Christian Sands / Reach

Christian Sands (P)
Marcus Baylor (Ds)
Gilad Hekselman (G)7, 8, 9
Christian McBride (B)8
Yasushi Nakamura (B)
Cristian Rivera (Per)5
Marcus Strickland (Ts, B-Cl)3, 4
Rec. 2016?, NY
(Mack Avenue MAC1117)

先日聴いたユリシス・オウエンスJr(「Ulysses Owens, Jr. / Falling Forward(17年、別頁あり)」)と同様、クリスチャン・マクブライドに可愛がられているクリスチャン・サンズのリーダー作を買うのは、「Christian Sands/Risin'(08年、別頁あり)」「Sands, Fonnesbaek, Riel / Take One(15年、別頁あり)」に次いでこれが3枚目だけど、本作ではこれまであまり接点がなかったのではと思われるマーカス・ベイラーと共演しているのが興味深い。ベイラーはイエロージャケッツに在籍していたことがあるドラマー。近作では「Kenny Garrett / Pushing The World Away(13年、別頁あり)」で非常にいい仕事をしていたので、ここでのプレイにも期待している。またベースは中村恭士だけど、マクブライド(プロデュースを担当)が1曲だけ演奏に加わってソロを弾いているのも嬉しいし、2曲に参加のマーカス・ストリックランドや3曲に参加のギラッド・ヘクセルマンがどういうプレイをしているのかも楽しみだ。

サンズ曲が8曲と、Bill Withersの「Use Me」、ジェームズ・ホーナーの「Somewhere Out There」で全10曲。
サンズがバップ・テイスト溢れるピアニストであることは基本的に変わらないけれど、そこにマッコイ・タイナー的なモーダルさ等のプラスアルファが加わって、ますますいいピアニストに成長しているね。おそらくマクブライドのバンドで鍛えられたおかげだと思うけど、どの曲においても表現力が実に豊かだし、今回はいろんなビートの曲を用意しているおかげで、これまでとは一味違った演奏た堪能できる。そのためのベイラーだと思うけど、1曲目「Armando's Song」のようなアップテンポの4ビートであれ、3曲目「Pointing West」のような16ビートと4ビートの複合曲(曲調はコリアの「Humpry Dumpty」に似た感じ)であれ、5曲目「iOyeme」のようなラテンタッチな演奏であれ、ヘクセルマン参加の7曲目「Reaching for the Sun」、8曲目「Use Me」、9曲目「Gangstalude」のようなもっとコンテンポラリーな演奏であれ、どんな曲調やビートであってもどんとこいなのだから、彼の起用は大正解。それと比べると中村のベースは頑張って弾いているわりには音自体がちょっと弱いというか不鮮明だけど、サンズとベイラーが常に聴かせてくれるので、気になるほどではない。曲によってのストリックランド(テナーだけではなくエレクトロニクスも担当しているよう)、クリスチャン・リベラ、ヘクセルマンの参加もとてもいいアクセントとなっていて(マクブライドが8曲目のいいところでアルコのソロだけでわざわざ参加する必要はない気がするが)、ゲストが参加している曲以外はほとんどサンズにしかスポットが当たっていないものの、どの曲をとってもノリノリで楽しむことができる。ゲスト陣の中では、特にヘクセルマンの相変わらずの順応力の高さに感心する。
ここでのサンズは、これまでとは一皮も二皮もむけていて(音楽性の幅が広がった感じ)実にいいね。本作は演奏の良さに加えて、録音(エンジニアはTood Whitelock)も中村のベースを除いては良好だ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


REACH
CHRISTIAN SANDS
MACAV
2017-04-28