Pieranunzi・Ceccarelli・Imbert / Ménage à Trois

Enrico Pieranunzi (P)
Andre Ceccarelli (Ds)
Diego Imbert (B)
Rec. November 12-15, 2015, France
(Label Bonsai Music BON160901)

エンリコ・ピエラヌンツィがCam Jazz以外のレーベルでレコーディングするのは、「Enrico Pieranunzi / Tales From The Unexpected(15年、別頁あり)」以来ということになるのかな。今回は盟友のアンドレ・チェカレリと共にフランスに出向いてのBonsaiレーベルでのレコーディングだけど、アルバムが3人の共同名義になっているということはピエラヌンツィのリーダー作ではなく、これが初聴きのフランス人ベーシスト、ディエゴ・インベルト(?、1966年生まれ)が持ち込んだ企画だったのかもしれない。Wikipediaを見ると、インベルトは過去にもピエラヌンツィ、チェカレリと共演しているし、アーチー・シェップ、アルド・ロマーノ、リチャード・ガリアーノ、エリック・レニーニ、アントニオ・ファラオ、ジャン=ミッシェル・ピルクとも共演歴があるんだね。ちなみにピエラヌンツィのフランスでの録音ものとしては、ライブ盤の「Enrico Pieranunzi/Live in Paris(05年、別頁あり)」が最高だった。

ドビュッシー、バッハ、シューマン等の曲をモチーフにしたと思われるピエラヌンツィ曲が6曲、エリック・サティの「Iere Gymnopedie」、ドビュッシー曲にピエラヌンツィ曲を付け加えた「Medley: La plus lener que lente / La  moins que lente」、フランシス・プーランクの「Hommage a Edith Piaf」、ダリウス・ミヨーの「Le crepuscule」、ダリウス・ミヨー曲にピエラヌンツィ曲を付け加えた「Medley: Romance / Hommage a Milhaud」で全11曲。
ピエラヌンツィの前作「Enrico Pieranunzi Quartet / New Spring: Live At The Village Vanguard(16年、別頁あり)」は期待したほどではなかっただけに、ここでの演奏はやけによく感じる。それにはメンバー的なこと以外に、レコーディングに4日間たっぷりと時間を掛けていることも関係しているのだろう。丁寧なアレンジが施させていながらも、クラシックを題材としているわりには静的な演奏には終わっていないどころか、どの曲をとってもリズミカルなのが実にいい。オリジナルの1曲目「Mr. Gollywogg」は、ここ何作か続いていたスコット・コリー、アントニオ・サンチェスとの共演盤と同様に、ラテン的な要素も取り入れながらのアップテンポな演奏が滅茶苦茶かっこいいし(アドリブの4ビート・チェンジ部分で「Night And Day」のフレーズを弾いてコード進行の種明かしをしているのにもニヤリとさせられる)、サティの有名曲の2曲目「ジムノペディ」のボサノヴァ・タッチの演奏も非常にセンスがよくて、もうこの2曲だけでも買ってよかったという気にさせてくれる。続く3曲目「Medley: La plus lener que lente / La  moins que lente」なんかもドビュッシーの「レントより遅く」をソロ・ピアノでしんみりと聴かせた後には、スウィンギーな4ビート(倍テンもあり)で盛り上がっていて最高だね。いつもながらのピエラヌンツィの饒舌な語り口のピアノ、ここぞというときにはお得意のダブルストロークを多用しているチェカレリのダイナミックなドラミングに加えて、逞しさの中にも優しさが感じられるインベルトのベースにも聴き応えがあって、ヨーロッパのピアノトリオとしての理想的な演奏で楽しませてくれる。アルバムの中盤はチェカレリがブラシを用いた大人し目の演奏となっているけれど、そろそろガツンときてくれないかなあと思っているとちゃんとくるので、そんなこともどうでもよくなってくるし、1曲目と同様に10曲目「Hommage a Faure」と11曲目「Liebestraum pur fous」もラテンタッチな演奏で曲の流れに大きく変化を与えているのも、最後まで退屈させない要因となっているね。
クラシックが題材ということで、聴く前はそんなに期待していなかった本作だけど、これは買って大正解。録音(エンジニアはStefano Amerio)もピアノは少々明るめに録れているものの、各楽器の質感、バランス共に申し分がなくて、久しぶりにいい感じのピエラヌンツィを堪能できた。これでドラムソロも入っていれば更によかったと思う。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Menage a Trois
Enrico Pieranunzi
Imports
2016-10-07