Baptiste Herbin / Interférences

Baptiste Herbin (As, Ss)
Renaud Gensane (Tp, Bugle)
Maxime Fougeres (G)
Sylvain Romano (B)
Benjamin Henocq (Ds)
Pierre de Bethmann (P, Wualitzer)9,10,14
Andre Ceccarelli (Ds)3,5,10,14
Dolly Ratefinjanahary (Chant)14
Rec. September 2014, Meudon, France
(Just Looking Productions JLP12)

ファーストアルバム「Baptiste Herbin / Brother Stoon(13年、別頁あり)」がなかなかよかったバプティスト・ハービンだけど、本作にも前作から引き続きのピエール・ド・ベスマン、アンドレ・チェカレリに加えて、ベスマンとはPrysm(「Prysm/On Tour(01年、別頁あり)」「Prysm / Five(11年、別頁あり)」)等で一緒のベンジャミン・エノックまでがメイン・ドラマーとして参加しているのだからそそられる。他のメンバーは前作にも参加のシルヴァイン・ロマーノ以外は知らない人だけど、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

ハービン曲が10曲と、ルノー・ジェンサン(?)曲が1曲、ジミー・レイニーの「Parker 51」、ジャッキー・マクリーンの「Appointment in Ghana」、モンクの「Ask Me Now」で全14曲。
「Brother Stoon」と同様のバップ・テイストな演奏ではあるけれど、こちらの方は1曲目「Pour L'amie」のような16ビート系(9/8拍子)の曲もやったりしていて(アドリブからは4ビートにチェンジ)、現代性が感じられるのがいい塩梅。そんな中マクリーンの曲も取り上げているということは、ハービンは彼のことを敬愛しているのだろう。勢いのある速いパッセージにはパーカーの影響も感じられるけど、伝統的なスタイルを踏まえながらも、ありきたりな演奏には終わっていないのに好感が持てる。楽曲的にはNYのジャズとは異なる方向性を狙っているようで、ダークな要素を排除しているのが特徴的。聴きどころはなんといってもハービンのテクニックと歌心を兼ね備えたアルトとソプラノだけど、それには決して引けを取らないジェンサンのトランペットもなかなかのものだし、レイニー調ながら古さの中にも新しさが感じられるマキシム・フージェール(?)のギターも曲調にバッチリ嵌っている。またロマーノも存在感のあるベースで聴かせてくれるし、お目当てだったエノック、チェカレリ、ベスマンのプレイも流石。10曲目「J'ai Envie D'te Dire」と14曲目「Interférences」はツインドラム(左chがベスマンで、右chがチェカレリのよう)となっているけれど、二人が一緒に叩いているだけでも興味津々だね。
トータルで69分と、かなりの長丁場ではあるけれど、オーソドックスな4ビートからアフリカ的な演奏までバラエティーに富んだ曲構成となっているので(それでいながら散漫に感じることは一切なし)、最後まで退屈することなく堪能できた。録音(エンジニアはJulien Basseres)も各楽器が非常にリアルで、それでいながらうるさくは感じさせないのが素晴らしい。これでベースがもっとガッチリした音で録れていれば更によかったと思う。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Interferences
Baptiste Herbin
Just Looking
2016-01-25