Dave Douglas Quintet 2015 / Brazen Heart Live

Dave Douglas (Tp)
Jon Irabagon (Ts)
Matt Mitchell (P)
Linda Oh (B)
Rudy Royston (Ds)
Rec. November 21, 2015, Jazz Standard NYC
(Greenleaf Music GRE-CD-1057)

前作「Dave Douglas & Frank Woeste / Dada People(16年、別頁あり)」が素晴らしかったデイヴ・ダグラスだけど、近年のレギュラー・クインテットの方もゲストヴォーカル入りの「Dave Douglas Quintet with special guest Aoife O'Donovan / Be Still(12年、別頁あり)」はさておき、その後にリリースされた「Dave Douglas Quintet / Time Travel(13年、別頁あり)」「Dave Douglas Quintet / Brazen Heart(15年、別頁あり)」は相当良かっただけに、本作(Jazz Standardでのライブ盤)の登場は嬉しい限り。録音は2015年11月とちょっと古いけど、「Dada People」の同年1月、「Brazen Heart」の同年2月よりは新しいわけだし、演奏内容がどれだけ良かったのか、ファーストセットとセカンドセットを丸ごと収録した2枚組となっているので、これは相当期待できそう。ちなみにリズム隊のリンダ・オーとルディ・ロイストンは、先日聴いたばかりの「George Colligan / More Powerful(17年、別頁あり)」にも揃って参加している。

全11曲(ファーストセットのCD1が6曲、セカンドセットのCD2が5曲)がダグラスのオリジナル。
CD1の前半はテーマ・ユニゾンやリフ出しの延長として、フロントのダグラスとジョン・イラバゴンが同時進行でアドリブを吹いている場面が多いので(そこにマット・ミッチェルが加わっていることもあり)、演奏が暑苦しく感じるけれど、基本的に私はクールなものよりもホットな演奏の方が好きなので、こういうのは大歓迎。さすがにライブだけあって、ダグラスがダイナミックなプレイで聴かせてくれるし、イラバゴンもそれに負けじとコルトレーンの発展型といった感じのプレイで応酬しているのに加えて、ロイストンが手数の多いスピーディーなドラミングで容赦なく叩きまくっているのだから、何ともたまらない。また録音の関係でベースの音はあまり聴こえないけれど、オーの単にバッキングに徹しているだけではないパワー感と瞬発力のあるベースも相変わらず素敵だし、アップテンポの曲やフリー的な部分なんかではミッチェルもギンギンなプレイで大活躍していて、各人が自分の持ち味をフルに発揮しているおかげで、どの曲をとっても最高にいい感じで楽しむことができる。曲中で曲調やリズム(ビート)を自在に変化させていながらも乱れは一切感じさせないのは、ここ何年も同じメンバーでやっている賜物だと思うけど、そういう自由度の高い演奏をしていながらもきちんと調和がとれているのが、バンドとしてのオリジナリティーにも繋がっている。両セットとも4ビートと非4ビート曲をバランスよく演奏。楽曲的にはロイストンが手がつけられないほど凄いことになっているCD1の6曲目「Lone Wolf」、7拍子の4ビートのCD2の1曲目「Garden State」(この曲でもロイストンはドラムソロで大活躍)が特に気に入った。
ライブ盤ということで、場面によっては手に汗握るスリルと興奮さえ味わえる演奏には文句のつけようがないのだが、録音(エンジニアはTyler MCDiarmid、Geoff Countryman)はジャズクラブというスペースの関係で、全体的にこもった感じの音で録れていて(音像にも立体感が感じられない)、特にベースは不明瞭な部分があるのは残念なところ。でもそれを差し引いたとしても本作は5つ星に値するね。ダグラスのリーダー作は「Dave Douglas / The New National Anthem」というのも同時にリリースされているけれど、こちらの方はメンバーがChet Doxas (Cl, Sax)、Steve Swallow (El-B)、Jim Doxas (Ds)と異なるので、購入を迷っている最中だ。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)