Eliane Elias / Dance of Time

Eliane Elias (Vo, P)
Marcus Teixeira (Ac-G)1-3, 5-10
Conrado Goys (El-G)4
Marcelo Mariano (El-B)1-10
Edu Ribeiro (Ds)1-3, 5-10
Celso de Almeida (Ds)4
Marivaldo dos Santos (Per)2, 3, 9
Gustavo di Dalva (Per)2, 3, 9
Special Guests:
Amilton Godoy (P)11
Joao Bosco (Vo, G)4
Mark Kibble (Background-Vo)3, 5, 8
Mike Mainieri (Vib)2, 7
Randy Brecker (Flh)8
Toquinho (Vo 9, 12, G 12)
Rec. 2016?, Sao Paulo, Brasil
(Concord 7202305)

イリアーヌ・イリアスとダイアナ・クラールのアルバムが同時期にリリースされるのは、ブログにアップしているものだけでも2006年の「Eliane Elias/Around The City」「Diana Krall/From This Moment On」、2009年の「Eliane Elias/Prays Live」「Diana Krall/Quiet Nights」、2015年の「Eliane Elias / Made In Brazil」「Diana Krall / Wallflower」(各別頁あり)と3枚もあるということは、それだけレコード会社もライバル視しているのだろう。ヴォーカルものはほとんど聴かない私ではあるけれど(ヴォーカリストのバックで自分で演奏する分においては全然オーケーだが)、この2人に関しては全てのアルバムを所有しているほど大好きなのは何度も書いているとおり。先日聴いたばかりの「Diana Krall / Turn Up The Quiet(17年、別頁あり)」も相当良かっただけに、前作「Made In Brazil」とほとんど変わらないメンバー(ブラジルのミュージシャン)ながらも、ゲストとしてマイク・マイニエリ(共演するのは「Steps Ahead/Holding Together(00年?、別頁あり)」以来かな)、ランディ・ブレッカー(元旦那)が参加している本作にも期待している。

イリアーヌ曲が4曲(トッキーニョとの共作含む)、ブラジル曲の「O Pato」「Copacabana」「Coisa Feita」「Sambou Sabmou」「Samba de Orly」「Na Batucada da Vida」、スタンダードの「You're Getting to be a Habit With Me」「Speak Low」で全11曲。
前作「Made In Brazil」と同様のボサノヴァやサンバを基調としながらのブラジリアンな演奏ではあるけれど、さすがにリズム隊が本場ものだけあって、普通のジャズメンがやるのとは一味も二味も異なっているのが実にいい。特にドラマーのEdu RibeiroとCelso de Almeidaのプレイは、ドラムをかじっている身としては大いに参考になるね。そんなご機嫌なビートに乗っかって、イリアーヌも最高にいい感じで歌っているのだが、それ以上に素晴らしいのがピアノで、相変わらずの上手さを見せつけてくれるのだから何ともたまらない。できればダイアナ・クラールにもこれぐらい弾いてもらいたいのだが、その辺はイリアーヌが旦那のマーク・ジョンソンやスティーヴ・ロドビーと共同プロデュースしている本作と、トミー・リピューマがプロデュースのクラール盤の違いなのだろう。私としてはイリアーヌが本当にやりたいことがやれている本作に軍配を上げる。ただし8曲目「Speak Low」(アレンジがかなり斬新)に参加しているランディはアドリブも取っているのでよしとして、2曲目「You're Getting to be a Habit With Me」と7曲目「Little Paradise」(イリアーヌ曲)に参加のマイニエリはバッキングに回っているだけなので、どうせやるのならステップス・アヘッド時代のようなインスト曲を用意するなりして、もっとガツンとやって欲しかった。でもそうなると他の曲とのバランスが崩れてしまうので、やはりこれで正解なのかもしれない。マイニエリのプレイに期待しない限りにおいては、この2曲も非常にいい雰囲気で楽しませてくれる。またバンドでの演奏が続く中、Amilton Godoyとデュオっている11曲目「An Up Dawn」(イリアーヌ曲)と、トッキーニョとデュオっている12曲目「Not to Cry (Pra Nao Chorar」(二人の共作)もとてもいいアクセント。どの曲をとってもここまで良いことをやられてしまっては文句のつけようがない。
ということで演奏内容には大満足だし、録音(エンジニアはRodrigo De Castro Lopes)も特にヴォーカルが最高に良い音で録れているのだが、イリアーヌに関してはヴォーカルがメインのアルバムが続いているので、できれば次回作ではピアノをメインに路線を変えてくれることを願っている。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Dance of Time
Eliane Elias
Concord Records
2017-03-24