Cyrus Chestnut / There's a Sweet, Sweet Spirit

Cyrus Chestnut (P)
Buster Williams (B)
Lenny White (Ds)
Steve Nelson (Vib)1, 4, 8
Charlotte Small, Keesha Gumbs, Djore Nance (Vo)7
Rec. February 27, 2017, NY
(HithNote Rocords HCD7304)

なかなか良かった前作「Cyrus Chestnut / Natural Essence(16年、別頁あり)」と同様、リズム隊がバスター・ウィリアムスとレニー・ホワイトだし、曲によってはスティーヴ・ネルソンも参加しているので、本作にはすぐに飛びついたのだが、タイトルが「There's a Sweet, Sweet Spirit」となっているのは気になることろ。でもクレジットを見てみたら10曲目の曲名であって、全体的に甘口の演奏をしているといったわけではないので、アルバムの当たり外れが多いサイラス・チェスナットではあるけれど、たぶん大丈夫だと思う。

チェスナット曲が1曲、ウィリアムス曲が1曲、ボビー・ハッチャーソンの「The Littlest One of All」「Little B's Poem」、ショパンの「Chopin Prelude」、マイルスの「Nardis」、スタイリスティックスの「You Make Me Feel Brand New」、R. Raingerの「Easy Living」、モンクの「Rhythm-A-Ning」、Doris Akersの「Thre's a Sweet, Sweet Spirit」で全10曲。
肩ひじ張らないリラックスした演奏が堪能できるのは前作とも変わらない。トリオだけではなく、ハッチャーソン曲の1曲目「The Littlest One of All」や4曲目「Little B's Poem」、スタンダードの8曲目「Easy Living」に参加しているネルソンも非常にいい雰囲気を醸し出しているし、ソウルフルなヴォーカル(コーラス)入りの7曲目「You Make Me Feel Brand New」も昔よく聴いた大好きな曲なだけに、もうこの曲を取り上げているだけでも嬉しくなってしまう。また3曲目「Nardis」と9曲目「Rhythm-A-Ning」のアレンジも良好だね。特に「Nardis」は途中からチェスナットが、奏法的にもこの曲のイメージが強いエヴァンスではなく、マッコイ・タイナーのように弾いているのだからなんともたまらない。クラシカルな2曲目「Chopin Prelude」なんかもトリオとして小洒落た演奏となっているし、ソロピアノによる5曲目「Christine」(ウィリアムス曲)や10曲目「Thre's a Sweet, Sweet Spirit」も素敵だし、ボッサ(サンバかな?)調の7曲目「CDC」(チェスナット曲)やアップテンポの9曲目「Rhythm-A-Ning」にはホワイトのソロが用意されているのも嬉しい限り。トリオ(曲によってはカルテット)としては予定調和な演奏ではあるけれど、そのおかげでどの曲を取っても安心して楽しむことができる。
演奏に特に不満はないし(選曲も実にいい)、録音も流石にエンジニアがマイク・マルシアーノ(ミックスとマスターは内藤克彦)だけあって、各楽器が温かみのある音で録れているしバランスも良好で、これは買って大正解。数あるチェスナットのリーダー作の中でもかなりいい線いっているね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


THERE S A SWEET, SWEET
CYRUS CHESTNUT
HIGNO
2017-07-21