David Gilmore / Energies of Change

David Gilmore(G)
Marcus Strickland(Ss, Ts, Bass-Cl)
Luis Perdomo(P)
Ben Williams(B)
Antonio Sanchez(Ds)
Kofo Wanda(Talking Drum)3
Rec. December 19-20, 2010, NJ and November 19, 2012, NY
(Agate AGIP3570)

デヴィッド・ギルモアのリーダー作は、「David Gilmore / Ritualism(01年)」「David Gilmore/Unified Presence(06年、別頁あり)」「David Gilmore / Numerology - Live at Jazz Standard(12年、別頁あり)」に次いで、これで4枚目ということになるのかな。長い音楽歴のわりにはリーダー作が少ないのだが、それだけじっくりと音楽を練り上げているということなのだろう。本作はドラマーが前2作に参加していたジェフ・ワッツから、さらに先鋭的なアントニオ・サンチェスに代わっているのにまずそそられるのだが、他のメンバーもマーカス・ストリックランド、ルイス・ペルドモ(「Numerology - Live at Jazz Standard」から引き続きの参加)、ベン・ウィリアムスと大好きなミュージシャンのオンパレードとなっているのだから、弥が上にも期待が高まる。

ギルモア曲が7曲と、ウェイン・ショーターの「Over Shadow Hill Way」、ケニー・カークランドの「Revelations」で全9曲。
これまでと同じく変拍子もありの非4ビートや4ビート曲がバランスよく配列されているけれど、ファンク調であっても4ビートであっても重量感のあるワッツとは異なり、サンチェスの場合はドラミングがフレキシブルでリズムもよりカラフルなので、それだけでも全然違って聴こえるのがいい塩梅。おそらく楽曲もサンチェスの参加をあらかじめ想定して作られたものがあると思うけど、けっこうな難曲が多いというのに各人とも息のピッタリと合ったプレイをしているのだから、さすがにこのメンバーだけのことはあるね。ほとんどの曲のテーマがギルモアとストリックランドのユニゾンとなっているけれど、アコギを弾いている8曲目「Revelations」以外はギターのトーンを統一して弾いているギルモアの代わりに、ストリックランドが曲調に応じながらソプラノとテナーを持ち替えていて(今回はソプラノの方を多く用いている)、さらに1曲目「Eneagies of Change」ではオーバーダブでバスクラも加えているのがいいアクセント。アドリブもこの2人が主体となっていて、ペルドモ、ウィリアムス、サンチェスの出番は思ったほどは多くないけれど、バッキングだけでもそれぞれの持ち味を発揮しながら楽しませてくれるので、弾き足りない叩き足りないと感じることは全くない。ただしウィリアムスのベースが曲によっては聴こえ難いのは残念なところ。音質的にもあまり力感が感じられないので、できればいつものようなガッチリとした音で録ってほしかった。でも不満はそれだけかな。演奏に関してはどの曲もウハウハ状態で楽しめて、楽曲としては思いっきり変拍子の2曲目「Rajas Guna」、アフロチックな3曲目「Dance of Duality」、ミディアム・テンポの4ビートの5曲目「Sacred Pause」、マイク・スターン的なリフが特徴的でWR的なところもちょっとある6曲目「Over Shadow Hill Way」、ファンクと4ビートの複合の9曲目「Trick of I」が特に気に入った。
サンチェス参加のアルバムはどれもがハズレなしだけど、本作もまた実にいいね。録音(エンジニアはDae Bennett、John Davis)もベース以外は上々なので、当然ながらの5つ星。ギルモアのリーダー作の中では本作が一番しっくりくる。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)