Ondřej Štveráček Quartet / Sketches

Ondřej Štveráček (Ts,Ss)
Gene Jackson (Ds)
Tomáš Baroš (B)
Klaudius Kováč (P)
Rec. March 27, 2016, Svarov, Czech Republic
(Stvery Records)

ジーン・ジャクソン買い。リーダーのオンドレ・ストヴェラチェク(?)は全然知らない人なのだが、HMVレビューによると「コルトレーンやスティーブ・グロスマンを彷彿とさせるモーダルなフレーズで縦横無尽に駆け抜けるチェコの実力派テナーマン」とのことだし、ジャケットも昔風でカッコいいので、すぐに飛びついた。本人のサイトによると本作は6枚目のリーダー作。ストヴェラチェクと同様、トマス・バロス(?)とクラウディウス・コヴァック(?)も知らない人だけど、ジェリー・バーガンジィやナイポンクがアルバムに推薦コメントを寄せていることから見ても、期待どおりの演奏が楽しめるのは間違いないだろう。

ストヴェラチェク曲が3曲、バロス曲が1曲、ビリー・エクスタインの「I Want to Talk About You」、ジミー・ヴァン・ヒューゼンの「It Could Happen to You」、エルヴィン・ジョーンズの「Three Card Molly」で全8曲。
ストヴェラチェクのコルトレーン臭がプンプンするテナーのスタイルといい(バロス曲の3曲目「Bunch of Gypsies」で吹いているソプラノの方は、どちらかというとディヴ・リーブマンに近い感じ)、モーダルな曲調といい、コルトレーンが大好きな私にとってはたまらないものがある。オリジナル曲だけではなく、2曲目「I Want to Talk About You」なんかも、コルトレーン本人が吹いているのではと錯覚するほどよく似ているね。そんなストヴェラチェクのプレイをどの曲においてもたっぷりと堪能できるし、ピアノのコヴァックもコンピングのセンスはイマイチなような気がするものの、アドリブではマッコイ・タイナーとはまた一味違ったテンションの高いプレイで聴かせてくれるし、ベースのバロスもヨーロッパ的なテクニックを駆使しながら、曲調によくマッチした力感のあるプレイ(ソロの場面もけっこう多い)をしていて実にいい。またジャクソンもいつも以上に気合の入ったドラミングで楽しませてくれるのだが、エルヴィン・ジョーンズを変に意識することなく、あくまでも自分のスタイルで貫き通しているのが、バンドとして必要以上にコルトレーン・カルテット化していないことに繋がっているね。各人とも本気モードで攻めているおかげで、手に汗握る興奮を味わることができるのだが、そんな中綺麗なコード進行の5曲目「It Could Happen to You」と8曲目「Lullaby-dedicated to my Daughter Anna」(ストヴェラチェク曲)が一服の清涼剤となっていて、選曲的にも好感が持てる。
初めて聴いたストヴェラチェクだけど、ここまでコルトレーンを消化吸収している人がチェコにもいたことに驚かされる。自主制作盤である本作は録音(エンジニアはLukas Martinek)も、ピアノとドラムスは若干チープな音で録れていながらも、やっている音楽にはバッチリ嵌っているので、これはオマケして5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Sketches
Ondrej Stveracek
自主制作盤
2017