Lewis Porter / Beauty & Mystery

Lewis Porter (P)
John Patitucci (Ac-B)
Terri Lyne Carrington (Ds)
Tia Fuller (Sax)2, 6

Recorded Sept. 25, 2017 by Mike Marciano at Systems Two, Brooklyn, NY
Mixing and mastering by Jeremy Loucas, NY
Produced by Dimitri Loringett, co-produced by Lewis Porter
Altrisuoni Sagl AS348

1. Prologue 3:28
2. Birthplace 10:21
3. Bye Bye Blackbird (R. Hencerson, M. Dixon) 8:18
4. People Get Ready (Curtis Mayfield) 7:26
5. Blues for Trane and McCoy 9:46
6. 1919 (Ted Chubb) 7:43
7. Chasing Lines 7:40
8. Dazzling Raga 4:17
9. From Giovanni to Jimmy 5:53
10. Day is Done 5:48
Compositions by Lewis Porter, exept 3,4 and 6 which are arranged by Porter

バックのメンバー(ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン、ティア・フラー)買い。リーダーのルイス・ポーター(1951年生まれ)を聴くのはこれが初めて。Wikipediaによると、ジャズピアニストとしての活動の他に、音楽学者、教育者、作家(「ジョン・コルトレーン:彼の人生と音楽」等の著者)でもあるようだ。ジャズ以外の音楽も研究しているとみえて、ソロピアノでの1曲目なんかはクラシカルな演奏となっているけれど、2曲目はマッコイ・タイナー的なモーダルなコンピングが魅力的だし(アドリブはハンコック的なところもあり)、スタンダードの3曲目もオーソドックスな音使いには終わっていないのと(この曲でもモーダル臭が感じられる)、けっこう速弾きもしていたりして、グイグイと演奏にのめり込ませてくれるのが流石に教育者だけのことはある。それにはパティトゥッチとキャリントンのダイナミックなプレイも大いに関係しているのだが、特にキャリントンは本気モードで攻めているので(意識して叩いているのか、場面によってはディジョネットに似ていたりもする)、もうそれだけでも嬉しくなってしまう。また最近はウッドでのプレイに物足りなさを感じていたパティトゥッチも、ここでは本来の持ち味である鉄壁なタイム感で力強いベースを弾いているのが素敵だね。トリオでの演奏をメインに、2曲にはフラーもソプラノとアルトで加わっているけれど、これまたなかなか聴き応えのあるプレイをしていて、メンバー全員が実力をフルに発揮しているおかげで、どの曲をとってもノリノリで楽しむことができる。全曲が4ビートながらも、ゆったりとした曲の後には激しい曲とかのテンポ的な構成力にも長けているし、けっこう我の強いアドリブを取っているわりには嫌らしさやくどさは一切感じさせなかったりして、この辺も聴かせる術をよく知っている教育者の成せる業なのだろう。
演奏は想像していた以上に良いし、録音もエンジニアがマイク・マルシアーノだけあって、温かみがありながらも芯のガッチリした各楽器の音像が、ピアノトリオとしての理想的なバランスで録れていて、本作は買って大正解。予算の関係で追うことはできないけれど、ポーターの過去のリーダー作はどうなのか、そちらの方にも興味が湧いてきた。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Beauty & Mystery
Lewis Porter
Altrisuoni Sagl (swi
2018-02-21