Jeremy Pelt / Make Noise!

Jeremy Pelt (Tp)
Victor Gould (P)
Vicente Archer (B)
Jonathan Barber (Ds)
Jacquelene Acevedo (Per)
Rec. September 9, 2016, NY
(Highnote Records HCD7299)

大好きなジェレミー・ペルトだけど、本作ではメンバーをガラリと代えているのが興味深い。その中のヴィセンテ・アーチャーは、多くのアルバムに参加している売れっ子ベーシストなので説明不要だろう。ドラムスのジョナサン・バーバーは「JD Allen / Grace(13年、別頁あり)」「JD Allen / Bloom(14年、別頁あり)」に参加していたね。またヴィクター・グールド(リーダー作「Victor Gould / Clockwork(16年)」でペルトと共演)は、「Jonathan Greenstein / Thinking(11年、別頁あり)」や「Ralph Peterson / The Duality Perspective(13年、別頁あり)」中の2曲に参加しているのが見つかった。パーカッションのジャクレーン・アセヴェド(?)はこれが初聴きだと思うけど、はたしてこの面々でどういうことになっているのかワクワクする。

ペルト曲が7曲、パーカッションソロ、ドラムソロ、シモーナ・プレマッツィの「Digression」で全10曲。
ここ何作かはマイルスの黄金クインテット色が濃厚だったペルトだけど、本作ではフレディ・ハバード色が強くなっているのに新鮮味を感じる。アルバムタイトルから、もしかすると私が苦手とするヒップホップ調のジャズをやっているのではと危惧していたのだが、決してそんなこともなく、モーダルな4ビートをメインにきちんと勝負をかけているのも実にいい塩梅。比較的綺麗なコード進行のバラードの9曲目「Your First Touch...」以外はダークな曲調に統一しながら演奏が淡々と進行しているけれど、そんな中でのコンガを主体としたパーカッションソロの1曲目「Prologue: Introduction to "Make Noise!"」やドラムソロの6曲目「Introduction to "Evolution"」がいいアクセントとなっているし、曲ごとにビートやテンポも変えているので、単調に感じるようなことは全くない。ペルトは全体的に腹八分目に吹いている印象ながらも華のあるプレイで聴かせてくれるし、グールドのさりげなくアウトしているフレージングも滅茶苦茶かっこいいし、バーバーのバイタリティー溢れるドラミングも強力な推進力となっているし、録音のせいで少々聴こえにくいものの土台をガッチリと支えているアーチャーの力感のあるベースも相変わらず素敵だし、単なる色付け程度では終わっていないアセヴェドのプレイにも存在感があって、バンドとしての調和を取りながらも各人が持ち味を存分に発揮しているおかげで、どの曲をとってもいい感じで楽しませてくれる。楽曲自体が私好みのものばかりということもあって、ノリノリで聴いていたらトータル53分があっという間に終わってしまった。
ペルトのバンドはこれまでのメンバーも相当良かったけれど、アーチャー以外は知名度がイマイチなものの、このメンバーもまたテクニック的にも音楽性も申し分がなくて大いに気に入った。本作は録音(エンジニアはジョー・マルシアーノ)も、ベースだけは不鮮明ではあるけれど、各楽器が温かみのある音で録れているし、やっている音楽にもよくマッチしていて好感が持てる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Make Noise!
Jeremy Pelt
Highnote
2017-01-20