Gary Peacock Trio / Tangents

Marc Copland (P)
Gary Peacock (B)
Joey Baron (Ds)
Rec. May 2016, Auditorio Stelio Molo RSI, Lugano, Switzerland
(ECM 2533)

前作「Gary Peacock Trio / Now This(15年、別頁あり)」と同一メンバー(マーク・コープランド、ジョーイ・バロン)によるゲイリー・ピーコックの新作だけど、今回はスタジオではなく、スイスのAuditorio Stelio Molo RSIというコンサートホールでレコーディングされているのが興味深い。おそらくライブ盤ではなく、このホールの響きが気に入ってのレコーディングだと思うけど、はたしてどのような音で録れているのか、演奏と同様に楽しみだ。

ピーコック曲が5曲、コープランド曲が1曲、バロン曲が2曲、3人の共作が1曲、Alex Northの「Spartacus」、マイルスの「Blue In Green」で全11曲。
ピーコックのベースを中心として、3人が対話をしているような感じの、即興的な要素が強い演奏が展開されている。ほとんどの曲は楽譜に簡単なモチーフしか書かれていないと思われるのだが、そんな中での各人がお互いの音に反応し合いながらの緊張感のあるプレイが素晴らしい。ただし1曲の演奏時間が短めなのは気になるところ。半即興的な演奏の場合はこれ以上のことはやりようがないのかもしれないけれど、こちらが曲に入り込む前に終わってしまうような曲もあったりするので、できればもっと長く演奏してほしかった。それと静的な曲が多いのも、聴く前から予想していたとはいえ、「Gary Peacock Trio / Now This」の方はもう少し動的だったような気がするので、どうかなと思う。同じ静的な演奏であっても、既成曲の5曲目「Spartacus」や7曲目「Blue In Green」の方がよりよく感じるので、できればこういうちゃんとした曲をもう何曲か増やして、その分半即興曲を減らしてほしかった。
とあまりいいことは書いてないけど、録音(エンジニアはStefano Amerio)に関しては各楽器が自然な音で録れていて、なおかつドラムスにはコンサートホール特有の残響音も伴っているのが素敵だね。ピーコックのベースも非常に鮮明に録れていて、私としてはこの音の良さ(他のECM作品とも一味違う)だけでも満足してしまった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Tangents
Gary -Trio- Peacock
Ecm Records
2017-09-08