー。カール・サンダースの楽曲もどれもが好感触だしね。ただしケラウェイや、時には口ずさんだりもしながらバイタリティーに富んだベースを弾いているジェイ・レオンハートはいいとして、お目当てだったアースキンがドラムソロ入りの4曲目や6曲目以外は、誰が叩いているのか分からないほどドラミングが没個性なのは気になるところ。もしかするとケラウェイとの音楽性の違いでこうせざるを得なかったのかもしれないけれど、ピーターソン系のピアノトリオを意識しすぎたのかジェフ・ハミルトン化している場面もあるので、できれば他のアルバムと同様にいかにもアースキンらしい職人技とセンスのよさで魅了させてほしかった。それにはドラムの音も関係していて、録音自体は明るめながらも深みが感じられるピアノやガッチリとした音像のベースに、ドラムがちょうどいいバランスで絡み合っているし、立体感のある各楽器の音像がスピーカーの前面に浮かび上がるのも私好みではあるけれど、シンバルにはいつものアースキンの繊細さが感じられないし、タイコの音も全体的にベタッとしていて、現在エンドーサーとなっているTAMAとも、その前に使っていたdwとも異なった音で録れているのが、別人が叩いているように感じられる要因にもなっている。これがアースキンらしい音で録れていればドラミングの印象もまた変わったと思うけど、いずれにしてもその点を除いてはそれなりにいい感じのトリオ演奏を楽しむことができたし、ケラウェイに対する苦手意識もなくなった。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


NEW JAZZ STANDARDS, VOL. 3
ROGER KELLAWAY TRIO WITH JAY LEONHART AND PETER ERSKINE
SUMMIT RECORDS
2018-03-09