Wolfgang Muthspiel / Rising Grace

Wolfgang Muthspiel (G)
Ambrose Akinmusire (Tp)
Brad Mehldau (P)
Larry Grenadier (B)
Brian Blade (Ds)
Rec. January 2016, Pernes-les-Fontaines, France
(ECM 2515)

ウォルフガング・ムースピールとラリー・グレナディア、ブライアン・ブレイドは、ECMからの前作「Wolfgang Muthspiel, Larry Grenadier, Brian Blade / Driftwood(14年、別頁あり)」でも共演しているのだが、本作にはアンブローズ・アーキンムシーレイ(先日聴いた「Tom Harrell / Something Gold, Something Blue(16年、別頁あり)」でのプレイも素敵だった)や、説明不要のブラッド・メルドーまでもが参加しているのだから、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

ムースピール曲が9曲と、メルドー曲が1曲で全10曲。
グレナディアはメルドー・トリオのメンバー、ブレイドもまたジョシュア・レッドマンの「Joshua Redman Quartet / Moodswing(94年)」「Joshua Redman / Timeless Tales(98年、グレナディアも参加)」や、近作の「Joshua Redman / Walking Shadows(13年、別頁あり、これにもグレナディアが参加)」でメルドーと共演しているだけあって、非常に纏まりのいい演奏。メンバー全員が楽曲をよく理解しながらの、ムースピールとメルドーの同じ感性によるプレイが魅力的だし、アーキンムシーレイの普段とは幾分奏法を変えているように感じられるトランペットも曲調によくマッチしているし、グレナディアとブレイドの控えめではあるけれど存在感のあるプレイも素敵。ただしムースピールがアコギを弾いている1曲目「Rising Grace」と2曲目「Intensive Care」に関しては、演奏自体は悪くないものの、似たような雰囲気の穏やかな非4ビート曲が続くので、少々退屈に感じなくもない。その点ムースピールがエレギに持ち替えている3曲目「Triad Song」や、曲中で盛り上がる4曲目「Father And Sun」、メルドー曲の5曲目「Wolfgang's Walts」(3拍子の4ビート)、ブレイドがけっこうガツンといっている6曲目「Superonny」や7曲目「Boogaloo」(5拍子の4ビート)はより私好みの演奏となっているし、以降の曲もムースピールがエレギをメインに弾いているおかげで、どの曲もいい感じで楽しむことができるけどね。これでもっとガツンとくるようなアップテンポの曲もやっていれば最高なのだが(曲によってはドラムソロもあってもよかったかも)、その辺はECMとの兼ね合いもあると思うので致し方ないだろう。
ということで大満足というわけではないけれど、このメンバーならではの演奏が堪能できた。本作は録音(エンジニアはGerard de Haro, Nicolas Baillard)も、ドラムスだけはブレイドのイメージと異なるものの、各楽器がバランスよく録れているのに加えて、ギターとピアノに実在感があって上々だね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Rising Grace
Wolfgang Muthspiel
Ecm Records
2016-10-28