Tom Harrell / Something Gold, Something Blue

Tom Harrell (Tp, Flh)
Ambrose Akinmusire (Tp)
Charles Altura (G)
Ugonna Okegwo (B)
Johnathan Blake (Ds, Tambourine)
Omer Avital (Oud)4
Rec. August 29-30, 2015, NJ
(HighNote Records HCD7289)

レギュラーメンバー(ウエイン・エスコフェリー、ダニー・グリセット、ウゴンナ・オケグォ、ジョナサン・ブレイク)による「Tom Harrell / Number Five(12年、別頁あり)」以降は、「Tom Harrell / Colors of a Dream(13年)」「Tom Harrell / Trip(14年)」「Tom Harrell / First Impressions(15年)」(各別頁あり)と、メンバーを少しずつ代えながらレコーディングしているトム・ハレルだが、本作では若手のアンブローズ・アーキンムシーレイ(リーダー作「Ambrose Akinmusire / When the Heart Emerges Glistening(11年、別頁あり)」「Ambrose Akinmusire / The Imagined Savior Is Far Easier to Paint(14年、別頁あり)」以外にも、「Danny Grissett/Form(09年、別頁あり)」「Gerald Clayton / Life Forum(13年、別頁あり)」「Zhenya Strigalev's Smiling Organizm / Robin Goodie(15年、別頁あり)」で聴いたことがある)とのツイン・トランペットで、しかもギターのチャールズ・アルトゥラ(「Chick Corea / The Vigil(13年、別頁あり)」も参加しているのだから、はたしてどういうことになっているのかワクワクする。

ハレル曲が8曲と、スタンダードの「Body and Soul」で全9曲。
たぶん左寄りのchがハレルで、センターchがアーキンムシーレイだと思うけど、パッと聴きではどちらが吹いているのか分からなくなるほどに2人のフレージングはよく似ているね。曲によってはオーバーダブでミュート・トランペットなんかも加えているけれど、テーマのアンサンブルも含めて息のピッタリと合ったプレイをしているのが最大の聴きどころ。そんな調和の取れた演奏の中、ブレイクがこれまでのハレル・クインテット以上に手数の多いドラミングをしているのがとてもいいアクセントとなっているし、アルトゥラのThe Vigilや「Tigran Hamasyan/Red Hail(09年、別頁あり)」のときとはまた一味違った、ギターの音色を統一しての比較的オーソドックスなプレイもまた同様で(中東風な4曲目「Delta of the Nile」でのオマー・アヴィタルのウードもグッド)、どの曲もいい感じで楽しませてくれる。ハレルがギタリストとやっているのはジョン・アバークロンビーぐらいしか記憶にないけれど、アルトゥラもまた相性的にバッチリだし、ピアノの代わりにギターが参加していることがサウンドの新鮮さにも繋がっている。またバッキングでは土台をガッチリとキープしていて、その分ブレイクに遊ばせているオケグォも、ソロになると流石のプレイで聴かせてくれて、メンバー全員が実力を十分に発揮しているおかげで、ただでさえ良い楽曲(4ビートと非4ビートが4:6ぐらいの割合)が何倍もよく感じる。それにしても場面によってはハレルよりも上手いのではと思わせるほどのアーキンムシーレイを、共演者としてあえて起用しているハレルは大したものだね。きっとそれだけ自分に自信を持っているのだろう。
演奏には文句の付けようがないし、録音(エンジニアはSean Kelly)も各楽器が音楽的に良い音で録れているのに加えてバランスも完璧で、本作は当然ながらの5つ星。なんか最近は5つ星が続いてしまっているけれど、本当に良いのだから仕方がない。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

SOMETHING GOLD, SOMETH
TOM HARRELL
HIGNO
2016-10-21