Boris Kozlov / Conversations at the Well

Boris Kozlov (B)
David Gilmore (G)
Rudy Royston (Ds)
Rec. February 16, 2016, NY
(Criss Cross 1389)

アレックス・シピアギンの諸作品や二人で一緒に参加しているOpas 5の他にも、「Brian Lynch Latin Jazz Sextet/Con Clave(05年)」「Bob Kindred/Nights of Boleros and Blues(07年)」「George Colligan/Blood Pressure(07年)」「Conrad Herwig/A Jones For Bones Tones(07年)」「Ronnie Cuber Quartet/Ronnie(09年)」「George Colligan/Come Together(09年)」「Jean-Michel Pilc/True Story(10年)」「Mingus Big Band / Live at Jazz Standard(10年)」「Lauren Sevian / Blueprint(12年)」「Misha Tsiganov / Dedication(12年)」「George Colligan / The Facts(13年)」「Misha Tsiganov / The Artistry Of The Standard(13年)」(各別頁あり)といった多くのアルバムに参加しているボリス・コズロフの初リーダー作だけど、これまで共演しているのを聴いたことがないデヴィッド・ギルモア、ルディ・ロイストンとのレコーディングとなっているのが興味深い。ギタートリオのシンプルな編成で、はたしてどういうことになっているのか楽しみだね。

エヴァンスの「Five」、ミンガスの「Conversation」、ショーターの「Orbits」、ジャレットの「Semblance」、エリントンの「Prelude to a Kiss」、ハンコックの「Eye of the Hurricane」、オーネットの「Latin Genetics」、3人の共作「Headless Blues」、モンクの「Pannonica」で全9曲。
ミディアムテンポの中に倍テンをトリッキーに取り入れている1曲目「Five」からして実にいい塩梅。それは2曲目「Conversation」以降も同様なのだが、どの曲でもコズロフのガッチリとした力強いウォーキングやソロが堪能できるのは当然として、ギルモアがここまで4ビート続きの演奏をしているのをリーダー作では聴いたことがなかったので、新鮮な気持ちで楽しむことができる。もちろんロイストンも相変わらず容赦のないスピーディーなドラミングで攻めまくっていて、ギターだけではなくベースとドラムスの魅力も存分に堪能できるのが本演奏の特徴。それでいながらトリオとしてもきちんと調和がとれているのが流石だね。ナチュラルな音色に統一して弾いているギルモア(9曲目「Pannonica」のみアコギ使用)は、多彩なフレージングで聴かせてくれるものの、音色的には一本調子に感じなくもない。その辺のところをコズロフとロイストンが上手くカバーしているし、あえてスタンダード抜きにして、ジャズメン・オリジナルを取り上げている選曲のセンスのよさも相まって、最高にいい感じで楽しませてくれる。大好きな「Eye of the Hurricane」(6曲目)だけは、今まできちんと把握できていない変則的なテーマの譜割が、ちょっとしたアレンジを施しているおかげでますます分からなくなってしまうけどね。
私にとってのギタートリオの理想的な演奏といっても過言ではないし、録音(エンジニアはジョー・マルシアーノ)も各楽器の音質、バランス共に申し分がなくて、本作は文句なしの5つ星。まだ半年残っているけれど、今年のベスト10の上位に食い込むのも確実だろう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Conversations at the Well
Boris Kozlov
Criss Cross
2016-05-20