Diana Krall / Turn Up The Quiet

Diana Krall (P, Vo)
Christian McBride (B)1,7,10
Russell Malone (G)1,7,10
John Clayton Jr. (B)2,3,4,8,9
Jeff Hamilton (Ds)2,3,4,8
Anthony Wilson (G)2,3,4,8
Tony Garnier (B)5,6,11
Karriem Riggins (Ds)5,6,11
Marc Ribot (G)5,6,11
Sruart Duncan (Fiddle)5,6,11
Shari Sutcliffe (Contractor)
Joel Deruin (Concertmaster) with Strings 2,4,8,10
Rec. 2016?, Hollywood, CA
(Verve 5735217)

Diana Krall/Quiet Nights(09年)」「Diana Krall / Glad Rag Doll(12年)」「Diana Krall / Wallflower(15年)」(各別頁あり)と、あまり面白くない作品が続いていたダイアナ・クラールだけど、大好きなヴォーカリストであることに変わりはないので、本作(プロデュースは今年3月に亡くなったトミー・リピューマが担当)にもすぐに飛びついた。今回は「Diana Krall/From This Moment On(06年、別頁あり)」と同様のスタンダード集なので安心して楽しめるとは思うけど、例により曲によってはストリングスも加わっているので、過度に甘口なサウンドにはなっていないことを願っている。

スタンダードの「Like Someone In Love」「Isn't It Romantic」「L-O-V-E」「Night and Day」「I'm Confessin' (Thet I Love You)」「Moonglow」「Blue Skies」「Sway」「No Moon At All」「Dream」「I'll See You In My Dreams」で全11曲。
私がクラールのアルバムで一番好きなのは「Diana Krall / Love Scenes(97年)」なので、それと同じくラッセル・マローン、クリスチャン・マクブライドとのトリオだけでやっている曲が3曲(1曲目「Like Someone In Love」、7曲目「Blue Skies」、10曲目「Dream」)も入っているのがまず嬉しい。また2曲目「Isn't It Romantic」等のストリングス入りの曲であっても、ストリングスはほんの味付け程度で、クラールのヴォーカルだけではなく、ちゃんとピアノや他のメンバーにもスポットが当たっているもいい塩梅。結局は昔に戻ったような演奏ということになるけれど、やっぱりクラールはこうでなくては面白くないんだよね。2000年以降はマンネリ傾向にあり、ここ3作品は企画自体もつまらなかっただけに、ここでの演奏はやけによく感じる。欲をいえばアドリブの小節数をもっと増やしたり、速めのテンポの曲もあれば更によかったと思うのだが、とりあえずはようやく望んでいる方向のクラールに巡り合えたので、これでよしとしよう。ピアノに関しては昔の方が弾けていたような気がするけれど、ヴォーカルの上手さは相変わらずで、ドスの効いた感じの中~低域と若干のハスキーさが混在している歌声で表情豊かに歌っているのだから(曲によっては耳元で囁かれるようなゾクゾク感も味わえる)、なんともたまらない。また選曲をスタンダードに絞ったのも正解。それでいて超有名曲は取り上げていないのがある意味マニアックで、これは歌い方も含めてアマチュア・ヴォーカリストのよい手本にもなりそうだ。
ということで本作では久しぶりにいいクラールを堪能できた。録音もさすがにエンジニアがアル・シュミットだけあって、ヴォーカルも各楽器も最高に良い音で録れているので5つ星にしたいところだが、クラールだったらもっといいことができるはずなので、あえて4つ星に抑えておく。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


TURN UP THE QUIET
DIANA KRALL
VERVE
2017-05-05