Bobby Watson / Made in America

Bobby Watson (As)
with the Curtis Lundy Trio
Stephen Scott (P)
Curtis Lundy (B)
Lewis Nash (Ds)
Rec. December 13, 2016, NY
(Smoke Sessions Records SSR1703)

ボビー・ワトソンのリーダー作を買うのは「Bobby Watson/Quiet As It's Kept(00年、別頁あり)」「Bobby Watson/In The Groove(01年、別頁あり)」「Bobby Watson/Live & Learn(02年)」以来。その間にも何枚かリリースされているのだが、やっていることはだいたい想像が付くのでパスしている。でもたまにはこういうオーソドックス路線も無性に聴きたくなるんだよね。本作にはルイス・ナッシュが参加していることもあってすぐに飛びついた。他のメンバーのカーティス・ランディは上記「Quiet As It's Kept」以外にも「The Jazz Tribe/The Next Step(99年、別頁あり)」等、多くのアルバムで共演している間柄。スティーブン・スコットがワトソンと共演するのは、もしかするとこれが初めてかな。ちなみにスコットとナッシュは、1998年の南郷ジャズフェスのロン・カーター・カルテットで、生で観たことがある。

ワトソン曲が8曲、スコット曲が1曲、ランディ曲が1曲、Walter Marksの「I've Gotta Be Me」で全11曲。
久しぶりに聴くワトソンだけど、昔よりも奏法が軽くなったような印象を受ける。それには高域寄りの音使いをメインにフレージングを構築していることも関係しているのだが、必要以上に細かくは吹いていないことからして、年齢に合わせて(といっても1953年9月生まれなので、まだ63歳だけど)無理のない吹き方に変えたのが一番の理由なのだろう。バックの3人も同様に軽いタッチの演奏で調和を取っているけれど、ナッシュが小音量ドラミングが得意なことは分かっているにしても、ここまでダイナミクスの変化に乏しいのはあまり聴いたことがないので、曲と場面によってはもう少し強く叩いてメリハリをつけてもよかったのではと思ってしまう。それはスコットにもいえることで、彼のプレイからも抑揚はあまり感じられない。もしかするとワトソン、あるいはトリオのリーダーであるランディからこういう抑え気味のプレイをするよう指示があったのかもしれないけれど(そういえばカーターのバンドでもこんな感じだった)、ナッシュにしてもスコットにしても普段はもっと生き生きとしているだけに、ここでのプレイはどうしても物足りなく感じてしまう。それでもオリジナルの楽曲自体が良好なおかげで、どの曲もそれなりにいい感じで楽しむことは出来るけどね。特にfor Sammy Davis, Jrとなっている5曲目「The G.O.A.T」(ワトソン曲)は、ナッシュのブラシを主体としたソロがフィーチャーされているのと、楽曲にも既視感があって大いに気に入った。あとスコットが絶妙にアウトしているカツカツした8ビートの9曲目「The Real Lone Ranger」(ワトソン曲)も、マッコイ的な曲調の中、ワトソンにも気合が入っていて悪くない。
ということで本作は期待していたほどではなかった。録音(エンジニアはOwen Mulholland)も各楽器の音の線が細目で、それが演奏に熱っぽさが感じられない要因にもなっている。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Made in America
Bobby Watson
Smoke Sessions Rec
2017-04-21