Roberto Gatto Quartet / Now!

Roberto Gatto (Ds)
Alessandro Presti (Tp)
Alessandro Lanzoni (P)
Matteo Bortone (B)
Rec. October 1-2, 2016, Milano Italy
(Arbeat Records ABJZ172)

ロベルト・ガットの前作「Roberto Gatto Quartet with Avishai Cohen, Francesco Bearzatti and Doug Weiss / Sixth Sense(15年、別頁あり)」はコードレスだったけど、こちらの方はピアノ入りのワンホーン・カルテットなので、どんなことをやっているのだろうというワクワク感には欠ける代わりに安心感のある演奏が堪能できそうだ。メンバーのアレッサンドロ・ランツォーニはガットお気に入りのピアニスト。1992年生まれ(だと思う)とまだ若いながらも「Roberto Gatto and Lysergic Band / Pure Imagination(11年、別頁あり)」「Roberto Gatto, Alessandro Lanzoni, Gabriele Evangelista / Replay(12年、別頁あり)」では素晴らしいテクニックと音楽性でその上手さを見せつけてくれたのだが、そのランツォーニのリーダー作「Alessandro Lanzoni Trio / Dark Flavour(13年、別頁あり)」に参加していたベーシストがマッテオ・ボルトーネ(?、1982年生まれ)。これが初聴きのトランペットのアレッサンドロ・プレスティはランツォーニと同世代のような感じだけど、3人の若者を相手にベテランのガットがどのようなドラミングをしているのかが楽しみだ。

ガット曲が3曲、ランツォーニ曲が2曲、ボルトーネ曲が2曲、プレスティ曲が1曲、4人の共作が1曲、コール・ポーターの「I've Got You Under My Skin」、クリス・ポッターの「Tick Tock」、モンクの「Thelonious」で全12曲。
4ビートが中心。全体的にダークな雰囲気を醸し出しながらの演奏は、ある意味初期の頃のウィントンのカルテットにも通じるものがある。ファブリツィオ・ボッソを聴いたすぐ後なので、彼と比べるとプレスティのトランペットはテクニック的にもアイデア的にもイマイチではあるけれど、それなりのオリジナリティーがあるし、フレディ・ハバード的な華も持ち合わせていて実にいい塩梅。これでもっと細かいフレーズで攻めれるようになれば、かなりのところまで(アレックス・シピアギンぐらいまでは)行きそうな感じがするね。またそれ以上に素晴らしいのがランツォーニで、彼がアドリブを弾いた途端に演奏がますますカッコよくなるのだから大したもの。7曲目「Thelonious」での、モンクをリスペクトしながらのアドリブなんかも絶品だね。それに加えて、単にウォーキングだけには終わっていないボルトーネのベース(ソロの場面もけっこう多い)にも好感が持てる。肝心のガットはそんな3人を温かく見守りながらドラムを叩いている感があるけれど、それでもやるべきことはきちんとやっているので、物足りなく感じるようなことはない。ドラムソロがないのは少々残念だけどね。楽曲はどれもがみんないいのだが、その中でもモーダル臭がプンプンする2曲目「Lost」(ボルトーネ曲)、モンク的な曲調の5曲目「Moom」(ガット曲)、モンク曲の7曲目「Thelonious」、非4ビートの8曲目「May」(ボルトーネ曲)、3拍子の10曲目「Brendy」(ランツォーニ曲)が特に気に入った。
本作は演奏だけではなく、録音(エンジニアはGabriele Simoni)も各楽器が過不足なく良い音(音楽的な)で録れていて、それがまたやっている音楽にもよくマッチしていて上々だ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Now!
Roberto Gatto
Abeat For Jazz
2017-06-29