Dayna Stephens / Gratitude

Dayna Stephens (Ts, Bs, EWI, Syn, B on 9)
Julian Lage (G)
Brad Mehldau (P, Tack-P on 4)
Larry Grenadier (B)
Eric Harland (Ds)
Rec. 2014?, NY
(Contagious Music CGM002)

録音年月が記されていないけど、Sunnysideからの「Dayna Stephens / Peace(14年、別頁あり)」とメンバーもプロデューサー(マット・ピアソン)もレコーディング・エンジニアも同じなので、もしかすると同時期に録音されたものかもしれない。「Peace」は私が好んでは聴かないバラード集ながらも、流石にこれだけのメンバーが揃っているだけのことはある素晴らしい作品だったので、本作にも期待している。

Olivier Manchonの「Emilie」、アーロン・パークスの「In a Garden」、Michelle Amadorの「Amber is Falling (Red and Yellow)」、ジュリアン・レイジの「Woodside Waltz」、パット・メセニーの「We Had a Sister」、デイナ・スティーヴンスの「The Timbre of Gratitude」、ビリー・ストレイホーンの「Isfahan」、Rebecca Martinの「Don't Mean a Thing at All」、Massimo Biolcati / Louis Coleの「Clouds & Clouds」で全9曲。
非4ビートが主体。「Peace」と同様のバラード集ではあるけれど、こちらの方も曲中に盛り上がる部分が用意されていて実にいい塩梅。腹八分目ながらもどの曲においてもエモーショナルに聴かせてくれるスティーヴンスのテナーのカッコよさは当然として、ブラッド・メルドーも参加曲ではそれに輪をかけて素晴らしいアドリブを取っているし、メルドーが休んでいる曲に参加しているジュリアン・レイジも曲調にバッチリ嵌ったバッキングとアドリブで楽しませてくれるし、ソロは2曲目「In a Garden」でしか取っていないものの、ラリー・グレナディアの端正ながらも人間味が感じられるベースにも非常に好感が持てるし、演奏を盛り上げる機動力となっているエリック・ハーランドのプレイも、大人しく叩いている場面も含めて非の打ちどころがなくて(特に3曲目「Amber is Falling (Red and Yellow)」のメルドーのアドリブ部分でのアグレッシブなドラミングは絶品)、各人ともバンドとしての調和を取りながらも自分の持ち味をフルに発揮しているおかげで、アルバムの後半は大人しい演奏が続いているような気がしないでもないけれど、どの曲をとっても最高に良い感じで楽しませてくれる。今回は知らない曲が多いけど、そんな中での7曲目「Isfahan」や、曲によってのEWI、バリトンサックス、シンセの使用もいいアクセントとなっているね。
「Dayna Stephens / Peace」も相当良かったけれど(その後にリリースされたCriss Crossからの「Dayna Stephens / Reminiscent(15年、別頁あり)」はイマイチだったけど)、馴染みのない曲(ある意味マニアックな)を多く取り上げている本作もまた申し分のない素晴らしさ。テナーが温かい音色で録れている録音(エンジニアはChris Allen)も極上で、これは文句なしの5つ星だね。今年の私的ベストアルバムの10枚に入れるのも確実だと思う。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Gratitude
Dayna Stephens
CD Baby
2017-04-07