John Abercrombie Quartet / Up and Coming

John Abercrombie (G)
Marc Copland (P)
Drew Gress (B)
Joey Baron (Ds)
Rec. May 2016, NY
(ECM 2528)

前作「John Abercrombie Quartet / 39 Steps(13年、別頁あり)」と同一メンバーによる2枚目。ドリュー・グレス、ジョーイ・バロンと一緒にやっているのはその前の「John Abercrombie Quartet / Within A Song(12年、別頁あり)」からなので、ジョン・アバークロンビーは多くの共演歴のあるマーク・コープラントと共にこのリズム隊もよほど気に入っているのだろう。ワタシ的には1970~90年代のデイヴ・ホランド、ジャック・ディジョネットやマーク・ジョンソン、ピーター・アースキン、あるいは2000年代初頭のジョンソン、バロンの組み合わせの方が好きなのだが、現在のジョンアバとコープランドの音楽性にはグレス、バロンも相性的にバッチリなので、本作にも期待している。

ジョンアバ曲が5曲、コープランド曲が2曲、マイルスの「Nardis」で全8曲。
多くのジャズ・ミュージシャンは常に変化を求めているので、メンバーが同じであっても1枚目と2枚では少々演奏内容が異なって当然なのだが、それにしても1曲目「Joy」からいきなり静寂感漂う演奏となっているのは、ECMレーベルを意識しすぎなのではと思ってしまう。2曲目「Flipside」はミディアム・ファーストの4ビートなので、そんな不満はすぐに解消するけれど、今度はノッている最中に曲が終わってしまうのが面白くない。せっかくのいい演奏なのに、3分弱しかやっていないのは短すぎるんだよね。それとは逆に大人しめの3曲目「Souday School」は7分強となっていて、これはこれでいい感じで楽しめはするけれど、続く4曲目「Up and Coming」も似たような感じの曲調となっているのに加えて、全体的に大人しめの曲の割合が多いので、できれば2曲目や6曲目「Silver Circle」のような雰囲気の異なるものをもう何曲か入れるなりして、もっと演奏にメリハリをつけてほしかった。でもジョンアバとコープランドが今一番やりたいのこれだと思うので、ないものねだりをしても仕方がないだろ。もちろん曲調の範囲内では各人とも最高にいいことをやっているし、大好きな「Nardis」(7曲目)も楽しめるので、これでよしとしておこう。
とあまりいいことは書いてないけど、さすがにこのメンバーだけのことはある素晴らしい演奏と、各曲をコンパクトに纏めたトータル47分というLP並の短さが相まって、聴いていて退屈するようなことは全くないことだけは付け加えておく。本作は録音(エンジニアはジェームス・ファーバー)も、以前のようなバロンのバスドラを「ドーン」と下に沈み込ませる重低音の快感は味わえなくなってしまったものの、各楽器の質感、バランス共に良好だね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高)

John Abercrombie
Ecm Records
2017-01-13