Laurent Coq / Kinship

Laurent Coq (P)
Joshua Crumbly (B)
Johnathan Blake (Ds)
Rec. November 1, 2016, NY
(Jazz&People JPCD17004)

前作「Laurent Coq, Walter Smith III / The Lafayette Suite(15年、別頁あり)」もなかなか良かったローラン・コックだが、本作ではジョナサン・ブレイクと共演しているのだから、これまた大いにそそられる。ベースのジョシュア・クランブリーは「Terence Blanchard / Magnetic(13年、別頁あり)」でしか聴いたことがないけれど、シリアスなジャズにバッチリ嵌ったプレイをしていたので、同じくシリアス路線のコック、ブレイクとで、いい感じのトリオ演奏を堪能できるのは間違いないだろう。

Sandro Zerafaの「Light」、ウォルター・スミスIIIの「Momentum」、ブルース・バースの「Honest」、Guilhem Flouzatの「Pleasure」、マーク・ターナーの「Mystery」、Laurence Allisonの「Life」、ミゲル・ゼノンの「Organized」、Ralph Lavitalの「Sincerity」、Jerome Sabbaghの「Flow」、ダミオン・リードの「Radiation」、Guilermo Kleinの「Trip」で全11曲。
現代ジャズを好んで聴いている私でさえどんな曲だったのか記憶にないマニアックな選曲だけど、曲の雰囲気に統一感があるということは、それだけ自分たちのものとしてきちんと料理しているということなのだろう。非4ビートがメインの演奏の中、コックのモーダル感を漂わせながらのピアノがまずカッコいいのだが、それ以上に素敵なのがブレイクで、コックの出方を先読みしながら有機的なインタープレイをしているのだから、同じくピアノトリオ作品の近作としては「Kenny Barron Trio / Book of Intuition(16年、別頁あり)」でのプレイも相当良かったけれど、ここでの十分に自己主張していながらも決してうるささは感じさせないドラミングにはついつい聴き惚れてしまう。また二人の間を取り持ってガッチリと土台を支えているクレンブリーも、骨太なソロも含めて実にいい塩梅。どの曲も「いいぞ、いいぞ」と思いながら聴いていたらトータル49分があっという間に終わってしまったのだが、聴き終わった後の充実感がイマイチなのは、曲調を統一したことが裏目に出て、似たような曲が続いてしまっているように感じられることと、ブレイクがドラムソロを取っている曲が少な目だから。でもこの二点を除いては私の好みにバッチリだし(特に4ビート基調の2曲目「Momentum」と6曲目「Life」は最高に気に入った)、現代のピアノトリオとしてもかなりいい線いっていて、本作を今年の初聴きをして正解だった。サウンド的にはブレイクのサイドスネアがいいアクセント。録音もスピーカーの前面に浮かび上がる各楽器には実在感とエネルギーが感じられて、さすがにエンジニアが内藤克彦だけのことはある。真摯に音楽に取り組んでいるコックには今後も期待できそうだ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Kinship
Laurent -Trio- Coq
Jazz & People
2017-09-14