Craig Taborn / Daylight Ghosts

Craig Taborn (P, Electronics)
Chris Speed (Ts, Cl)
Chris Lightcap (Ac-B, El-B)
Dave King (Ds, El-Per)
Rec. May 2016, NY
(ECM 2527)

同じECMからの2枚目「Craig Taborn Trio / Chants(13年、別頁あり)」がなかなかよかったクレイグ・テイボーンなので、本作にもすぐに飛びついたのだが、クレジットを見るとメンバーを一新しているんだね。その中のクリス・スピードは、「Dejan Terzic / Prometheus(16年、別頁あり)」でしか聴いたことがないサックス奏者。またクリス・ライトキャップも「Gabriel Puentes/Simple(10年、別頁あり)」「Matt Wilson Quartet + John Medeski / Gathering Call(14年、別頁あり)」で耳にしているも、どんな感じのベーシストだったのかは記憶に残っていない。デイヴ・キングはThe Bad Plusのデヴィッド・キング(David King)と同一人物かな。だとするとよく知っているドラマーということになるけれど、いずれにしてもこの面々でどんな演奏を繰り広げているのか楽しみだ。

テイボーン曲が8曲と、ロスコー・ミッチェルの「Jamaican Farewell」で全9曲。
1曲目「The Shining One」は8ビートの7/4拍子だけど、すぐにビートは変化するしフリー的な要素も強くなっていて、そんな中でテイボーンがギンギンにピアノを引き倒しているのがカッコいい。近年のECMは静的な演奏が多くなっているだけに、こういうのを聴くとスカッとする。2曲目「Abandoned Reminder」もゆったり目のテンポのバラード調の曲ではあるけれど、この曲もまた途中からカツカツしたビートにチェンジして、なおかつフリーの要素も取り入れながらダイナミックに盛り上がっているのだから嬉しくなってしまう。1曲目もそうだけど、テイボーンと脇役的に吹いているスピードのアドリブが同時進行しているのも演奏のバイタリティーさに繋がっているね。3曲目「Daylight Ghosts」もバラード調で、途中から盛り上がる手法は2曲めと同様だけど、こちらの方はバラード部分が主体となるようにアプローチを変えているので、また一味違った演奏が楽しめる。4曲目「New Glory」はドラムソロからスタートするリズミカルな曲。いったい何拍子なのか、数えてもよく分からない変拍子(11拍子かな?)となっているけれど、ウッドから持ち替えて弾いているライトキャップのエレベの反復フレーズや、ラテンのリズムを応用したキングのドラミングがいいアクセントになっているし、テイボーンのプレイにも活力が漲っていて、これまた実にいい塩梅。こういう曲があるからこそ、続く5曲目「The Great Silence」のような音の空間を活かした、いかにもECMといった感じの演奏も生きてくる。
残りの曲は割愛するけれど、バンドとしての演奏にはオリジナリティーが感じられるし、動と静のバランスに留意しながらの各人が一体となった盛り上がりも魅力的で、どの曲を取ってもいい感じで楽しむことができた。聴く前はエレクトロニクスがクレジットされているのが気になったけど、味付け程度に用いているだけで、目立っているのは9曲目「Phantom Ratio」だけなので、こういうのだったら全然オーケー。本作は録音(エンジニアはジェームス・ファーバー)も各楽器が過不足なく良い音(物理的にではなく音楽的に)で録れていて上々だね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Daylight Ghosts
Craig Taborn
Ecm Records
2017-02-10