Russell Malone / All About Melody

Russell Malone (G)
Rick Germanson (P)
Luke Sellick (B)
Willie Jones III (Ds)
Rec. November 10, 2015, NY
(HighNote Recors HCD7287)

ラッセル・マローンのHighNoteからの2枚目。前作「Russell Malone / Love Looks Good on You(15年、別頁あり)」と同様に、本作にもリック・ジャーマンソンとウイリー・ジョーンズIIIが参加しているということは、二人をそれだけ気に入っているのだろう。ベースだけはジェラルド・キャノンからこれが初聴きのルーク・セリック(本人のサイトあり)に代わっているけれど、音楽的にはこれまでとも変わらないハートフルな演奏が楽しめそうだ。

マローンの「Message to Jim Hall」、フレディ・ハバードの「On the Real Side」、ソニー・ロリンズの「Nice Lady」、ジミー・ヒースの「Sound for Sore Ears」、C. Lewis/A. Wrightの「When a Man Loves a Woman」、M. Masser/G. Coffinの「Saving All My Love for You」、ボブ・ブルックマイヤーの「Jive Hoot」、H. Dietz/A. Schwartzの「Haunted Heart」、B. Leeの「Biskit」、トラディショナルの「He's Gone Away」と、スポークン・ワードの「Messege from Jim Hall」で全11曲。
マローンはケニー・バレル、ウェス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソンあたりに近いギタリストだと思っていたけれど、ここでは「Message to Jim Hall」というオリジナルをやっていたり、ジム・ホール本人と思われるしゃべりのトラック「Messege from Jim Hall」も入っていることから、奏法的にもホールの影響が見え隠れしていると気づいた次第。今回は特別にそういう要素を増やしながら弾いているような感じだけど、こういうマローンも風情があって実にいいね。またマニアックな選曲の中にホイットニー・ヒューストンのヒット曲「Saving All My Love for You」を加えているのにも好感が持てるし、エフェクターを駆使しながら歪み系のトーンでギンギンに弾いているロック調の10曲目「Biskit」も、全体的に落ち着いた曲調が多い中でのいいアクセント。バンドとしての演奏はマローンに大きくスポットが当たっていて、ジャーマンソンの出番はそんなに多くはないけれど(休んでいる曲もあり)、それでもいざというときには曲調によくマッチしたアドリブで聴かせてくれるし、曲によっては4曲目「Nice Lady」のように手叩きまでしているジョーンズIIIも、流石のドラミングで楽しませてくれる。ベースのセリックだけは可もなく不可もなしといったといった感じだけど、バッキングは適格だし少しだけとっているソロにも歌心があるので、これで十分だろう。楽曲の中ではセカンドビート調の1曲目「On the Real Side」、ホール・バージョンの「St. Thomas」を連想させる4曲目「Nice Lady」、アップテンポの4ビートで半テンもありの8曲目「Jive Hoot」、マローンが思いっきりブチ切れていて、ジャーマンソンとのバトルも非常に聴き応えがある10曲目「Biskit」が特に気に入った。
いつもと変わらないオーソドックスなギターではあるけれど、マローンはやっぱりいいね。普段はもっとコンテンポラリーなギタリストを好んで聴いているので、こういうやつの方がむしろ新鮮に感じる。本作は前作同様にエンジニアが内藤克彦だけあって、録音も各楽器が温かみのある音で録れていて上々だ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

All About Melody
Russell Malone
Higno
2016-04-15